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志望動機の最適解を探す【リクルート】

就職活動中、切っても切れない存在となる
志望動機」。

履歴書やES(エントリーシート)、面接と
幾度となく聞かれることとなる難関問題ですが
皆さん、上手に答えられますか?

今回は、いちリクルーターが「志望動機の最適解」について考えてみます。

志望動機は2つの要素に分けられる

まずは、志望動機とは
具体的にどんなことを聞きたがっているのでしょうか?

リクルーターが志望動機を尋ねる時
2つのポイントを見ています。

1つめは「なぜこの業界・職種を選んだのか」

2つめは「なぜうちの会社を受けようと思ったのか」

どちらか一方を満たす回答は簡単ですが、
これら2つの要素をどちらも明確に回答している方は
意外と少ないのです。

なぜこの業界・職種を選んだのか?の最適解

業界・職種を選んだ理由では、
いろんな回答の仕方があると思います。
たとえば、

学生の時に観た「○○」という映画に感銘を受け、
自分もあんな映像を作るクリエイターになりたいと思った。
幼い頃から、家族のカメラを借りて映像を撮るのが楽しかった。
ライフワークとして定着した映像制作の力を、仕事に活かしたい。

などなど、自分がどうしてその業界を目指しているのか
なぜその職種を選んだのかをエピソードを添えて明確に答えるのがいいと思います。

逆に響かない回答を添削してみる

明解に答えているようで、芯をとらえていない回答や
突っ込まれやすい回答は、もっと練り直さないと
リクルーターには刺さりません。
たとえば、

・学校で習ったことを活かしたいから
・映像制作が得意だから
・映像業界は自由度が高く、楽しそうだから

この回答のどこが良くないのでしょうか?
僭越ながら、添削してみます。

「学校で習ったことを活かしたいから」

この回答は、具体的なようでまったく志望動機になりません。
なぜなら、その学校に入った理由≒その業界に入りたい理由だから。

習ったことを活かしたい、という前に
なぜ、その学校に入ったのでしょう?
その学部を選んだのは?なぜ?

たった数年間学んできた時間を、無駄にしたくないから
これから先長い人生の進路を決めるんですか?

学校で習ったこと=業界で活かせることなのであれば、
そんな打算的で消極的な志望動機は勿体ないです。

もっと深く考えてみてください。
どうして、それが好きなのか。その道を進むのか。
そこにきっと答えがあります。

学んだことを活かしたい、ではなく
なぜその進路を選んだのか。
その根本にある気持ちを述べてください。

「学校で習ったことを活かしたいから」

例)卒業制作展で見た先輩の作品を見て、自分もやってみたくなり入学しました。そこで自分で映像を作る楽しさや、難しさを学びました。
そして、社会に出てもずっと映像を作りたい、もっと大きなモノづくりに携わりたいと思いました。


「映像制作が得意だから」

はっきり言います。

あなたの目の前にいる面接官は、その道のプロです。
その人の前で、「得意」と言えるほど
あなたの実力は凄いのでしょうか?

同じような言い回しで「○○する能力が高い」とか
「〇〇には自信がある」とかありますが、同様です。

その言葉の前に、見えない文脈として
(他の学生に比べて)が入っていませんか?

社会に出たら、数えきれないほどのプロの中に放り出されます。
学生時代の自慢や得意なんて、一瞬で淘汰されます。
厳しい言葉ですが、
学生で得られる経験値は、社会に出てからと比べたら足元にも及びません。

もちろん、例外はあるでしょうが
薄っぺらい言葉で、自分自身を語ってしまっては
せっかくのチャンスを逃してしまいます。

「得意」と簡単に述べる前に、
どうしてそう感じたのか、もっと深く考えてみましょう。
そのきっかけが、志望動機に繋がっているのではないでしょうか?

「映像制作が得意だから」

例)グループワークをしている際、自分はいろいろな角度から物事を見て表現するのが好きだと感じました。普段から映画などを見る時も、こんな表現はどうだろうか?とアイディアがわいてきます。そして、この能力を仕事に活かせたら、面白い作品を作ることができるのではないかと感じ、この業界を目指しています。


映像業界は自由度が高く、楽しそうだから

この回答は、危ない。笑
プロを目の前にして言うには失礼だと捉えられてしまう可能性があります。

実際、映像業界は、ほかの業界に比べ
自由度が高く、クリエイティビティに特化することを求められます。
事務職などのデスクワークや、営業職の対面業務に比べ
「遊び」の部分も多くあるのではないかと思います。

でも、その面だけを抜き出して上記のように述べると
「楽がしたいからこの仕事を選んだ」と捉えられかねません。

はたから見れば楽しそうに見える業種も、たくさんの努力や積み重ねがあり
多くの人たちが時に苦しみ、挫けながらも作り上げてきています。

楽しくなければ、その仕事に就かないのですか?

楽しくない仕事はしなくていいのでしょうか?

うわべだけでなく、もう一歩踏み込んで、考えてみませんか?
自由度が高いから、どんなことができるのでしょうか?
楽しそうだから、どんな風に働けるのでしょうか?

