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詩)光はどこに

静寂を切り裂くように
車が畦道を走り抜ける
水の張られた田んぼに
車のライトが反射する

淡い緑の光が線を引きながら
飛び回っていたのは
随分と昔の話になったようだ

色々とあったんだろう
昔に比べると街の灯りも
随分と近くに来てしまった

蛍も諦めたのか
疎ましく思ったのか
その姿は見当たらない

あの頃と同じように
雨も降れば、星も見えるというのに
いつのまにか
光は何処かに消えてしまったらしい