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[ちょっとしたエッセイ]クセになること

 昨日、会社で同僚と話をしていた時。飲みにも行けない、ランチもまあ難しい、対面で話すのもはばかられる……などなど、なんもできないね〜とか、毎日単調すぎて死ねるとか、まあみんな日々それぞれ窮屈に思っているんだなと思わされました。
 かく言う自分も、別に飲みに行くが死ぬほど好きとか、出かけられないとストレスとか、そういうタイプではないのですが、さすがに会社と家の往復だけの生活は、「飽き」るとでも申しましょうか、行動の選択肢がないとうことにストレスがあるのではないかなと思います。
 みなさんも今の時代、そういうことをお考えではないでしょうか。

 僕自身は、そういう意味で言えば、本を読む、マンガを読む、そして音楽を聴く(もしくは見る)が趣味の核なので、圧倒的にそれらを行う時間が増えました。そしてデジタル機器が以前よりも一層不可欠になりました(これは由々しき事態です)。
 それはさておき、それらをいたるところで行うため、気がつけば時間が過ぎ去り、時には目の前の景色も変わり去り、睡眠を削り、そして何よりも肩こり、腰痛を誘発する……。これは多分年齢のせいでもありましょう。齢40も迎えると、五体にどこかしら綻びや変化が出てくるものです。数年前に少し年上の友人に、「40過ぎたらまず眉毛が限界突破してくるから」なんて言われて、笑って聞き流したことを記憶しています。でも40過ぎたらほらね、眉毛が何本かピロっと伸びているんですよ。今まで眉という型の中できれいに収まっていてくれた彼らから、謀反が起きるとは……もうこれは危機感しかありませんでした。そこから体の変化(特に不調)について、ケアしないとなあと思い至るようになりました。
 健康であることが一番なんてことが、人生の教訓になるなんて思いもしていませんでしたが、健康が一番なんです。
 とまあ御託はいいとして、やっぱり肩こりや腰痛っていうものは、煩わしさしかありません。座っている時、横になっている時、起き上がる時、眠る時など、あらゆるケースで、痛みや違和感が障害に、いやイライラの原因に……。

 僕は、とある雑誌に連載をしている心療内科医のエッセイがとても好きでよく読むのですが、その中に「ポジティビリティ比」という言葉が出ていました。ネガティブ感情1に対して、ポジティブ感情3の割合が心の成長と沈滞を分ける分岐点であるということ。こんな時代ですから、みんな憂鬱を抱えながら生きているわけですけど、そんな生活だけに体も今までとは違った不具合が起きているのかも……なんて思います。自分の場合は、趣味から派生する肩こりと腰痛。たぶん身体に関して言えば、4:6でネガティブ比が高い。だから体にもポジティビリティ比を当て込まなければと思ったわけです。

 そこで、まずは運動! といかないのが僕の悪いところです。でも、運動は苦手。というより、団体スポーツはまだ楽しいからよいのですが、ストイックさが求められるひとりきりのスポーツは本当に苦手で、「走る」とか「筋トレ」とかは無理。となれば、ストレッチかということで、数カ月前からはじめました。
 ストレッチのよいところは、疲れない、息切れしない。体重を利用するので、脳に変な気合いを入れさせる必要がないのです。
 ストレッチのやり方なぞは、少し調べればいくらでも出てくるので説明はしませんが、ぐーっと体を伸ばして、呼吸に合わせて体を揺らしたりすると、筋肉がスーッと広がり、適度な痛みと緊張を運んでくれます。そして肩や首回りに至っては、血の流れをその体に感じることができます。首まわりから、堰き止めれれた血が下に流れていくような感じです。こんなに体の内部に意識を向けるのは初めてなんじゃないかくらいです。
 最近は、概ね腰痛のための開脚ストレッチと、肩こりのための首と肩甲骨あたりのストレッチを30分くらいかけてやるのが日課になっています。

 ストレッチなんてやるに越したことないけれど、運動の方が健康的だろうとか思う人もいるかもしれない。そりゃ運動して汗かいていれば新陳代謝もよいでしょう。ただここ。ここ大事だと思います。継続性なんですよね。結局は。
 その最小公倍数は、いかにカンタンに集中できるかだと思うんです。微妙な変化を楽しむならば、僕はストレッチをおすすめします。これ結構クセになりますよ。足を伸ばして、目を瞑って、筋肉の張りを静かに感じる。首を傾けて戻すと、血の巡りがジワッと加速して体の循環を体温とともに実感する。運動のような強制的な体のブーストは案外細かな変化を感じづらい。その点ストレッチは、小さな変化を実感とともに楽しめます。
 デジタルなデバイスは一旦置いて、静かに、目を瞑り、体を伸ばしてみましょう。音楽なんかを流してもいいかもしれませんね。昨晩こんなプレイリストを聴きながらストレッチしました。

では!


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