[すこし詩的なものとして]0079 風を凪ぐ
ありふれた日常で
手を挙げてみる
別に何かを主張したいわけではない
頭の上を泳ぐ風
流れる空気
見上げると
見慣れた空があった
忘れていた空の色
風に誘われ
大きく息を吸ってみる
当たり前のように
体は息をした
風が凪ぐ
僕はただその場で立ち止まる
何かの声が聞こえた気がした
それがなんなのかはわからない
足元に咲く小さな花が
こちらを見ている気がした
ただそれが
やさしいのだと思った
花びらがそっと包み込んだ
また流れる空気
流れる時間
僕はただただ見守る
空の奥から光が差す
忘れかけてた
風の匂い
忘れかけてた
空の色
忘れかけてた
花の色
ありがとう
何かを取り戻したような感覚
よかった
声が聞けたから
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空を見上げない日常。
それが当たり前になっていた。
足元をちゃんと見ない日常。
それが当たり前になっていた。
もっと感じよう。何事も。
暑い毎日、みなさまご自愛ください。
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