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詩)秋、雨の降る夜

夏の色がぼやけ
景色は少しずつあかく染まる

うっすらと温もりを奪いながら
雨は世界に白い線をのばす

疎らまばらな雨も
いつかはむと知っている

異なる律動リズム
黒を灰色の景色に変える

貴方の街にも雨は降っているのだろうか

芽吹めぶいたばかりの若葉であるなら
めぐみの雨が優しく降り注ぐのだろう

震える肩を両の手に抱いているのならば
冷たい雨が激しく打ち付けるのだろう

明日にはむだろうか
秋の夜に冷たい雨が降り続いている
シトシトと
ただシトシトと降り続く

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