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[すこし詩的なものとして]0042 青闇のぬくもり

手を繋ぐ。
公園にある遊歩道を笑いながら歩く
その小さな手は、そのサイズに不釣り合いなほど熱を持ち、
こちらの手を強くにぎっている

突然
怒りがこみ上げた

何に対して怒りが込み上がったのかわからない
その湧きでる怒りは際限なく
受け入れる器にあふれでる

僕は、目の前に広がる怒りの海に
なす術がなかった
髪はむしり取られ
目からは血の涙があふれ
歯はひとつ残らず抜かれた

息絶え絶えの
この怒りの塊は
絶望と呼ぶにふさわしかった

途方のない感情は
先ほどまで見ていた公園の遊歩道とはかけ離れ
哀れで
醜くて
臭いのきつい
みすぼらしい
ただの闇だった

なぜこんなことになったのだろう
僕にはわからなかった
その時、あの小さな手のことを思い出した
そこでようやく
小さな手はないことに気がついた

かなしいのかうれしいのか
わからない
でもこの自分の眼前に広がる世界に対して
小さな手がないことに
少しホッとした

そして、その深い青闇は
僕を
十分すぎるほどの
大きな口で
受け入れようとしているように見えた

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どうも最近自虐的な傾向がある。
それは、なぜだろう。
でもそっちの方が言葉が出てくる。
変に意識しすぎないよう、素直に書こうとは思いつつ
読み返すと、なんだこれ!となることもしばしば。
でも、それ以外に書く術がない。
小説や物語ではこうもいかないが、詩だから許される。
そう信じてみよう。そうしよう。

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