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詩)踏切

遮断機は、けたたましい音ともに
ゆっくりと目の前を通り過ぎる
右からか、左からか
どちらかは分からないが
もうすぐ電車が通り過ぎる

昼間なら人の群れでごった返す場所も
この時間なら私一人
近くの道路を走る音もまばらで
カンカンと煩わしい声も
暗い空へと吸われていった

慌てる理由もなく
時間の流れなど
気にしていないつもりが
なかなか開かない踏切に
少しの苛立ちを覚える

向こう側に行くだけなら
回り道をすれば良かったのだろう
ましてや無理に行かなくても
あちらに行くべき理由など
大してないのに
無駄な意地や拘りが
いや今更、変える煩わしさが
足首を捕まえて離さずにいる

電車の音が目の前を過ぎ去り
遮断機は降りてきた時とは逆の動きで
ゆっくりと目の前を通り過ぎた
やっとあちらに行ける
私はゆっくりと線路を渡った


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