見出し画像

設定が面白過ぎる! 映画『ペルシャン・レッスン 戦場の教室』

映画全体を覆う緊張感、主人公の運の良さ・機転、オチのはまり具合、、
どれもこれも上質で、意を決して観に行った甲斐がありました。

Twitterで「ペルシャン・レッスン」の情報が流れてきて、見たい!と思っていましたが、上映する映画館が少ない。関東では、立川と横浜の映画館だけでした。それでも、期待を胸に意を決して観に行きました。

設定と脚本が光る作品で大満足です。うっかりパンフレットも購入してしまいました。感想を綴ります。

https://filmarks.com/movies/89328

あらすじ
第二次世界大戦中、ナチス親衛隊に捕まったユダヤ人青年のジルは、処刑される寸前に、自分はペルシャ人だと嘘をついたことで一命を取り留める。彼は、終戦後にテヘランで料理店を開く夢をもつ収容所のコッホ大尉からペルシャ語を教えるよう命じられ、咄嗟に自ら創造したデタラメの単語を披露して信用を取りつける。こうして偽の<ペルシャ語レッスン>が始まるのだが、ジルは自身がユダヤ人であることを隠し通し、何とか生き延びることはできるのだろうか──。

https://filmarks.com/movies/89328

設定が面白過ぎる

今よりも「死」が近くにある時代、一歩間違えれば処刑されてしまう緊張感が映画の魅力を引き出していました。基本的に笑いをとるシーンはほぼなく、収容所の暗く、独特な雰囲気のまま、映画は進行します。

主人公のジルは「自分はペルシャ人」と嘘をついて、最後まで噓をつき続けていきます。ばれたら処刑が待っています。
噓を突き通すために、偽のペルシャ語を創作し、教え続けるという設定が秀逸でした。

え!そんなのできるの? という驚きと
ばれないかな? という心配と
どんな結末になるのか? という期待 が混じっていました。
この不安定ながらも、期待させる設定に惹かれました。

ナチスドイツ兵の描き方が独特

第二次世界大戦を描いた作品はたくさんあります。
基本的にナチスドイツの兵士は悪者として登場し、暴力的で冷徹な描き方をされます。もちろん、本作でも統括された所作に、暴力的なシーンもありました。しかし、ピクニックのシーンや噂話に翻弄されるシーンなど人間臭いシーンがありました。

残虐的なシーンは比較的少なく、軍隊の中でのしがらみ、嫉妬、野望などがしっかり描かれていて、目を引きました。

主人公ジルとペルシャ語を教わるコッホ大尉には
主従関係というよりは、不思議な友情が出来上がってきて、ラストへと続く伏線になっていました。噓がつなぐ友情の結末も納得感があります。

*

ネタバレになるので書かないですが、ラストのオチが響きました。
それにつながっているのか!と感心してしまいました。伏線と回収がキレイな作品だったり、凝った設定のある作品が好きな自分にはささる要素が多すぎた作品でした。

願わくば、もう少し上映館増やしてほしいことですね。

最後まで読んでいただいた方、ありがとうございました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?