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なんで会社で仕事してるんだろ

仕事帰りのマックは美味い。疲れた身体にハンバーガーのジャンク感はよく染み渡るのです。フィリピン・マニラの一際オシャレなエリアの片隅、今日も我が道を貫くハンバーガーストアには安心感とローカル感が溢れています。

今日はフィリピンで働き始めて初の出勤日でした。同じ企業の日本所属だった頃は一度も出勤することがなかったので、2年も働きながら初めての出勤となりました。

今日の初出勤を経て感じたこととして、オフィス勤務という「体験」に価値や楽しみを見出せなければ、在宅の方が自分にとっては都合が良いということでした。会社固有のことも含みますが、自分なりにこのことを深掘って考えてみます。

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コロナ禍に突入してから、多くの人が働き方の変更を余儀なくされました。今までは一部の人たちの特権のように扱われていたテレワークも、今ではいろんな業種で採用されることになり、「仕事は会社でする」といった常識が壊されることになりました。仕事と家庭を分ける、といった考え方も覆されることになり、その環境に合わせられた人や合わせられなかった人、多くいるかと思います。

そもそもなぜ仕事を会社でしなければならないのか。コンピューターも携帯電話もなかった時代、そもそも人と人とが対面で会わなければ仕事というものが成立しませんでした。しかし、技術が発達していき、通信機器が登場すると、わざわざ対面で会わなくても成り立ってしまうことも出てきます。コロナ禍を迎える前でも、自営業や一部会社員の間ではテレワークは導入されており、「自由な働き方」と標榜されてもいたかと思います。

しかし、どんなに技術が発展しても、やはり対面で仕事をしていくという常識は抜けることはありませんでした。それは、それが仕事をする上での慣習となっていたという面が強く影響していると思います。それまでの社会人生活を順調に過ごしてきた人にとって、働く環境を変えることは負荷が大きく、また「家は休む場所」という本来の役割が強く作用してしまい、結果としてわざわざ新しいことを導入するより、満員電車に揺られて出勤したほうが都合が良かったと思います。

コロナ禍はそんな人たちの慣習すらをも変えてしまう、パラダイムシフトとなりました。

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コロナ禍という2年間の時を経て、徐々に町に人が戻ってきました。フィリピンも日本と同じく、感染者数が抑えられていることから、職場へ通勤できるようになりました。

今日僕はこの会社に入って初めて、そして僕自身は前職を退職した2019年12月以来となる「出勤」を経験しました。初めて入るオフィスは最初こそちょっとわくわくしたものの、いたって普通のオフィスであり、1時間もすれば慣れてしまいました。今日一日のみの経験値ではありますが、テレワークと出勤を比較したら、テレワークの方が何百倍も仕事はしやすかったと思いました。

ただ、今日はIDカードがなかったり、急遽同僚が休むことになったり、いろいろとトラブルを抱えながらの一日になってしまった上、オフィスのフロアが冷蔵庫かと思うくらい寒かったという予期せぬ負の要因もありましたが、そこを抜きにしても、そもそもなんでオフィスに来る必要があるのだろう、と考えることになりました。

仕事をする上で求められることは価値を生み出すことで、出勤はただの手段にすぎません。価値を生むという目的を達成するために、会社はいろいろと社員の働き方を考えています。また、人によってどのような環境で価値を生み出せるのかは異なっているため、各人がそれぞれ認識しておくべきことだとも思います。

人によってはだだっ広いフロアでスーツを着て仕事をすることで価値を生み出せるかもしれないし、はたまた、家で自由に仕事をしていくことが都合がいいかもしれません。僕は、今回のコロナ禍でどちらかというと後者であることがわかりました。今日一日、仕事をする気になれず、集中力が飛び散ってしまい、全然だめでした。でもこれは二分されるものでもないと思うし、中庸なスタンスの人も多いと思っています。

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僕が思う通勤の理想は、冒頭にも書いた通り、オフィス勤務という「体験」に価値や楽しみを見出すことだと思います。コロナ禍の間、僕は2年間、全く誰にも会わずに仕事をしてきたので、そのような極端なこともどこか不満は感じています。社会とは人と人とが混じりあっていくものなので、そういった要素を仕事からなくしていくことはあまり同意できません。でも、週に何日か、月に何日か、といったペースであったり、オフィス自体を楽しい空間としたり、その出勤一回に対する期待値を大きくしていくことが、社員それぞれに価値を生み出せられるきっかけづくりにもなりえるのではないかと思っています。

仕事の仕方に正解はないし、Googleのような先進的な企業でもコロナ禍を乗り越え、社員が楽しんで働く新社屋を発表したくらいです。「価値を生み出す」ということを通勤・テレワークという二極化した視点ではなく、より幅広い視野を持って考え、実践していけたらいいなと思いました。

ちなみに個人的な働き方の目標は、大学生です。これについてはまたいつか深掘っていこうと思います。

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