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[すこし詩的なものとして]0146 過日、時は無情に

どれだけ思い出を重ねても
それは僕だけの記憶
他の誰のものでもない

手紙に綴って送っても
配達員があなたに届けたところで
言葉はただの文字に成り下がる

あなたの残した物さえも
僕を越えるとただの物
並んだ本の数だけが
記憶ではなく想像を
記録として想起する

歩きながら時が経つ
草木は変わらず育ち続ける
雨を待ち続ける人
雨を忌み嫌う人
そんなまとまりのない街に
わけのわからない夜が
落ちていく

舞い散る雪は
モノクローム
体温を下げる乾いた寒さに
喉が渇いていく

夜空に揺れた
季節の境
夜風は気まぐれに
次の季節へ
何をそんなに惑わせる

ただ眠たいそんな日は
後悔ばかりが積もっていく
何もせずにいることを
いつでも求めていたはずなのに
身勝手に何もないことを後悔している

時は無情に
過日は無常
そしてまた生きることになる

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何にもする気がしないので、ただダラダラしていると、これみよがしにやってくる後悔の念。何かしたって後悔するのだけれど、何もしないのの後悔はあらゆることを否定してくる。ぜいたくとはなんぞや。気の持ちようか。

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