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不採用理由に落ち込んだ当時の私へ【リクルート】

久しぶりに、自分が就活生だったころの体験談を書こうと思います。
自分の苦い経験が、現在岐路に立つ誰かの役に立ちますように。

田舎の新卒戦争は厳しい

とある企業の新卒採用に応募したときのこと。
私はまだ、内定が取れておらず、業種・職種に関係なく
いろんな企業を見て回りながら、気になった企業の採用に応募をしていました。

田舎の求人は、都会に比べると遥かに少なく
業種を絞り込むと、片手で数えられるほどしかなくなってしまうため
とにかく選ぶ権利などなく、申し込むしかありませんでした。

なので、1社1社すべてが本番、大本命

履歴書やエントリーシート(ES)も、
その会社の内容に合わせ、すべて丁寧に作成していました。

そんな中、受けた企業でのお話です。

企業説明会での衝撃発言

大手の就職支援サイトで見つけた企業A社。
近日、会社での説明会が開かれるとの情報に
私はすぐに申し込みボタンを押していました。

会社の業種は、建築関連。募集業種も豊富でした。
建築系の学生だった私にとって、願ってもみない企業。
迷う暇はありませんでした。

説明会当日。
大きな本社に集められた学生たちは80名程度だったかと思います。
(田舎だとこれでもすごい人数です。笑)
会社のパンフレットやノベルティを受け取り
大きな会議室に集められた就活生は
A社社長のありがたいお言葉をいただくことになりました。

「頭のいい子はいらない。」

・・・!?
真剣にメモを取っていた私は思わず顔を上げましたが
聞き間違いではなかったようです。
もう一度繰り返された言葉に、私は正直唖然としました。

心に引っかかってしまったモヤモヤ

社長のお話はこんな感じでした。

頭のいい子はいらない。
うちの会社はファミリーだから、
頭のいい子がいると和を乱す可能性がある。
多少頭が悪い方がいい。仕事ができなくてもいい。
足並みをそろえて、目立たない人が欲しい。

メモを取る手が完全に止まりました。
言葉にしがたい思いがぐるぐると頭の中を巡ります。

私は正直、仕事をこなすのが得意な方でした。
協調性よりも、誰も思いつかないことをやってのけたり
頭の回転を活かして、積極的なアプローチを得意とする性格でした。

だから、この社長の話を聞いたとき
拒否反応のように手が止まってしまいました。

きっと、社長にも何か考えがあって
その話をしたのだろう。
頭では分かっているのですが、
どうしても引っかかる。モヤモヤする。

説明会前のワクワクとした気持ちは消え失せ
帰路についた私は、複雑な思いでした。

選ぶ権利がないという事実

モヤモヤの説明会を終えてまもなく、
就職支援サイトから届いたエントリー開始のお知らせ。

社長の言葉が引っかかり、モヤモヤを抱えた私は
採用試験に申し込むか否か、悩んでいました。

ですが、冒頭にも述べた通り
田舎の就職戦線は非常に厳しい状況でした。
企業自体の母数が少なく、自分の専攻を活かせる職はもっと少ない。
次に応募できる企業が出てくるかどうか分からない。

焦る私には、選ぶ権利はありません
納得がいかないながらも、ESを書き始めました。
自分の長所や今までやってきたことのアピールなど
企業に響くよう、何度も推敲を重ねて書きました。

でも、それが逆効果だったとは。

そんな理由で不採用ですか?

数日後、ESの返事が返ってきました。
結果は不採用
面接にすら進めなかった企業はこれが初めてでした。

不採用の通知には、こんな文章がありました。

「貴殿のスキルは高すぎて、弊社には相応しくありません」

・・・!?!?
初めて見ました、こんな不採用理由。

説明会のときに感じたモヤモヤが一気に言語化されます。

わたし、この企業と合わない。

落ちた事実より理由がショックだった

当時、内定がなかった中での不採用。
多少はショックだったと思うのですが
正直、自分に合わないと思っていた企業だったので
あまり落ち込むことはありませんでした。

それよりも、理由の文章が頭から離れません。
スキルが高いからダメ?
自己アピールをしたら落ちるってどういうことなの?
積極性があることがそんなに悪いこと?

始めは自分のESの書き方が悪かったのだろうとか
自分がほかの子よりも劣っていたからダメだったんだとか
もっと協調性をアピールすればよかったのでは?とか
考えていたのですが
時間が経つにつれ、冷静になったのか
一つの結論に至りました。

私は、私の良さを評価されたい。

嘘をついてESを書いたり、面接を受けることはできます。
一時的に取り繕うことは簡単ですし
面接まで持ち込めれば、受かる可能性が高いことも理解していました。

でも、自分を偽って入社した会社で働いて
何が楽しいんだろう。

私は、私の積極性を認めてほしい。
誰かを驚かせるのが楽しくて、
誰にも思いつかないようなアイディアを出す自分を
押し殺したくない。

協調性は確かに高くない。
会社の人と家族になりたいわけでもない。

自分が良いと思える自分を認めてもらえる会社に行こう。

会社を決める指標が決まった瞬間

不採用通知を受け取ってから、数日間。
憤りを感じることもありましたが
長い間立ち込めていた暗雲が一気に晴れるのを感じました。

これから受ける会社には
嘘偽りなく、自分の良さを全力でアピールしよう。

たとえ、それで落ちたとしても
自分の評価基準と、会社の評価基準が違っただけだから
落ち込む必要なんてない

私は自分が良いと思える長所
同じように、良いと思ってくれる会社に行きたい。

全力でアピールしたものを、
面白いね!と喜んでくれる会社に行きたい。

そう思った瞬間から、明確に就活が動き出しました。

不採用でなければ気付けなかった

その後の私は、かなり意欲的に就活に挑み
運よく、私のスキルを面白い!と絶賛してくれる上司に出会い
そのまま内定をいただくことになります。
(そのお話もいつかできればと思います)

でも、その内定は
A社の不採用通知がなければ得られないものだったと思います。

合わない企業の説明会と不採用通知。
その2つのおかげで、私は自分の長所と短所を知りました。

また、たくさんの企業がある中
自分には絶対合わない企業があるように
驚くほどに自分に合う企業もあるということも学びました。

就活生に知っておいてほしいこと

出会う人、全員に好かれることはできないのに
就職活動となると、好かれようとして
良い子を演じてしまう。

そんな方も多いのではないかなと思います。
実際、私もそうだったと思います。

でも、自分がリクルーター側になって感じるのは
必ずしも良い子が受かるわけではないということ。

あなたが行きたい会社が、
必ずしもあなたに合う会社じゃないかもしれない。
それでも、あなたの感性に合う会社はたくさんあります。

だから、あなたの良さを持ち続けてください。
あなたらしさを存分に発揮して、
それを面白がってくれる会社の目に留まるよう
全力で駆け抜けてください。

思うようにいかない就職活動の日々が
いつか思い出話になるときがきっときます。

そのときに、こんなことあったなって笑えるように
あなたが幸せな道を選べますように。

数年前、がむしゃらに頑張っていた自分に
同じように、今頑張っているあなたに
精一杯のエールを送ります。


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