見出し画像

「C調」の語源は「調子」の逆さ言葉「しーちょう」で、それが転じて「C調」になったと初めて知った

「C調」という言葉をご存じでしょうか。
軽薄で調子がいい事を指す言葉で、一般的には80年代の流行語とされています。
サザンオールスターズが1980年に「C調言葉にご用心」をリリースして定着したとか。

https://youtu.be/PAjA_Sp6HnE

僕の世代(1978年生まれ)でもちょっと古い印象です。

さて、ずっとなんで「C調」なのか、語源は何かと気になっており、先日調べてみました。
すると辞書には「キーがCの楽曲のように軽薄で調子のいいこと」と出てきます。
あ、なるほど…
そういえばC調ってそのままキーがCてことですもんね。
でもすぐに新たな疑問が生じてきました。
というのは、ミュージシャンはC調とかD調とか絶対言わないからです。
例えばキーがCなら「キーC」か「C」あるいは「ハ長調」と言います。
ジャズ、ロック、ポピュラー系であれば「ハ長調」とすら言いません。
それにキーCにしたら必ず軽薄で調子がいい曲になるとも限りませんしね。
例えばスピッツはCの曲が多いようですが、軽薄には聞こえませんし。
ということは、非ミュージシャンが音楽用語を拝借して作った造語なのかなと考えていました。
そしてもう少し調べてみると真相であろうと思われる説に突き当たりました。

C調の語源

そもそもC調とは「しーちょう」=「調子」の逆さ言葉で、業界用語だったそうです。
「ザギン」とか「シ-スー」みたいなやつですね。
そしてこの業界用語は元々昭和初期のジャズメンの隠語であったそうです。
ミュージシャン同士で「今日俺しーちょう悪いわ…」とか言っていたのでしょう。
それが1962年公開の映画「ニッポン無責任時代」の劇中歌で使われ、流行語となったそうな。

その後、20年近く経って廃れてきたこの言葉をサザンが上記のシングルで復活させました。
ただし「しーちょう」を「C調」とし、「キーCのように」という意味をいつ誰が付与したたのは分かりません。
サザンがそうしたのか、その前からそういう捉え方をされていたのか……

元々がジャズメンの隠語なので、早い段階で「調子」→「しーちょう」→「C調」となっていてもおかしくはないですね。
ただ、古いミュージシャンはCを「ツェー」、Dを「デー」と読んだりするのでなんか違う気もしますが。
まあどうでもいいことなんですが、一つ賢くなった気がします。

八幡謙介の小説

「2042・鑑定団」をnoteで無料試し読み

八幡謙介ギター教室in横浜HP