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入院して仕事から解放されて、ホッとした話

2013年8月下旬。

病気で2週間の入院になった。

しかしその2週間は、僕の心がとても快適で、ここ近年の自分の生活の中で最も充実した日々だった。

それは「仕事」というものから解放されたからだ!!

ここ数年多忙を極めていた。
休みは少なく、寝る以外ほぼ仕事の日々だった。

そんな中での入院。

重~い荷物をやっと下せる感じだった。
解放された嬉しさ。何もしないでいい喜び。心の自由…

今回はその時の事について書きたいと思う。

   * * *

夜、腹痛に襲われた。

少し休めば治るだろう、そう思っていたが一向に治らない。
それどころか、どんどん痛くなっていく。

寝ようとしても寝れない。
激痛になってきた。

どうしようもなく救急車を呼んだ。
近くの病院に緊急搬送された。

診断の結果、病名は『重症の急性すい炎』。
即入院になった。

点滴や痛み止め…あらゆる薬を投与してもらい激痛は治まった。
もちろん鈍痛はあるのだが、耐えられる痛さだ。
2~3日後にはだいぶ痛みが引いた。

入院期間は2週間だったが、痛みが引いてからはとても快適な入院生活だった。


何が快適なのかというと

“  何もしないでいい喜び  ”

これに尽きる!!


「何もしないでいられるのって、気持ちがいいなぁ」
「やる事がないって、いいもんだなぁ」
「時間がたっぷりあるんだ」

心が穏やになった。

奥さんがお見舞いの時に持ってきてくれた小説を何冊か読んだ。
それらの小説を読み終えると、今度は病院の図書室で本を借りて読んだ。
村上春樹の『1Q84』が置いてあったので、それも借りて読んだ。

とにかく本を読んだ。
ここ数年間、本を読む機会がなかったので、読める喜びを味わいながら沢山読んだ。

心の充実。

点滴が外れてからは、ベッドの上でストレッチもした。
やはりここ数年、大して運動もストレッチもしていないので体がなまっていた。
なので前屈や開脚を中心にストレッチをした。

体の充実。

   * * *

ところで『重症の急性すい炎』とは、どんな病気なのか?

急性すい炎を引き起こすのは、すい臓から分泌される「すい液」。
「すい液」には消化酵素が含まれ、十二指腸に分泌されて活性化し、食べた物を消化する。
ところが急性すい炎になると、すい臓内で「すい液」が活性化するため、すい臓そのものを消化して溶かしてしまう。

急性すい炎の原因として最も多いのはアルコールと胆石。
僕の場合、胆石が原因だった。

胆石とは、食べ物の消化に関わる胆汁の成分が、胆のうや胆管で石のように固まったもの。

その胆石が胆汁と一緒に流れてきて十二指腸の乳頭部に詰まってしまう。本来「すい液」も十二指腸に流れていくものだが、詰まった胆石によって「すい液」の流れがせき止められてしまい、すい臓内に滞ってしまう。

そして、すい臓内で「すい液」が活性化して、すい臓そのものを消化して溶かしてしまうのだ。

更に、炎症がすい臓の外にまで広がり、他の臓器にも障害をもたらし臓器不全を引き起こしたり、すい臓が壊死したところに感染症が起こったりするのが『重症の急性すい炎』だ。

先生に「今、君のお腹の中にはすい液が充満していて、お腹の中全体がが火事を起こしている状態だ」と言われた。

治療方法は、とにかく点滴をして老廃物を排出する。
僕の場合「心臓と腎臓が丈夫だったので点滴に耐えられた」との事だった。

因みに『重症の急性すい炎』は、死亡率が約10%らしい。
思い出すと怖い。治って良かった!!

   * * *

そんな感じで入院してしまったのだが、元凶となった胆石の原因は明らかにストレスによる過食。

元々多忙だったが、前年4月からの14ヶ月間は、本業が振るわない為ダブルワークになっていたんだ。

当時のスケジュールは(月)(土)(日)がバイト。(祝日)があればその日もバイト。たまに(木)もバイト。それ以外が本業。
なので、月の半分近くがバイトだった。
バイトの日は、それが終わると必ず甘い物を食べていた😅

で、2013年6月より本業の先輩からの引き継ぎでさらに多忙に💦


まぁとにかく「仕事」を抱えまくっていたよ。

その「仕事」からの解放。

何もしなくていい喜び。

自由になった気分。

この2週間の入院は、そういう意味でも思い出に残る出来事だった!!


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