夢の庭をデザインする:建築士が教える庭の魅力とポイント
この投稿は、庭などの外部空間を大切にしたい方にぜひ読んでいただきたい内容です。
素敵な庭を作るためには、外部と内部のつながり方がとても重要です。
庭の大きさと建蔽率
庭の大きさは、一般の敷地では建蔽率(建物の投影面積の大きさ)で決まります。
建蔽率50%なら、土地の半分を庭・駐車場や建物周囲の通路に充てることができます。都内(23区内)では、土地代も高く建蔽率が高いため、庭を設けるのは難しい場合が多いです。
そんな場合は、屋上庭園や大型バルコニーなどを設け、庭スペースを確保するのが一つの方法です。
例えば、調布市の住宅地では建蔽率40~60%が多く、駐車場や十分な庭を確保できる土地が多いです。
庭は住宅の一部として、美しさと機能性を兼ね備えたスペースを作り上げることが重要です。
ここでは、理想の庭を実現するためのポイントと庭づくりの魅力についてご紹介します。
庭のデザインのポイント
用途とコンセプトを明確にする
庭をどのように利用したいのか、リラックススペース、バーベキューエリア、子供の遊び場、ガーデニングエリアなど、具体的な用途を決めましょう。用途に合わせたコンセプトがデザインの方向性を決定します。
季節ごとの楽しみ方を考える
一年を通じて楽しめる庭を目指すために、季節ごとの植物や花、木々を取り入れましょう。春には花が咲き乱れ、夏には涼しい木陰、秋には紅葉、冬には雪景色と、季節ごとの変化を楽しむことができます。
プライバシーを確保する
プライバシーの確保も庭づくりの重要な要素です。フェンスや垣根、植栽を利用して視線を遮り、安心して過ごせる空間を作りましょう。景観を損なわずにプライバシーを守るデザインが大切です。
メンテナンスのしやすさ
庭のメンテナンスは長期的な視点で考えることが必要です。手間のかかる植物や複雑な構造は避け、手入れが簡単で長持ちする素材や植物を選びましょう。定期的なメンテナンス計画を立てることで、美しい庭を保つことができます。
エコロジーとサステナビリティ
エコロジーを考えた庭づくりも重要です。雨水の利用や省エネ対策、地域の生態系に配慮した植栽計画など、環境に優しい庭を目指しましょう。持続可能なデザインを取り入れることがポイントです。
外部空間と内部空間の融合
庭などの外部空間と内部空間をどのように合わせるのかを考える必要があります。バーベキューや屋外での食事を楽しみたいなら、LDKからテラスなどで内部・外部を行き来しやすい空間を設けたり、和モダンなら和室から縁側も素敵です。
LDKと接続
外部空間は遊び場やバーベキュー、ティータイムを楽しむプレイゾーンになります。屋内外を自由に行き来できる設計にするのがポイントです。庭用の靴を収納するスペースや、子供が遊ぶ場合の足洗い場を設けると便利です。リビングの一部に土間空間を作ると、生活スタイルがさらに楽しくなります。
土間とは
土間は、屋内でありながら床板を張らず、土足での活動が可能なスペースです。昔の日本家屋でよく見られ、農具の手入れや保管、炊事のスペースとして利用されていました。最も一般的なのは玄関に設けられる土間で、広い面積が特徴です。
和室からの接続
和室からの接続は、縁側を設けて寛ぐ「感じる庭」と、雪見障子などから季節を楽しむ「見る庭」の2パターンがあります。
感じる庭
庭に下り立ち、直接自然を感じることができる設計です。四季折々の変化を体感し、自然との一体感を味わうことができます。
見る庭
雪見障子などを通して室内から庭を眺める方式です。特に冬の景色や夜のライトアップを楽しむのに適しています。手入れが楽で、美しい景観を保ちやすいのが特徴です。
寝室からの接続
和室の「見る庭」に近いものになります。プライバシーの確保が高く、寝る前に外の空気を吸ったり、涼んだりするためのスペースとして利用できます。
浴室や脱衣所からの接続
半露天風呂などが該当します。プライバシーを確保するために目隠しフェンスなどを設け、周囲の建物の状況を考慮して設置します。草木を見ながらの入浴や、夜空を眺めながらのリラックスタイムを楽しむことができます。
庭の設置する場所
庭の配置には方位や建物と道路との関係などが重要な要素となります。ここでは簡単に、そのポイントをお教えします。
方位
日本庭園は古来より、陰影も楽しむ庭として発展しました。北庭は、眩しくなく草木の陰が奥に伸び、陰影を感じさせる美しい庭になります。しかし、日本庭園は土地の広さが必要なため、住宅では作りにくい庭でもありますが、1坪庭などで詫び錆を表現する箱庭もあります。だから、諦めないでください。
