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子供部屋の失敗しないためのポイント|建築士が教える設計ポイント

はじめに

子供部屋の設計は、家族の成長やライフスタイルの変化に対応するためにとても大切です。
このポイントでは、幼児、小学生、中学生、高校生以上の年齢ごとの子供部屋の使い方について詳しくお伝えし、子供が巣立った後の活用方法や安全面での配置の工夫も含めてご紹介します。


子供の年齢に応じた部屋の使い方

幼児(0〜5歳)

安全第一
幼児期の子供部屋は、安全性が何よりも大切です。家具の角を丸くしたり、コンセントカバーを使うなど、事故を防ぐための対策をしっかり行いましょう。また、柔らかい床材を使うことで、転んでも怪我を防ぐことができます。
遊びのスペース
この年齢では、遊びが中心となります。広い遊びスペースを確保し、収納はおもちゃの整理整頓がしやすいように工夫しましょう。低い棚やボックスを使い、子供が自分で片付けやすい環境を作ることが大切です。
カラーとデザイン
幼児期の子供部屋には明るくカラフルな色合いが適しています。パステルカラーやビビッドな色を使うことで、視覚的に楽しい空間を作りましょう。壁には動物やキャラクターのデザインを施し、子供の好奇心を刺激します。また、柔らかい布製のおもちゃやクッションを取り入れて、温かみのある居心地の良い空間を作ることが大切です。
木材(無垢材)を使用することもおすすめです。無垢材は自然な風合いと温かみがあり、日焼けによって徐々に色が濃くなり、子供の成長とともに変化する育つ空間を提供します。これは、子供にとっても親にとっても成長の記録を感じられる特別な空間になるでしょう。

小学生(6〜12歳)

勉強のスペース
小学生になると、勉強スペースが必要になります。デスクと椅子を設置し、集中して勉強できる環境を整えましょう。自然光が入る場所にデスクを配置することで、目に優しい環境を提供できます。
収納の工夫
学用品や教科書、趣味の道具などが増えるため、収納スペースを工夫しましょう。壁面収納や引き出し式の棚を活用し、整理整頓しやすい環境を作ります。また、ラベルを貼るなどして、子供自身が片付けやすいように配慮します。
趣味のスペース
小学生は多くの趣味や遊びを楽しむ時期です。お絵かきや読書、手作りの工作を楽しむためのスペースを確保し、多様な活動ができる環境を提供します。
カラーとデザイン
小学生の子供部屋には、少し落ち着いたトーンのカラーが良いでしょう。ブルーやグリーン、イエローなど、子供の好みに合わせた色を選びます。壁紙やカーテンに星や動物、冒険をテーマにしたデザインを取り入れると、子供の想像力を刺激します。また、自分の作品やポスターを飾るスペースを設けることで、子供自身が部屋のデコレーションを楽しめるようにします。

中学生(13〜15歳)

個人のスペース
中学生になると、個人のプライバシーや独立した空間が重要になります。勉強やリラックスできるプライベートスペースを確保し、自分の時間を大切にできる環境を作りましょう。
高機能な勉強環境
勉強量が増えるため、集中できる環境が必要です。デスクには十分な照明を設置し、収納スペースも増やして整理整頓しやすくします。また、パソコンを使うことが多くなるため、コンセントの位置や配線の工夫も重要です。
収納と整理整頓
この時期はファッションや趣味の道具も増えるため、収納スペースの見直しが必要です。クローゼットや棚を増設し、効率的に整理整頓できるように工夫しましょう。
カラーとデザイン
中学生の子供部屋には、シンプルで洗練されたデザインが好まれます。ブルーグレーやオリーブグリーンなどの落ち着いた色合いを基調に、アクセントとして鮮やかなカラーを取り入れるのが良いでしょう。また、モダンなデザインの家具や装飾品を使って、スタイリッシュな空間を作ります。部屋の一角には、自分の趣味や興味を反映したディスプレイコーナーを設けると、個性を感じられる空間になります。

高校生以上(16歳〜)

独立した学習環境
高校生になると受験勉強や趣味に集中するための独立した学習環境が必要です。静かな場所にデスクを配置し、勉強に集中できる環境を提供します。オンライン授業やリモート学習のために、高速インターネット接続も重要です。
大人へのステップ
高校生は大人への第一歩を踏み出す時期です。自分の趣味やライフスタイルに合わせた部屋作りをサポートしましょう。自分で選んだ家具や装飾品を取り入れることで、自立心や責任感を育てることができます。
多目的なスペース
高校生は学業だけでなく、趣味や友人との交流も大切にします。ベッド、デスク、ソファなどを配置し、多目的に使えるスペースを確保しましょう。また、読書や音楽鑑賞、映画鑑賞など多様な活動に対応できる環境を作ることが大切です。
カラーとデザイン
高校生の子供部屋には、シックで大人っぽい色合いが合います。ダークブルーやディープグリーン、ネイビーなどを基調にし、アクセントカラーとしてゴールドやシルバーを取り入れると高級感が出ます。また、ミニマルなデザインの家具やインテリアを選び、機能性とスタイルを両立させましょう。壁にはお気に入りのアートや写真を飾り、個性を表現できるスペースを作ることも重要です。