映像業界は自由度が高く、楽しそうだから

例)私は、誰も思いつかないようなアイディアを出して、周りを驚かすのが大好きです。そのために、前例や型にはまったやり方に囚われず、様々な方法を試したいと常に考えています。
新たなものを生み出す映像業界であれば、この考え方を活かして仕事ができるのではないかと思い、志望しました。


上記の3つの「志望動機もどき」も、あとひと手間加えたら
きっと立派な志望動機に生まれ変わると思います。

そこであなたの良さが見え、ほかの人との差が生まれるのです。

なぜうちの会社を受けようと思ったのか?の最適解

さて、話を戻して
志望動機の2つ目のポイントについて考えましょう。

私の中で、この質問には必勝法があると思っています。
それは、
「御社の○○さん」作戦です。

インターンシップ、会社説明会、OB/OG訪問…
なんでもOKです。
とにかく、受ける会社にアポイントを取って、会いに行ってください
そこで担当してくれた人の名前を面接で出すのです。

具体的な回答としてはこんな感じ。

インターンシップで御社の○○さんの下で1か月お世話になりました。
真摯に仕事に向き合う○○さんを見て、
○○さんと一緒に働きたい!と強く思いました。
合同会社説明会に参加した際、御社社長の○○様のお話を伺いました。
○○社長の熱意や、社員を思いやる姿に心を掴まれ、
〇〇社長の下で働きたい!と思い、すぐにエントリーを決めました。

え?あざとくない?と思ったあなた

名指しで褒めるなんて、ごますりみたいで嫌だな…
あざといだけじゃない?と思ったあなた。

あざとくて何が悪いんでしょう?

ここで、大事なのは
「事前に会社にアポイントを取っている」ということ。

エントリーや面接よりももっと前から
就職活動の選考は始まっているのです。

アポをとり、出会った担当者や社長の名前を覚え
そして、エントリーをする。

たったそれだけで、会社からの印象は格段に良くなるでしょう。

有象無象の学生の中から、
「あの時会った○○さん」と認識されるだけでいい。
事前にやりとりをしていれば、それだけで
熱意のある学生だと知ってもらうことができるでしょう。

就職活動は縁結びなのです。
あざとくても、あなたがあなたとして認識されればそれでいいのです。

たった1枚の履歴書で
たった数分の面接で
あなたの何が伝えられるのでしょう?

あなたの魅力ややる気や、これまでを知るには
履歴書や面接ではあまりに情報が少なすぎるのです。

だから、あざとく
もっともっと前から種を蒔き、育てるのです。

私としては、3度その会社を訪れるのを目標としていました。
人は2度目までは偶然だと思うのだそうですが、
3度同じ人と出会ったり、同じことが起きると
必然性や運命を感じてしまうのだそうです。

合同説明会、インターンシップ、そして採用試験。
そこで同じ担当者さんに会って、「また来ました」っていうだけで
あなたの熱意が伝わるのなら、
やってみようかな、って思いませんか?

インターンシップを強く勧める理由

弊社の説明会や、いろんな所での学生さんからの質問でも
必ずと言っていいほど、
「インターンシップに行った方がいい」という話をします。

それは、志望動機の話にもつながっているのです。

会社にあなたの存在を知ってもらうために。
あなたのことを覚えていてもらうために。

インターンシップという期間は、非常に有利な期間だと思います。

短い文章だけで魅力は伝わらない

リクルートに長く携わっていると、
履歴書やES、面接だけではあまりに情報が少なすぎると
常々思います。

それは、学生さんにとってだけでなく、会社側としても同じです。

双方にとって、互いの魅力を知ってもらうには時間がなさすぎる。

だから、採用試験のもっと前から、話がしたい。
もっとあなたのことを教えてほしいと思っています。

でも、会社側から学生へアプローチする機会は、かなり限られます。
それに、企業の本質はリクルートではなく、経営です。
学生さんへのアプローチに割ける時間や人員は多くありません。

だからこそ、学生さんからのアプローチが大切になります。
インターンシップや会社訪問の申し出は、またとないチャンスです。

その熱意を買ってもらうため、
あなたのことを知ってもらうため、
会社のことを知ってもらうためには
まず、アポイントを取ってほしい。

リクルーターとして、
そして元就活生としての一番のアドバイスはこれに尽きます。

志望動機の最適解とは?

さて、最後にまとめです。

志望動機の最適解とは

業界・業種を選んだ理由 + 会社を選んだ理由

の2つを含んでいること。

さらに、うわべの言葉で飾るのではなく
自分の中で「なぜ?」「どうして?」を繰り返し
根本にあるものを探して、言語化する
こと。

そのために選んだ会社に実際に足を運び
担当者との縁を作りながら、会社のことを内部から知る
こと。

これらのことを押さえて、濃密で明快な言葉を見つけることが大事です。

ネットや就職本などに書いてあるお手本なんてマネしないで
あなた自身が体験した思いを、あなたの言葉で答えて下さい。

リクルーターもその言葉に、しっかりと応えますから。


というわけで、リクルートでよく聞かれる質問
「志望動機」の最適解を考える記事でした!

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