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「ビジネスの成功」と「ブランド価値」は、逆相関の関係にある

昨日に引き続き、クラシコム青木さんのインタビュー記事を取り上げます。

昨日のnote:ブランディングとは、お客さんが「自分はありがたいけれど、彼らは損をしているな」と思うこと

昨日のnoteでは、タイトルにもある通り、『ブランディングとは、お客さんが「自分はありがたいけれど、彼らは損をしているな」と思うこと』、また言い換えるならば「狂い続けていること」であるという話を書きました。

その狂い続けているための手段の1つとして、クラシコムがたどり着いたのが動画だったわけです。

その手段を考えるにあたって青木さんの念頭にあったことが、今日のnoteのタイトルにもある『「ビジネスの成功」と「ブランド価値」は、逆相関の関係にある』ということでした。

青木:残念ながら「ビジネスの成功」と「ブランド価値」は逆相関の関係ですね。(中略)

ビジネスの成長と同時に、より大きい勝負をしていかないと、ブランドを引き上げていくことができないわけです。(中略)

たとえばAppleも、すこし前まではiPodの裏側を鏡面仕上げにしているだけで「すごい!」と言われていた。
でも、今では誰も驚かないでしょう。だからこそUFOみたいな新社屋を建てるのも、結局は「狂っている」エピソードづくりでしかないはずです。(中略)

だからこそ、僕らがしていることは「一般解」ではありません。
比較的小さい会社にありがちな制約事項の中で、最大限に自分たちが幸せにやっていくには、今これしかないという選び方をした「特殊個別解」に過ぎないんです。

「ビジネスの成功」と「ブランド価値」が逆相関の関係にあるというのは、ビジネスが成功して規模や知名度が大きくなればなるほど、その企業に対する期待値や想定する基準値が上がり、「狂っている」と思われにくくなるということだと思います。

つまり、その企業のフェーズや置かれた状況に応じて、「狂っている」と思われるために打つべき施策が変わってくるということです。

そのため、クラシコムが選んだ「動画」という手段も、クラシコムにとって最適であると青木さんが判断したに過ぎず、それは決してみながそれを真似すればいい感じにPRできるというわけではありません。

青木:だから、誰にとっても映像が「新しい正解」にはなりません。『青葉家のテーブル』の公開以降に「これからはドラマコマースだ!」といった言及も散見しましたが、僕らの商品を売るのにこれほどのお金をかけていたら、絶対にペイしませんから(笑)。

そして、青木さんのこの話を聞いて、ぼくはすごく耳が痛くなってしまいました....

というのも、先日ぼくがインターンしていた企業がセミナーを開催し、その資料を作ったのですが、このクラシコムの取り組みを「先進的なマーケティング手法」として紹介してしまったからです。

当時のイベントレポート:【ビズメイツ籭氏×GIG岩上氏】進化を続けるデジタルマーケティングのいま

新しい手法が話題になればむやみやたらに飛びつくのではなく、大事なのは、その手法の裏にある意図を汲み取ることですね.....

胸に刻んで置きます。


★最近もう1つ耳の痛かった話






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