「良い質問ですね」は使わない
講演会やセミナー、塾の授業なんかでよく『それ良い質問ですね』って言葉が使われると思うんですけど、ぼくはあの言葉が好きじゃないです。
言われるのが好きじゃないので、逆に使わないようにもしています。
なぜかと言うと、『良い質問をした人』を生むというのは、同時に『良くない質問をした人』を生んでしまうことになるからです。
質問を受けた側にとっては、なんらかの基準に則って『良い質問』『良くない質問』があるのかもしれないですが、質問をした側にとっては、『良くない質問』をした人も含めて、全員が自分が聞きたかったことだろうし、それぞれ全員にとって死活問題についての問いをなげかけたのかもしれません。
にもかかわらず、質問を受けた側の基準で勝手に良い良くないを評価するのは、少し配慮に欠けるんじゃないのかなあと思うのです。
しかも、その質問を受けた側の基準の良い良くないって、客観的にみて『本質を突いた問いだ!』っていうよりは、往々にして『自分が言いたいことを言うきっかけをくれた!』っていう意味での『良い質問ですね』というパターンが多い気がします。
特に、講演会やセミナーでは。
本当は本編のところに入れたかったけど、時間の関係上泣く泣くカットした内容を話すきっかけを与えてくれる質問だったり、自分としては深堀りしたい内容なんだけど、聴衆にとっては細かい話かもなと心配して削った内容を深ぼってくれる質問だったり。
つまり、質問を受けた側の『良い質問ですね』は、質問を受けた側自身にとって都合が良いという意味での『良い質問ですね』であることが多いのではないかということです。
まあ別に、言ってる側も悪意があって言ってるわけではないし、純粋に『自分になかった視点だ!』と思って使ってる人もいると思うので、わざわざ目くじらを立てるほどの話でもないんですけど。
個人的には、そういった大半の人にとってはどうでもいい細かいことにも心を配れるような人間ではありたいなと思いました!
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