日本のメディアだって、アメリカに負けていない
今日は単純に、クラシコムの青木さんすげぇー...!という話をします。
今月の1日に公開されていたクラシコム企画のドラマの第4話を、今日やっと観ることができました。
メイン事業がECサイトの運営であるクラシコムが連ドラを作ったということで、第1話が公開された去年の春はけっこうな話題になりました。
それで、代表の青木さんはこの連ドラの制作について、メディアでは『特に意図はなかった。なんとなく面白そうだったから』といった旨の発言をしています。
ただ、Twitter上での経営者やマーケターの考察を総合すると『このドラマは中長期的なクラシコムの売上アップにつながる』とのこと。
あんまり使いたくはないですが、一言で言い換えるなら『ブランディング』ですね。
要は、ドラマ中には随所でクラシコムがECサイトで扱っている商品が登場します。
商品の利用シーンを自然に提供することによって、お客さんがその商品を買いやすくなるんじゃないかということですね。
青木さん自身はここまで詳細に解説していませんが、たぶん実際にそういう効果はあると思います。
それで、なんで第4話が1ヶ月前に公開されたという絶妙極まりないタイミングでこんな話をしているかというと、一昨日に公開されたこっちの記事を今日読んだからです。
記事のタイトルは『Airbnbがストリーミングメディアに進出か』。
最初タイトルを見たとき、『Airbnbとストリーミングメディアって、どんなシナジーがあるんだ!?』と思いました。
ディズニーがストリーミングメディアを持つなら自社コンテンツが既に豊富にあるから理解できるし、AppleやFacebookといった巨大プラットフォーマーがその集客力を生かしてメディアを持つならわかります。
というか、実際にいま上げた企業は、みんなストリーミングサービスをやるなりやろうとするなりしています。
しかし、記事の中身を読んでいくと『山ほどのシリコンバレー企業が、ブランディングの一環としてマーケティング機能や紙の雑誌を作っているが、Airbnbはこれを一歩先へ進めようとしていると書かれている』と書いてあって、あっそういうことかと納得しました。
と同時にそれってもうクラシコムがやってることじゃん!と気づきました。
記事の最後には『Airbnbの番組は、見知らぬ他人の家で過ごすことに抵抗のある新規顧客に対するサービスの透明性を高める効果がある』と書いてあって、要は家で誰かが住む番組(例えばテラスハウスやバチェラーみたいな感じ)とか、こだわりの家を作る過程を流すとかして、Airbnbの利用シーンを自然な感じで提供しようという魂胆です。
記事中には上にもある通り『一歩先へ進めようとしている』と書かれていますが、日本にはとっくにやっている企業がありました。
日本って、メディア業界はアメリカの5年〜10年くらい遅れていると言われています。
webメディアのサブスクリプションモデルもたぶんアメリカのほうが早かったですし、記事を書いたライターが写真つきで表に出ていく慣習も、アメリカが先に普及しています。
そういった感じで、なにかとそのタイムラグぶりをアメリカに見せつけられている日本のメディア事情ですが、ピンポイントの事例で言えば、こうして日本のほうが先駆けていることもありました。
別に愛国心からくるうれしさというのはないですが、単純にクラシコム、特に青木さんすげぇなあと思いました。
遅れているというのは、言い換えればタイムマシン経営でも十分にやっていけるというか、そっちのほうが先例があるから安全なのに、それをせずに青木さん自身の嗅覚で次の一手を考えて、しかもそれに逆にアメリカが追従しようとしている現象が、これはなにげにすごいことなんじゃないかと。
これぞまさに経営者、イノベーターの鏡だなと思ったという今日の話でした。
▼クラシコム青木さんがドラマ制作について答えている記事に関する感想は、こっちのnoteで書いてますー!