子供部屋の配置について

親の目が届く場所に配置

子供部屋を親の寝室やリビングの近くに配置することで、子供の安全を確保しやすくなります。特に幼児や小学生のうちは、親の目が届きやすい場所に子供部屋を配置することで、安心して過ごすことができます。

夫婦の寝室近くに配置

夫婦の寝室近くに子供部屋を配置することで、夜間の様子を簡単に確認することができ、緊急時にも迅速に対応できます。また、寝る前の読み聞かせやナイトタイムルーチンを一緒に行う際にも便利です。

リビングを通過した配置

子供部屋をリビングを通過する場所に配置することで、子供が自然に家族と交流する機会が増えます。これにより、家族のコミュニケーションが活発になり、家庭内の絆が深まります。また、子供がリビングを通ることで、親が子供の帰宅時間や外出状況を把握しやすくなります。

子供が巣立った後の子供部屋の利用方法

住宅ローンを30年組んだ場合、子供と一緒に住んでいられるのは何年でしょうか?一般家庭では大半が30年間の半分の15年程度、多くても20年程度となります。そのため、住宅を設計する際には、子供が巣立った後のことを考えておく必要があります。

ホビールームとしての利用

趣味の充実
子供が巣立った後の部屋をホビールームとして使うのも良いアイデアです。手芸や模型作り、絵画などの趣味を楽しむためのスペースとして活用できます。専用の作業台や収納を設置し、趣味に没頭できる環境を整えましょう。
運動やリラクゼーション
運動用の器具を設置し、フィットネスルームとして使うこともできます。ヨガマットや軽いトレーニング機器を置くことで、日々の運動やストレッチを楽しむことができます。また、リラックススペースとして、読書や音楽鑑賞のための快適な椅子やソファを置くこともおすすめです。

収納スペースとしての利用

効率的な収納
子供がいなくなった後の部屋を収納スペースとして活用することで、家全体の収納力を高めることができます。クローゼットや棚を増設し、季節ごとの衣類やスポーツ用品、アウトドア用品などを効率的に整理整頓できます。
家全体の片付け
家全体の片付けや整理整頓を促進するために、余った部屋を活用しましょう。定期的に不要な物を整理し、使わなくなった物を保管する場所としても便利です。

ゲストルームとしての利用

快適なゲストスペース
子供が独立した後、子供部屋をリビングに近い場所にリフォームしてゲストルームとして活用するのは一つの方法です。巣立ったお子さんの子供、つまりお孫さんが泊まりに来る部屋とするのも夢があります。かわいいお孫さんには頻繁に来てもらいたいものです。また、お子さんの育った部屋でお孫さんが何を考えるのか想像すると面白いですね。訪問者が快適に過ごせるスペースを提供しましょう。ゲスト用のベッドリネンやタオルを備えておくと、急な来客にも対応できます。

ホームオフィスとしての利用

リモートワークの増加に対応
リモートワークや在宅ワークの増加に伴い、家庭内にホームオフィスを設置するニーズが高まっています。子供部屋を寝室に近い場所に配置することで、静かで集中できる作業環境を確保できます。デスクや本棚を配置し、仕事に必要な機材を整えることで、効率的な仕事環境を作り出せます。
プライベートオフィスの利点
自宅に専用のオフィススペースがあることで、プライベートと仕事をしっかり分けることができ、メリハリのある生活を送ることができます。また、日中の静かな環境で働くことができるため、リモートワークや在宅ワークに最適です。
オフィスとして使うには
来客などが多いオフィスには、どうしても玄関から遠い位置にあるため、
子供部屋からの転用は向きません。間取り全体で考えた方が良いでしょう?
また、静かな環境を求めるなら、リビングの近くも控えるべきですね。

結論

子供部屋の設計は、子供の年齢や成長に応じて柔軟に変えていくことが重要です。幼児期から高校生以上まで、各年齢層に合わせた使い方を考慮し、安全で快適な環境を提供することが大切です。
子供が巣立った後も、ホビールームや収納スペースとしての活用が便利です。ゲストルームとしてのリフォームも考慮し、ホームオフィスは静かな環境を確保するために寝室近くに配置することで、リモートワークに適した環境を作り出せます。
さらに、子供部屋の配置を親の寝室やリビングの近くにすることで、子供の安全を確保しながら家族の絆を深めることができます。将来的な活用方法を見据えた設計を行うことで、無駄のない効率的な家作りが可能になります。


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