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カリフォルニアでは万引きしても捕まらない? その真相について

たまたま見た動画で、「今アメリカでは950ドルまでなら万引きしても捕まらない」とアメリカ人が説明していて驚き、ちょっと調べてみました。
結果、アメリカ全土のことではなくカリフォルニア州のみなのと、その動画で言っていた黒人への奴隷制に対する配慮とかでもありませんでした。
気になったので自分なりにまとめてみます。

州法修正案47

ことの発端は2014年にカリフォルニア州で可決された「州法修正案47 安全な近隣と学校法」(Proposition 47 The Safe neighbourhoods and Schools Act)です。

https://www.bscc.ca.gov/s_bsccprop47/#:~:text=Proposition%2047%20was%20a%20voter,Safe%20Neighborhoods%20and%20Schools%20Fund.

これにより、950ドルを超えない万引きや盗難、手形や小切手の偽造、小切手の不正発行は、物理的暴力で被害者を傷つけなければ軽犯罪とみなされるようになりました。
あと、ドラッグの個人使用も軽犯罪に変更されたようです。
これは増えすぎた囚人を削減するための新たな措置とされ、アメリカではそこそこ歓迎されているそうな。
また、ジョージ・フロイド事件以降警察官が黒人に対して強く出られなくなったらしく、万引きとか車上荒らし程度ならもう出動もしないそうです。

万引きのような軽犯罪で人員を浪費したり警官が撃たれたりするぐらいならいっそ軽犯罪ってことにして取り扱わないようにしよう、ということらしい。
なんともまあアメリカって感じですね。

実質950ドルまで盗んでも捕まらない

上記の理由で本当にお店から950ドル以下の万引きをしても店員は警察すら呼ばないそうです。
呼んでも来てくれないし、捜査もしてくれないとか。
当然そうなるとお店は大打撃ですよね?
なのでカリフォルニア、特にサンフランシスコから大手チェーン店などが軒並み撤退しているらしいです。
そらそうですよね。
万引きってガム1個でも結構ダメージあるとか聞くので、それが13万円となるともはややっていけないでしょう。
万引きも月に一人とかそんなレベルじゃないだろうし。
また、治安も悪化しているので一般市民も他の州に移住するケースが多いとか。
なんかイメージと違う……

アメリカの限界

この「州法修正案47」は、アメリカの限界を露呈している気がします。
背景にはコロナやBLM運動、格差社会などが複雑に絡み合っているようですが、根本は「人はやり直せる」という性善説と、「チャンスは誰にでも与えられるべき」という平等主義がある気がします。
たった950ドル以下の少額(とは思えないが)の犯罪なら、反省しもう一度やり直す機会を与えるべき、それを与えることで人間は改心し、二度と犯罪を犯さないと本気で考える人がアメリカには多いということでしょう。
もうそういった考え方が限界を迎えている気がします。
その点日本人はハードコアですよね。
お店が万引き犯の人生を終わらせても誰も非難しないですしね。
あと、犯罪者はまた犯罪を犯すと多くの人が信じていて、それが犯罪の抑止になっているのは間違いないですから。

本件についての動画

八幡謙介の小説

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