南側に面した庭は、明るく日がたくさん当たるため人気です。
建物と道路の関係
道路に面した庭は、明るく開放的ですが、プライバシーを確保するために高いフェンスが必要になる場合があります。
道路に面さない庭は、プライベート空間を作りやすいですが、日陰になりやすいため明るく見せる工夫が必要です。反射光を利用するなどの工夫が有効です。
中庭
中庭は建物で囲まれた専用の庭で、庭としての役割の他に、中庭に面する室に採光や通風などの恩恵をもたらします。
庭のスタイル
庭のデザインのポイントを踏まえて、あなたはどのような庭を選びますか?現在、一般住宅には様々な庭が設けられています。それは住む方のライフスタイルや趣味に影響されますが、一般的に庭のスタイルを区分すると以下のようになります。
日本庭園
石灯籠、池、砂庭などの伝統的な要素を取り入れた庭園です。静かで落ち着いた雰囲気を持ち、瞑想やリラックスに最適です。手入れが必要ですが、その分、四季折々の美しさを楽しめます。
モダンガーデン
シンプルで洗練されたデザインを特徴とする庭です。直線的なレイアウトとミニマルな植栽が特徴で、手入れが比較的簡単です。都会的なライフスタイルに合います。
コテージガーデン
花やハーブが自由に植えられた、自然な雰囲気の庭です。色とりどりの花が咲き乱れ、四季を通じて楽しむことができます。手入れには時間がかかりますが、その分豊かな自然を感じられます。
ルーフガーデン
屋上を利用した庭です。土地が限られた都市部で庭を持つ方法として人気があります。適切な防水と排水が必要で、設計段階からの計画が重要です。
エディブルガーデン
野菜や果物、ハーブを育てる庭です。食材を自給する楽しみを味わえ、子供たちの教育にも役立ちます。手入れは必要ですが、収穫の喜びがあります。
ゼロスケープ
乾燥地域に適した庭で、水の使用を最小限に抑えます。多肉植物や耐乾性の植物を使用し、メンテナンスが少なくて済みます。環境に優しい庭として注目されています。
プライバシーガーデン
高いフェンスや垣根を使ってプライバシーを確保した庭です。外部からの視線を遮り、リラックスできる空間を提供します。デザインに工夫を凝らすことで、閉塞感を感じさせない庭にすることができます。
庭をつくるために忘れてはならないもの
駐車場や駐輪場のスペース
ゆったり駐車するには3.5m×5.0mの広さが必要です。自転車は2台で2m×1m程度は最低でも確保したいですね。駐車場と庭を離すとプライバシーが確保しやすくなりますが、限られたスペースの場合、狭く感じることもあります。逆に駐車場と庭が近いと将来、駐車台数を増やす予備スペースにもなります。広く屋外スペースを使えるのが特徴です。
洗濯干しスペース
最近は花粉症の方が多く、屋内で干す方も多くなっていますが、洗濯物を外に干すと乾いたとき気持ちいいですね。洗濯物干しスペースは家事動線なども考慮し、決めましょう。洗濯する量や干すものによってさまざま条件があります。このことを忘れてしまうと大変です。
屋外の水洗
足洗いや庭の草木の水やりなど、蛇口は必要です。屋内と屋外を結ぶ場所には必ず設けたい設備です。
収納スペース
屋外で使用する道具類の収納もそうですが、履物の収納も考える必要があります。せっかく屋内から屋外に行けるのに、履物がないから玄関から回って行くなんてもったいないです。
喫煙スペース
近年では家の中でたばこを吸っているご家庭が減っています。健康上の理由やヤニなどの掃除が大変などの理由があります。せめて、雨天でも吸えるように庇を設けたり、椅子を置くスペースぐらいは叶えてあげたいです。問題は外で吸っても、煙が中に入ったら意味がありません。最初から場所を決めておけば、窓や換気扇などを避けることも容易です。
まとめ
庭づくりを体験したお客様からは、多くの喜びの声が寄せられています。「リラックスできる自分だけの空間ができた」「季節ごとの変化を楽しむことができる庭が嬉しい」など、多くのお客様が満足されています。
夢の庭を実現するためのデザインと施工を提供しています。用途やコンセプト、季節ごとの楽しみ方、プライバシーの確保、メンテナンスのしやすさ、エコロジーとサステナビリティ、そして庭の大きさと建蔽率を考慮した庭づくりをお考えの方は、ぜひご相談ください。お客様の夢を形にするパートナーとして、最高の庭づくりをサポートします。
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