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[すこし詩的なものとして]0065 移ろいは季節の起因として

なにを目で追っているのだろう
自分の感情に
確かな
いぶかしさを感じる

それは季節のせい
それはあたたかな春のせい

そんな甘い言い訳を
なんとなしに
受け入れてみる

それでも
甘い中にひそむ
その尖った
人工的ないやらしさを
自分の中に見つける

心の軌道は
限定的なようで
案外そうでもない
枝分かれした葉脈のように
目を凝らせば
道を見つけてしまうのだ

そんな春の始まりは
いつでも迷わせる
いや迷うのでもない
ぽっかり空いた穴の中に
体を半分預けるよう
だから
諦めるのか
そうでないのか
そんなところなんだろう

ほら春だから
だからしょうがいないさ
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ほわほわとした日中は、あたたかさと相まって思考がにぶります。
でも気持ちいいから、それでいいやと思ったり。
そんなことを思っていると、ふとした瞬間、なにかに心を奪われます。無防備だから。
そして、世界にヒビが入って、心だけでなく体もなんだか奪われる気がしてきます。
でも、やっぱりそれは春だけのことで、夏が近づけば、そんな気持ちも薄らいでいくかもしれない。そうやって諦めるのです。

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