夢の世界でのつながり。小説『クジラアタマの王様』を読みました。
珍しい小説です。
絵が挿入されていて、小説の中できちんとした役割を持っています。
いつも通り、伏線と回収が見事な伊坂マジックに、新しいネタが加わったような気がします。このようなアディアを楽しむのも、いい読書です。
*
伊坂作品だと異色
伊坂作品は現実の世界をベースにして、特殊能力が使えるキャラクターや癖のある殺し屋が登場します。あくまでも、現実世界で物語が進むことがほとんどです。
本作では、現実世界と夢の世界の両方が登場して、リンクしていることが異色です。挿絵があることも、なかなかユニークです。
「あちら(夢パート)の戦いの結果と、現実の幸・不幸が連動する」というつながり方がユニークで好きです。
夢と現実をつないでいるのは、なんでしょうか?
薄れかかった記憶と現実の思い出だったりします。「あぁ、そういえば、、」というゆるいつながりで、大きな事件に立ち向かっていくのが醍醐味です。
*
ここスキと思えるページがたくさん
短編集のような疾走感が好きです。
小さな山場がいくつかあって、そのたびに仲間との絆が強くなります。出会って、戦って、、、そんな流れがずっと続いていました。
仲間が増えて、共通の敵がいる のは少年マンガのようです。
なぜ?の答えが夢の中にあるところが好きです。
現実で頑張る理由と、強敵に立ち向かう理由がちゃんとあって、物語として納得できる展開が好きです。主人公が半信半疑でありつつも、ちゃんと事件に巻き込まれるところも「小説」です。
バタバタ感が好きです。
主人公と仲間たちはいつも何かしらの、事件に巻き込まれています。どうにかしようともがく、、にっちもさっちもいかない、でも起死回生の何かがある。ゴールデンスランバーを読んでいたような、感覚になりました。
*
小説は世の中にたくさんあります。
同じ本を読んだことがある人に出会うことって稀です。
でも、時間がたつと忘れてしまうから。
いつか出会うかもしれない人と話をするために、
ブログ書こうかなと思うと、続けられます。
最後まで読んでいただいた方、ありがとうございました。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?