[すこし詩的なものとして]0080 光の中の影
ただそこに漂う空気
その欠片
僕らの想い
僕らの軌跡
なくならないように
手に持ったりんごは
水面の上に落ちた
まるでフラッシュバックのように
そのまばゆい記憶の中で
音がした
光のあるとこに
影はある
その織りなす世界では
声がこだまする
涙は枯れないように
声は透き通るように
なにも消えたりしない
月の背中を
夜空に探した
汗ばむ熱帯夜
どれだけ叫んでも
空気が邪魔をした
あそこに差す光
僕らのかけらを照らす
僕らの想い
僕らの轍
決して消えることはない
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なにがこの世界に残るのだろうか。
たまにそんなことを思う。
いや、なにを残せるのかかもしれない。
形あるものは朽ち、想いは風化する。
時は残酷だが、時は皮肉にも僕らの生きる証人でもあるのだ。
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