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英語が嫌なら他の言語を学んでみましょうという話

こんなことを言ったら同業者からお叱りを受けるかもしれませんが、英語が嫌い、つまらないと感じた人は,他の言語をぜひ勉強して欲しいなと思うんです。

もちろん、曲がりなりにも英語の教師をしているので,英語が好きで勉強している方は大いに続けていただければ良いと思いますし,英語の勉強を頑張っている人は応援したくなります。

ですが、英語が原因で「外国語」が嫌いになるくらいだったら,他の言語を勉強してみてほしいということです。

英語はファーストステップではない

英語以外の外国語の勉強してみたらと人に勧めると,「私なんて英語もできないのに無理です!」という答えがよく返ってきます。

この返事にはいくつか問題があります。

まず,この返事だと英語というものは外国語学習のステージ1で,それをクリアしないと次(の言語)には進めないという勘違いです。

いやいやいや。そんなことを言っていたら,いつまで経っても英語以外の勉強を始められません。そもそも外国語学習に「クリア」はないんですから。

自身の英語が今どんな状態であれ,いつでも新しい外国語を始めていいはずなんです。

英語は簡単?

さらに「英語もできないのに」という言い方。これはまるで英語が一番簡単な外国語と言っているように聞こえます。

日本語を母語とする日本人にとって英語は決して簡単な言語ではないはずです。よく引用されるFSI (Foreign Service Institute(アメリカの外務省といったところですね。)が示している言語の難易度だと英語ネイティブにとって日本語はもっとも難易度の高いカテゴリー4に属しています。

 https://www.state.gov/foreign-language-training/

そこには以下のように(英語ネイティブにとってめっちゃむずいよ!)

“Super-hard languages” – Languages which are exceptionally difficult for native English speakers.

と書いてありますね。

ということは日本語を母語とする我々日本人にとっても英語はかなり難しいと考えてもいいわけです(もちろん日本では義務教育に英語が入っている,英語関連の書籍がたくさんある,などなど考慮すれば同じくらい大変だとは言えないかもしれませんが)。

何はともあれ,日本語母語話者にとって英語は決して簡単な言語ではないということです。最近たまに見かける「英語は簡単!」「英語は勉強しなくても話せるようになる!」という宣伝文句にはご注意を。

英語が苦手なら他の言語も苦手?

それから,「英語もできないのだから他の外国語も無理だ」と言うのは,例えば「野球が上手にならなかったから,きっと私はサッカーもテニスも上手になれないのだ」と言っているのと同じくらいバカバカしいと僕は思います。

仮に少年A君がいるとします。A君のお父さんもA君のお兄さんも昔から野球をやっていて,当然かのようにA君は野球をすることになります。でもA君は野球がそこまで楽しいと思えないし,なんだか「やらされてる感」が否めません。

そんなA君が「僕は野球はうまくならないし,楽しいとも思えない。きっとスポーツというものは全て楽しくないし,僕は向いてないんだ。」と言っていたら,「いやいやいやいや異議アリ!」となりますよね。

でも多くの人が同じことを英語と外国語でやってしまっていると思うんです。

だからA君に「他のスポーツ,楽しそうなのをやってみたら?」というのと同様に,「英語もできない私には外国語は無理」と言っている人には,「他の言語を学んでみたら?」と勧めたいのです。

特に英語というのは我々日本人にとって特殊な存在ですよね。日本では英語は「やるべきもの」になってしまっています。義務教育で学ばなけれなばいけないし,大学でも専門にかかわらず基本必修のはずです。そして社会人になってもなんだか「やらないといけない気がする」。

人から押し付けられたものって誰でもあまり快くできないと思うんですよね。だったら,誰にも押し付けられず,興味の赴くままに外国語を学んでもらえたらなあと思うんです。

そんな僕は今日もフラフラと新しい外国語に手を出し,沼にハマってゆくのです。



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