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ドラッグユーザーのパーソナリティ

主観的な一般化というのはよく起こるものだ。学問として言語を少しかじっている者として私は、よく学びたい言語によって性格が違ってくると勝手に思っている。フランス語を学ぶ人には少し気取っているとか、スペイン語を学ぶ人には変わり者が多いとか、中国語を学ぶ人は伝統的だとか、自分の主観と経験に基づいて統計学的に一般化をすることは誰にでもあることだ。国民性や県民性は、広く共有されている一般化された像だ。

このような一般化はドラッグ世界でもよくある。好みのドラッグを見ることで、その人の性格を何となく予想できてしまう。それが偏見を助長することはもちろん承知の上だが、ドラッグは直接その人の精神面に大きな影響を与えることから、好みの精神的影響がその人の性格に関係があると考えるのは、普通の一般化よりは理にかなっているのかもしれない。

以下では一般的な各ドラッグを好む人の、それぞれ異なる一般化された像と性格について、私の主観と経験にのみ基づいて考察して見る。

1)大麻

大麻としばしば関連付けて考えられるボブ・マーリーに代表されるように、大麻愛好家には争いを好まない平和主義者が多い。まさしくLove & Peaceのような人々だ。60年代には、多くの平和を求めるヒッピー達が大麻を好んで摂取した。大麻愛好家は落ち着いていて、おっとりとした人が多いようだ。大麻の影響でそうなるのか、元々そういう性質を持っているから大麻を好むのかは分からないが、少なくとも大麻の影響下では怒りという感情を持つことはほぼ不可能に近い。好ましくない面としては、大麻好きは面倒くさがりで怠け者も多い。特にインディカと呼ばれる種の大麻を摂取すると、一日中何もせずに頭を使わなくてもいいくだらない映画を見ていたくなる。

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2)コカイン

コカインはお金持ちで目立ちたがりなビジネスに従事している人のドラッグというイメージがある。富と権力を好む人はコカインも好きだと感じている。六本木にいるような人たちがコカイン民の典型だ。コカインを摂取すると、自分はとてつもなく偉く凄い人だと過大評価しがちなので、その感覚が好きな人はおそらく、元々自分のことが大好き、またはそうであると思い込んでいる人なのだろう。

3)LSD/マッシュルーム

ドラッグの中で最も精神的に変化を与えてくれるのがLSDやマッシュルーム、DMTなどに代表される幻覚剤だ。これらを好む人は相当な変わり者で個性はが多い。幻覚剤の経験は「トリップ」と呼ばれていて、文字通り全く知らない世界に連れていってくれるので、冒険心があり自立している人が好むドラッグだ。だから多くのバックパッカーが幻覚剤を好むのだろう。幻覚剤のトリップは何が起こるか分からない未知の世界なので、精神的に強い人でなければこれを好まないだろう。ここでいう精神的に強いというのは、日本の伝統的な精神的強さである我慢強さや自己犠牲ではなく、どちらかというとどのような環境下でも動じないプレッシャーに打ち勝つような強さのことだ。

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4)MDMA

MDMAはパーティードラッグに含まれるだけあって、外向的でエネルギッシュな人が好む印象がある。コカインも外向的なドラッグだが、イメージ的には、コカインユーザーはパーティー中に周りからの注目が欲しくて派手なことをやってしまう人々なのに対して、MDMAユーザーは周りの目なんか気にせずに自分が楽しみたいから騒ぐといった感じだ。MDMAを使用すると自身のエゴが消えた感覚になり、その感覚は薬の効能が切れても続くので、MDMA好きには有効的な人が多い。

5)アルコール

アルコールは最も一般的で最も合法なドラッグだが、他のドラッグも手に入るのにあえてアルコールを好む人には、保守的で厳格な人が多い。ヒッピー界ではしばしば、喧嘩っ早く面倒くさいと思われている節もあって、典型的なアルコホリックと典型的な大麻愛好家は、あまり仲がよくないことも多々ある。

6)覚醒剤

ドラッグに寛容なヒッピー・コミュニティでも覚醒剤使用者は白い目で見られることが多い。日本でそうかは分からないが、海外ではゲイコミュニティでよく使用されている。東南アジアでは売春婦が好んで使用するのもこれだ。覚醒剤を好んで使用する人には貧困層が多いように思われる。バックパッカー界では、現地のアジア人が好むドラッグというイメージもある。

7)ヘロイン

キング・オブ・ドラッグと呼ばれるヘロイン。正直私の周りにもヘロイン使用者はあまりいないので詳しくは分からないが、ヘロイン使用者は全てを捨ててヘロインに貢いでいるといった印象だ。映画トレインスポッティングは非常に的確にヘロイン使用者の日常を表現している。

この一般化に基づいて他人を判断したり、付き合い方を変えるなんてことは全くない。それでもたまに典型例にぴったり当てはまっている人を見ると、自分の観察眼は間違っていないのかなという気持ちになる。

以上の考察は筆者の主観にのみ基づいているので、必ずしもこの通りではありません。

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