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[すこし詩的なものとして]0136 テールライトのリフレイン

夜の闇を突き抜けると
道の終わりにやってくる
テールライトの残像が
物語の終わりを示唆してる

それはただの明け方で
当然のように
白月に紛れた
おもちゃのような星たちは
できた子どもたちのおかげで
きれいにいなくなっていた

四つ打ちのビートが響くフロアでは
時代のうねりとは逆方向
世界の一番外側で
すべての闇を受け止める

右手に持ったミントチョコ
これならきっと太らない
そういう君は
ミントが苦手なはずなのに
うれしそうに口に放り込む

対向車のヘッドライト
なぜか赤く光るよう
やけに色っぽい
薄めの化粧で隠せない
その肌荒れに
やさしく口づけを

僕らを誘う
オレンジのテールライトは
いつまでも
繰り返しながら
夜の鼓動を加速させる
昨日とはちょっと違う服を着て
鼻をかすめる夜風に酔う

まもなく見える朝方の月
午前5時の夜にはぐれる
目をつむれば映し出る
テールライトのリフレイン
朝焼けの助手席は
うっすら涙で濡れている

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久々に朝方まで起きていて、ベランダに出ると眩しいオレンジ色の朝日がいろいろな記憶を思い出された。いつだったか、柄にもなく真夜中の首都高を走り、明け方湾岸線を巡った。その時の無駄な爽快感と疲れがなんとなく頭のすみに残っている。
助手席に誰かいたのか、いなかったのか、そこだけどうしても思い出せない。

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