[すこし詩的なものとして]0023 壁にかかった鏡
覚めない静けさの中
あなたの笑った顔を思い出した
それはなによりも輝いて見えた
都会は麻薬のようなものだ
うれしくもかなしくも
ただきらめきの中でしかなく
儚くて
僕は見世物小屋の中を羽ばたいている蝶でしかないのだ
いやそんな大層なものでもないのかもしれない
どこかの街で、多くの人が死んだとしても
どこかの路地で、猫が彷徨っていても
どこかの土地が、枯れ果ててしまっても
どこかで流れる悲しみも
どこかで溢れるよろこびも
どこかで吐き出す怒りさえも
そこから逃れ逃れて生きている
空から火の粉が降りかかり
黒い雨が注がれようとも
見えない虫たちが身体を蝕もうとも
人は人を紡ぎ
人は人を繋ぎとめ
人は人を送り出す
笑っておくれ
そうあなたはささやき
僕はあなたのやさしさに涙する
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世界の状況は儚くもむなしく、
人は人の群のなかで、これからどこへ向かおうとしているのだろうか。
僕はその群の中にいて、前を向くのか苦しいから空を見上げる。
そこにある無数の星と広がる空は、なんだか皮肉にも美しい。
僕はなんのために生きるのか、僕はなんで生きるのか、
そう考えざるを得ない。
でも答えは見つからない。
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