見出し画像

[すこし詩的なものとして]0080 光の中の影

ただそこに漂う空気
その欠片
僕らの想い
僕らの軌跡
なくならないように

手に持ったりんごは
水面の上に落ちた
まるでフラッシュバックのように
そのまばゆい記憶の中で
音がした

光のあるとこに
影はある
その織りなす世界では
声がこだまする

涙は枯れないように
声は透き通るように
なにも消えたりしない

月の背中を
夜空に探した
汗ばむ熱帯夜
どれだけ叫んでも
空気が邪魔をした

あそこに差す光
僕らのかけらを照らす
僕らの想い
僕らの轍
決して消えることはない
————————————
なにがこの世界に残るのだろうか。
たまにそんなことを思う。
いや、なにを残せるのかかもしれない。
形あるものは朽ち、想いは風化する。
時は残酷だが、時は皮肉にも僕らの生きる証人でもあるのだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?