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【映画レビュー】エース社員になれそうな悪役『シン・仮面ライダー』

シン シリーズが出そろいました。今度は仮面ライダーです。
「仮面ライダー」が好きな人が作った作品という印象で、
原作へのリスペクトみたいなものがありました。

作り手の真摯な姿勢を感じられました。感想をつづります。

※ネタバレありです。ご注意を。

サムネイル画像の出典:映画.com
シン・仮面ライダー : 作品情報 - 映画.com (eiga.com)

あらすじ
SHOCKERによってバッタオーグに改造されてしまった本郷猛は、緑川弘博士と緑川ルリ子とともに組織を裏切って抜け出します。最初はプラーナによって得た力で人を殺してしまったことに戸惑う本郷でしたが、あるとき緑川弘が殺され死に際にルリ子を託されます。 本郷は覚悟を決め、「仮面ライダー」を名乗りながらルリ子と協力してSHOCKERと戦うことに。自分と同じように深い絶望を経験し「オーグメンテーション(強化手術)」を施されたオーグ達と戦っていくのでした。 中盤以降はルリ子の兄、緑川イチローと戦っていくことになります。自分の跡を継いだ第2バッタオーグも現れ、戦いはますます激化していくのでした。

ciatr「【ネタバレ感想】『シン・仮面ライダー』は庵野節が濃い!!
あらすじをショッカーサイドの漫画とともに解説&考察」
https://ciatr.jp/topics/317715

悪役の魅力

仮面ライダーの魅力を引き立てていたのは、悪役に圧倒的な魅力があったからだと思います。序盤のクモオーグから、コウモリオーグ、サソリオーグ、ハチオーグ、カマキリカメレオンオーグ、チョウオーグが敵として登場してきました。

それぞれが「幸せ」を求めて、模索していたところでした。
まず、理念や理想がありましたね。「幸せ」の定義から検討されていることがわかるセリフがいくつかありました。

そして、理想の「幸せ」を得るべく、かなり効果的な手段を選び、実際にあともう少しのところまで近づいていました。部下を抱えている敵もおり、理想-手段の選定-実行という流れがすべて揃っているようでした。

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悪役には一貫した理想があり、見た目や組織の在り方に個性がにじみ出ていました。デザイナーがいるだけあって、見た目のインパクトが凄まじいですね。個人的には、クモオーグの仮面が印象に残っています。赤い仮面なのに、クモを連想させるデザインで、かっこよさとクモらしさが両立してました!

そんな個性が魅力だったこともあり、
もし、悪役たちが会社員だったら、エースになっていただろうなと思いました。

①圧倒的組織力
サソリオーグやハチオーグは、統率力がありそうですね。部下たちの一糸乱れぬ動き、忠誠心の高さが見受けられました。普段の訓練のレベルが高く、人心掌握に長けているのでしょう。カリスマ性と人望があり、そして実力もある…完璧です。

②自分の武器を活かすスタイル
自分にあったスタイルで戦っていました。カマキリカメレオンオーグは、姿を隠せる特徴を活かして、奇襲という手法を取り入れていましたね。自分に施されたオーグメントの理解が深く、研鑽を欠かしていないのでしょう。

合理的な動き、格好が多く、また瞬間的な対応にも応えられます。部下にも戦闘をさせますが、基本的には悪役自身が最前線で体を張ります。

③高い知性
コウモリオーグやチョウオーグはかなり高度な知能の持ち主のようですね。ルリ子との会話もスムーズで、難しい言葉の応酬にも十分対応できていました。理想を実現するために、高度な手法(チョウオーグであれば、ハビタット世界にプラーナを移動させる?プログラムを作成してました)を取り入れ、一心不乱に計画を進めていました。実行性、計画性も持ち合わせ、文句を言わずコツコツ作業もできるようです。

一方、SHOCKERという組織の一員である意識も十分に高く、命令には背きません。クモオーグは「私は~したいが、組織の命令なので~」みたいなセリフを言っていました。
組織バランスも持ち合わせ、社内政治にも強そうです。そして、用意周到なところも持ち合わせていました。

以上のような理由で、悪役が会社員だったら、エースになっていただそうなと思いました。仮面ライダーが戦う理由を見つける、強くするようなシーンも好きでしたが、悪役が何を成し遂げようとしているかに目が行きました。

細かいところまで、デザインされていて、作成陣が仮面ライダーをかなりリスペクトしていて、随所に表現されているようでした。

最後まで読んでいただいた方、ありがとうございました。



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