知るだけで人生が変わる「良いストレスと悪いストレス」入門
あなたは知ってた?知っているようで意外と知らないストレス入門。の続きの記事で、前回軽く触れた良いストレスと悪いストレスに関する記事になります。前回の記事を読んでない方は、先に前回の記事を読むことを推奨しております。
良いストレスと悪いストレス
「ストレス」という言葉を聞くと、ネガティブな印象を受け「ストレスは避けるべき」と考える人が多くいることでしょう。確かに「ストレス」の悪影響は様々で、うつ病などの精神疾患や心臓病などの心血管疾患のリスクも高まるので、「ストレスは避けるべき」という考えは正しいです。
しかし、これは非常によくある誤解でして、多くの人は知りませんが、ストレスは必ずしも悪いものとは限りません。ストレスには良い一面もありまして、ストレス研究の父であるハンス・セリエ[1]は、ストレスには良いストレスと悪いストレスの2種類に分類していました。
良いストレスは「ユーストレス」とも呼ばれ、デメリットしかない悪いストレスとは異なり、ユーストレスは創造性や認知機能を向上させる[2]他、私たちの人生に様々な「メリット」をもたらしてくれます。なので一概に「ストレス=避けるべき」ではないのです。
それでは良いストレスと悪いストレスの違いについて見ていきましょう。
良いストレス
良いストレスとは、適度な負荷や刺激によって、心身の活性化や成長につながるストレスのことです。例えば、
仕事や勉強の目標に向かって努力する。
新しいことに挑戦する。
スポーツや趣味に取り組む。 など
が、良いストレスに当てはまります。「人に強制されたり、押し付けられたことではなく自発的に決めたこと」って感じのが良いストレスってことです。
良いストレスがもたらすメリット
良いストレスは、以下のようなメリット[3]をもたらすと考えられています。
心身の健康の維持。
ストレス耐性の向上。
集中力や創造力の向上。
意欲やモチベーションの向上。 など
どれも仕事や人生を豊かにするには必須と言っても過言じゃないスキル。良いストレスっていいですね!!
では、私たちが普段使っている意味での悪いストレスについて見ていきましょう。
悪いストレス
悪いストレスとは、過度の負荷や刺激によって、心身の不調や健康被害を引き起こすストレスのことです。例えば、
長時間労働。
人災、自然災害。
人間関係の悪化。 など
が、悪いストレスに当てはまります。これは確かに悪いストレスだなって感じですね。この3つはストレスの王道すぎる。
悪いストレスがもたらすデメリット
悪いストレスは、以下のような悪影響[4]をもたらすと考えられています。
免疫力の低下。
集中力や生産性の低下。
睡眠障害や消化器系の不調。
うつ病や不安障害などの精神疾患。
心臓病や脳卒中などの生活習慣病。 など
私たちが普段言っているストレスのまんまですね。本当にデメリットしかないですね。
ここまで、良いストレスと悪いストレスについて見てきました。上記の例を見て、もう「どのストレスが良いストレスか悪いストレスか判断できるよ」って方もいらっしゃると思いますが、良いストレスと悪いストレスの判断基準をご紹介していきます。
良いストレスと悪いストレスの基準
良いストレスと悪いストレスの基準は、以下の3つが挙げられます。
ストレスの量。
ストレスの強さ。
コントロールのしやすさ。
それでは、一つずつ見ていきましょう。
1.ストレスの量
良いストレスは、適度な量のストレスです。ストレスの量が大きすぎると、逆に悪いストレスになる可能性があります。
2.ストレスの強さ
良いストレスは、耐えられる強さのストレスである。ストレスの強さが強すぎると、悪いストレスになる可能性があります。
3.ストレスのコントロールのしやすさ
良いストレスは、自分でコントロールストレスです。ストレスをコントロールできないと、悪いストレスになる可能性があります。
ストレスも適量が大事
良いストレスを悪いストレスに変えないためには、ストレスの量や強さ、コントロールのしやすさを適切にコントロールすることが重要でした。自発的な良いストレスであっても度合いが強すぎれば、悪いストレスになりかねません。適度なストレスバランスを心がけましょう。
また、ストレスを感じる原因を特定し、その原因を解決または軽減することも有効[5]でして軽く例をご紹介します。
1.ストレスの量や強さをコントロールする
ストレスの量や強さを減らすためには、以下のような方法が有効です。
無理のないスケジュールを組む。
ストレス解消や休息、リラクゼーションの時間を取る。
ストレスの原因を特定し、その原因を解決または軽減する。
2.ストレスをコントロールできるようにする
ストレスをコントロールできるようにするためには、以下のような方法が有効です。
社会的なサポートを得る。
ストレス対処法を身につける。
ストレスに対する考え方をポジティブに変える。
社会的なサポートとは困った時に助けを求められる人などの事です。
また、ストレス解消、対策法などは、こちらの記事を参考にすると良きです。
アメリカ心理学会が提唱する「よくある間違った8つのストレス解消法」と「科学的に正しい8つのストレス解消法」
まとめ
自分の意思で「筋トレするぞ!!」、「この大会でるぞ!!」、「英語話せるように頑張るぞ!!」って決めてる人の方が、他人に強制されてる人と比べて、仕事やプライベートでも成果も出てるし、生き生きしてて楽しそうですよね。現に私の周りにそういう人がいるので、「確かにな〜」と思いました。この記事を参考にぜひ良いストレスを増やしていってください!!
あと、この記事を書いていて「良いストレス」と「成長マインドセット」の相性っていいのでは?と思ったので近々「成長マインドセット」についても書いていこうかと思います。
本日のおすすめ本
参考文献
Aschbacher K, O'Donovan A, Wolkowitz OM, Dhabhar FS, Su Y, Epel E. Good stress, bad stress and oxidative stress: insights from anticipatory cortisol reactivity. Psychoneuroendocrinology. 2013 Sep;38(9):1698-708. doi: 10.1016/j.psyneuen.2013.02.004. Epub 2013 Mar 13. PMID: 23490070; PMCID: PMC4028159.
[1]Tan SY, Yip A. Hans Selye (1907-1982): Founder of the stress theory. Singapore Med J. 2018 Apr;59(4):170-171. doi: 10.11622/smedj.2018043. PMID: 29748693; PMCID: PMC5915631.
Lu S, Wei F, Li G. The evolution of the concept of stress and the framework of the stress system. Cell Stress. 2021 Apr 26;5(6):76-85. doi: 10.15698/cst2021.06.250. PMID: 34124582; PMCID: PMC8166217.
[2]https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fpsyg.2020.585969/full
[3]https://positivepsychology.com/what-is-eustress/
[5]https://www.apa.org/topics/stress/health
免責事項:以上一部を参考に筆者の趣向と偏見と科学的根拠に基づいた記事なので、元の研究とは内容が異なることもあります。文献が基本的に英語なので、読み間違えや理解不足の点も多々あると思うので、自己責任でご覧ください。記事にはAmazonアフィリエイトなども含んでたりします。
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