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ふつうに飽きたら

閉館して4ヶ月余りで再開した水族館「あわしまマリンパーク」に行った。生き物への愛がすごくて信じられないくらい癒された。何が愛かって?展示の熱量がすごい。熱すぎてこわい。本当に好きな人が書いた体温のある言葉。

それを読みつつ魚たちを見ると解像度がちょっと上がって楽しい。「本当だね」とか「確かに」とか「じゃあこれは?」とか、書いた人に話しかけたくなった。

なんか地方の観光地って特に最近手を入れてきれいになったところが、同じコンサルが入ってんですか?ってくらいどこに行っても似たような雰囲気になってしまってつまらないと思っていたんだけど、今時のあれもこれもオシャレでスタイリッシュでどこかで見たようなデザインされてしまう流れに逆らう手作りと素朴な感じについつい読み入ってしまった。人を惹きつけて心に残るのっていわゆるきれいに整ったもの、整列反復対比よりその隙間にあるいびつさなんじゃないだろうか。

みんな大好きニモとドリーがいた。ニモはイソギンチャクと共生しているそうで、水槽を見ると本当に一緒に住んでいた。ドリーの方はパネルの「今回のドリーは水族館始まって以来のお調子者でした」って部分を読んだ瞬間にヘーイって感じで現れて面白かった。お調子者ですね。

同居
展示と一緒の顔

水族館自体は派手ではない。広くもない。いわゆる都会の水族館みたいに目玉になるような豪華な水槽なんかもない。一回閉館していることだし、前述の手作りと素朴は予算や人手が不足していることの裏返しでもあるのだろう。水族館は1960年代、隣のホテルは90年代バブルの終わり頃に建てられたらしい。それぞれの時代を映すような建築。どこまでが水族館の管轄なのか不明だけど、島全体で補修や手入れが追いついていなくて寂れた感じがあるのは否めない。海沿いの柵は壊れていたり地面はところどころ割れていたし泉は枯れていた。そんな哀愁とか時の流れとか移り変わりを見ることすらも楽しめた。そしてまだまだ経過の途中ある。再開した水族館とこの島はこれからどんな風に変わっていくだろうか。

すっかりファンになってインスタを探したらコンセプト“普通の水族館に飽きた人こそ来て欲しい水族館”だった。なるほどね。


距離がものすごく近いのも癒し
何より海がきれいで空いている
この辺りの海は日本でも屈指の透明度らしい
東京から2時間で来れる
派手ではないが豊かな場所
たぶんまた来るんだろうな

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