詩)梅雨
桜が散って長い休みが終われば
いつもより早く雨が降り出した
カエルの雨乞いが天に届いたのか
人の思いが形になったのか
長い梅雨は2か月も続くらしい
雲が陽を隠して
どんよりと辺りを暗くする
黒い人影は
何処かに安住の地を探して
人々の肩を叩いて回る
手を振り払う人
不意にそちらへ顔を向ける人
影に魅入られてしまえば
雨と一緒に排水溝へと流れ込む
梅雨が終われば
また夏が来て
うだる様な暑さに
嫌気もさす事だろう
それでも夏をまつ
なくしてしまったセミの抜け殻
浜辺ではしゃぐ人の声
夏が来れば
また見つかる事だろう
降り続く雨と暗い雲の下で
私はじっと熱い夏を待つ