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詩(3) 夏は滑走路のごとく
夏。
まるで日光で熱せられたアスファルトのごとく、熱を帯びる。
それは、
かき氷をガリガリ。
冷麦をスルスル。
すいかをシャリシャリ。
それは、
夏草の香り。
汗の匂い。
汗と整髪料が混ざった香り。
それは、
アブラゼミ。
冷房の機械音。
アブラゼミの最期の一音をかき消す音。
それは、
浴衣。
生足にサンダル。
浴衣が擦れる感触。
それは、
花火。
一瞬見える鎖骨を汗がなぞっていく。
屋
詩(2) 苺狩りの季節
ねぇ、と声掛けられて鮮やかな苺狩り。
季節は春。苺はどんどん実っていく。甘酸っぱい香りと共に。
ねぇ、と声掛けられて鮮やかな苺狩り。
季節は再び春。これから結婚する。という、間柄になったばかり。
ねぇ、と声掛けられて鮮やかな苺狩り。
季節は初夏。苺が実る。鮮やかな妻と共に。
ねぇねぇ、と気付かされて鮮やかな苺狩り。
季節は再び初夏。苺が実る。鮮やかな子どもと共に。
ねぇ、とハッとし