[すこし詩的なものとして]0161 春の午後
柔らかい陽射しが降り注ぐのは
古びた板の上
まどろいが包む
窓辺に揺れるカーテン
風に揺れる草木
鳥はさえずり
遠くで小さな子たちのはしゃぐ声
思考は止まり
目を閉じ
ぼんやりと心地よい眠りに誘われる
光と影のダンス
追いかけても追いかけても掴めないのは何か
それでも生きた心地
ふと目を開けると
庭のたどりついた一枚の花びら
もも色の花びらは風に舞っている
わたしの背中にそっと触れる
なにかの香りは季節を運ぶ
人は忙しく動き回り
なんのために生き急ぐのか
いつも何か足りないような顔をしていて
不安や焦燥に駆られているように見える
わたしは彼らのようになりたくはない
ただ目の前の美しい景色を楽しみ
心地よい風を感じ
暖かい陽射しを浴びるのが自然的ではなかろうか
もっとシンプルに生きなよ
もっと目に映る景色に意識を向けよ
この世界は美しさであふれているではないか
手のひらの愛しさを大切にしたほうがよい
花びらが舞い散る中
そんなことを考えている
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春はもうすぐに夏のように流れていきそう。生き遅れてしまいそうでこわい。
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