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子どもたちの問題が増えている⁉ コロナ禍で教師がすべきこと

2学期がはじまり、子どもたちの間でギクシャクした様子を感じるようになりました。トラブルもあります。

*お友達が大切にしている物をわざと壊してしまう
*お友達にいじわるする
*暴力を振るう

大人の社会でもコロナ禍での「新しい生活様式」により、さまざまなストレスから生じる問題がメディアで報道されていますが、子どもの世界でも、これまで以上に「心のストレス」によるトラブルが増えてきたように思います。

子どもは、家庭・学校(幼稚園・保育園)・学童などの間を行き来する生活です。
その生活環境の中でも、大人社会と同様に、新型コロナウイルス感染症拡大予防の観点から、あらゆる制限があります。

「大きな声でご挨拶はダメ。大声のお話もダメ」
「お友達と手をつないではダメ」
「大きな声で話したり、近くで話したりしてはダメ」
「ボール遊びも禁止」
「遊具も使用禁止」

「ソーシャルディスタンスを保ちましょう!」

学校や幼稚園、保育園によってそれぞれ禁止の強弱はありますが、これまで、当たり前だった子どもの行動が、一気に「禁止」だらけの世界になりました。

特にまだ言葉が完成されていない年齢の子どもたちは、身近な人たちとスキンシップを交えながら、信頼関係や愛情を感じ、心の安心と安定を保つことができます。その心の安心と安定は、子どもの表情や行動にあらわれ、学ぶ意欲にも大きく影響します。

また、マスク生活も問題があるかもしれません。日本人特有の〝以心伝心〟という言葉が昔からあるように、日本は、欧米と比較すると、〝察すること〟が重んじられている文化です。日本の文化は、自分の心の変化を身振り手振りで表現しませんし、〝礼〟を重んじ、直接的な言葉で相手に伝えない特徴があります(逆に、欧米的なコミュニケーションをとる子で、予測不能なリアクションをする子を「変わった子」と疎外する傾向が日本にはまだあります)。今は教育の現場でもマスク着用が推奨されていますから、マスクによって覆われた子どもの表情を、教師が感じることが難しくなるという現象も考えられますし、またその逆の可能性もあります。

子どもたちのコロナ禍での心のストレスは、こういったところから生じているのはないかと思うこの頃です。

コロナ禍1

みなさんの保育園や学校でも、このように子どもたちのストレスからきているような問題はありませんか?
そんなとき、どのように問題を解決しようとしていますか?

子どもたちの問題が表面化したとき、その問題を解決するために、何かのルールや法則にあてはめて対応する、前例から同じ対応を、上司の意見や保護者の顔色をみてという、担当教師が自ら考えることなく子どもの対応にあたっているケースをよく耳にします。

フレネ教育の創始者、セレスタン・フレネ先生は、子どもは、ひとりの人間であり、個性も能力も千差万別。教師はクラスに20人、30人いようとも、子ども一人一人に寄り添って考えることが大切だと伝えています。

フレネ教育の考えは、教育というのは、ひとりの人間を育てること。教育には科学のように一般的な法則やルールを当てはめることはできません。子どもの問題は、その子どもの中にあるのです。

それを知るためには、教師は、現実を認め、寄り添い、子どもと一緒に解決への道を考えることが大切です。それを長年実践してきたのが「ヴァンスのフレネ学校」。まさに今、日本が目指そうとしている「子どもの主体性を育む教育」の在り方だと思います。

私たちは、長年、南フランスンの「フレネ学校」と教育交流を行い、「フレネ学校」の子どもたちの学校生活を視察し、現場の先生方の実践を取材してまいりました。

このたび、セレスタン・フレネ先生が伝えてきた「フレネ教育の心とその実践方法」をわかりやすく伝えたいという思いでまとめたDVD「ドキュメント 『フレネ教育の神髄に迫る』けやの森からフレネへの旅 Part3」¥ 2,300が完成しました。教育に迷っている方、興味のある方に是非、ご覧いただきたいです。

DVD_vol.3  ジャケット

けやの森学園 通販サイト→ https://keyanomori.thebase.in/items/33047147

さらに細かく「フレネ教育」の実践方法を記録したフレネ教育の研究者で実践者として知られるアンリ-ルイ・ゴ先生の著書の翻訳本『ヴァンスのフレネ学校』をプロデュースし、この夏から発売させていただきました。東京大学名誉教授の汐見稔幸先生からも「フレネ教育学の本格的な研究書が登場した」と評価いただき、汐見先生のわかりやすい解説も加えられています。こちらは書店のネットサイトからご購入いただけます。

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