見出し画像

ランニングという新たな自分との出会い

昨日、ジョージアの首都トビリシで開催されたトビリシマラソンに出場しました。

ジョージアは既に秋に突入し、冷え込む気候になっていましたが、当日は太陽が輝く青空の下、爽やかな気持ちで走りました。そして10kmのコースを、56分07秒と1時間を切るタイムで完走することができました。

石畳のゴツゴツした道や、煽られる強い向かい風に走りづらさを感じたこともありましたが、トビリシ市内の観光地や繁華街を縦横無尽に巡るルートに、楽しさが湧き上がりました。

今回は、僕のマラソンとの出会いについて書いてみようと思います。

***

最近は特に伝えていないものの、以前は趣味を聞かれたら、ランニングと答えていたことがあります。

昨年まで、僕は日常的にランニングをしていました。

僕がランニングと出会ったのは今から5年前の2017年です。大学を卒業して社会人になり、一日中座りっぱなしの生活が始まってしまいました。

お腹の出ている上司などを見て、会社との往復以外ずっと座っているこの生活に怖さを感じてしまい、運動を始めることを決意しました。

僕は生来、太りづらい体質でダイエットなどはしたことがありません。加えて、学生時代はほとんど運動をしてこなかったことからいざ始めるにしても何をしたらいいかわかりませんでした。

そこで始めたのが、お金がかからず、家のすぐ近くでできるランニングです。僕は高校時代、学校が主催したマラソン大会で、10kmのコースを完走した経験があったため、なんとなくできそうな気はしていました。

とりあえず始めてみたところ、思っていた以上に楽しい気持ちになり、また続けたいと思うようになりました。

そしてどんどんランニングにのめり込み、最初は3kmだったものを、5km、そして10kmなど徐々に距離を伸ばしていきました。ちょうどこの時、一人暮らしを始めたため、知らない街を行くワクワク感もありました。

仕事が終わって家に帰ってから、座ることなくそのまま着替えて走りに行く。走り終わって帰ってきてからシャワーを浴び、夜ご飯を食べる。

気づいたらルーティーンができていました。

仕事が忙しくない日や晴れてる日を中心に、義務ではなく、自ら好き好んで走っていました。

***

そんな中、マラソン大会への出場という新たな目標ができました。たまたま見つけた「千葉マリンマラソン」の広告に心が動いたからです。

習慣で続けていたランニングにひとつの新たな目的がつくれそうな気がしました。また、僕は中学生以降、部活動で登山はしていたけれど、人前で何かをするようなスポーツはしてこなかったため、「大会出場」という響きに憧れを感じました。

そしてそのマラソン大会のハーフマラソンの部にエントリーすることにしました。

習慣としているランニングはあくまで10km程度に抑え、21kmを走り切ることを日々イメージしていました。

年が明けた2018年の1月、いよいよマラソン大会当日を迎えました。

時間に間に合うように現地に到着し、気持ちを高めました。

出走の合図が鳴り、走り始めます。千葉マリンスタジアムを出発し、幕張の海岸を往復する平坦なルートを自分のペースを保ちながら走り続けます。

途中、沿道で声援を送ってくれる多くの地元住民に手を振ったり、水分補給に加えてフルーツを食べたり、応援サポーターとして来ていた元陸上選手の高橋尚子とハイタッチをしたり、ただ走るだけでなく高まる心を感じ、イベントを全力で楽しみました。

結果、1時間48分というスピードで走り切りました。一度も歩くことなく、21kmを走り抜くことができました。

大きな達成感でした。

今まで運動では花が咲かなかった僕の学生時代を振り返ると、まさかこのような大会に出場する日が来るなんて思ってもいませんでした。

完走できたことももちろん嬉しかったけれど、走っていた時に感じた未知なる楽しさは今でも忘れられません。

***

その後、42.195kmのフルマラソンにも挑戦し、今まで3度の完走を果たしています。

気づいたら、ランニングが自分を形成するひとつの要素にすらなっていました。

しかし、今年に入ってからは海外生活を始め、環境が整わなかったことから、ランニングの習慣をやめてしまいました。

それだけに今回のトビリシマラソンは10kmとは言え不安でした。ただ、せっかくのチャンスを逃すわけにはいかないと思い、エントリーすることにしました。

だから結果的に完走できて安心しているし、海外で出るマラソン大会という一風変わった楽しさを味わえてとても満足しています。

年々歳をとっていき、徐々に身体も動かなくなっていくのでしょう。それだけに、昨日感じたマラソン大会のあの爽快感を思い出し、再び習慣を作っていきたいと思いました。

やっぱりランニングは楽しい。そう思えた一日でした。


英語版はこちら

Twitterはこちら

サムネイルの撮影場所はDavid Aghmashenebeli Avenue(トビリシ)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?