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「エンタメ」×「投げ銭」の相性
1週間前くらいに、友達から「コロナ時代のエンタメについてnoteに書いてほしい」というリクエストをしてもらいました。
気軽に「いいよ!」と答えたはいいものの、あまりにも大それたテーマで、ずっととっかかりを探していたのですが、ちょうど数日前に、ぼくが以前書いた「エンタメ」に関するnoteを引用してもらったので、これに被せる形できょうは書いていこうと思います。
いまみんながどうやってオンラインで収益化するかを考えてるけど、目的に沿ったインセンティブ設計をして、そのエンタメの本質を貫くことが大事。
— 藤本 けんたろう / チャットボット「BOTCHAN」 (@Kentaro_Fujimo) May 7, 2020
note引用していただき、ありがとうございます!🙇♂️
>無観客スポーツ観戦の「投げ銭」はノイズになる|Taiyo Wakugawa @ThatWat https://t.co/nPdcEQFwrI
そして、引用してもらったnoteはこちら。
いま、リアルの空間で行われていた、いろんなものが「オンライン化」されています。
特にリアルビジネスでダメージを受けているのが、飲食、旅行、そしてエンタメですよね。
エンタメを広義的に捉えれば、飲食も旅行もまあエンタメっちゃエンタメですけど、きょうは一旦「スポーツ」とか「演劇」とか「音楽ライブ」とかを、念頭に置いて書きます。
ぼくが上のnoteで当時書いたのは、「投げ銭は、投げ銭する側の"承認欲求"と"純粋な応援"の、2種類によって大別される」ということでした。
前者の「承認欲求」は、アイドルへの投げ銭がイメージしやすいかもしれないです。
ライブ配信中に投げ銭されると、基本的にどの配信サービスでも、投げ銭したアカウントが、大きくなって、他の視聴者とか配信者とかから見えやすくなりますよね。
そして、金額が大きくなればなるほど、その名前も大きく映し出されます。
(ぼく最近はYouTube Liveしか観てないので、もし他のSHOWROOMとか17Liveとか、仕様がアップデートされて変わってたらゴメンなさい)
この「アカウントが大きくなる」仕様によって、他の視聴者に対して「自分はこれだけの金額を納めたんだ!」と誇示することができるし、何より、大きな金額であれば、配信者から「ありがとう!」って言われたり、名前を呼んでもらえたりします。
自分の好きな人だから投げ銭しているのであって、やっぱり好きな相手にそういう反応をしてもらえると、うれしいですよね。
そして、この状況は、有り体に言えば「承認欲求が満たされている」ということだと思います。
一方で、後者の「純粋な応援」というのは、「特に何らかの見返りを求めるわけではなく、単純にその人のことを応援するために投げ銭する」ということです。
当時のnoteではその例として、このnoteを挙げました。
noteって一番下に「投げ銭」ができる機能がついているんですけど、それをしたところで、別に大した「見返り」ってないんです。
↑noteの記事の一番下にある「サポートをする」のボタン。
一応、相手からなんらかのコメントが返ってくる場合はありますが、それも相手側の任意ですし、この投げ銭したことが、その投げ銭した相手のフォロワーに通知されるみたいな機能もありません。
強いて1年半前からの違いを挙げると、noteでもいまは、投げ銭した人のみが、そのnoteを「オススメする」権利を得られます。
↑「1人がオススメしています」って書いてあるところ。ちなみにこれは深津さんのnoteから借りました。
これがあえてひねくれた解釈をすれば「他の人への投げ銭の誇示」にあたるのかもしれないですけど、たぶんこの機能は、もっと純粋に「このnoteが素晴らしいから他の人も読んでください!」っていう、「純粋な応援」の強化版みたいな位置付けの方が、思想的には近いと思います。
というわけで、「noteの投げ銭のシステムは純粋な応援だ。どっちのタイプの投げ銭が良いとか悪いとかではなく、目的に応じて使い分けることが大事だよね」とう内容で、当時のnoteは締めました。
そして、それから1年半経って、いまみんなが一斉に「オンライン」でのマネタイズを模索するなかで得た、新たな気づきとしては「配信者側にも承認欲求があったんだな」ということ。
いま思えば、不特定多数の人に対して、自分の名前とか顔とかを出して何かしらの表現をするって、もうその行為そのものが「承認欲求の塊」なのですが、当時は見逃していました。
ぼくが最近になって、いくつかの投げ銭型のライブ配信に参加して気づいたのは、「配信中に投げ銭されると、それに配信者が触れるから、配信の流れが止まる or 変わる」んですね。
「触れる」っていうのは、「ありがとう!」って言ったり、名前を読んだり、そういう感じの行為を指します。
これって、もうそういう「触れる」ことが前提の、雑談みたいな感じのゆるーい配信だったらいいんですけど、ある程度ちゃんとしたコンテンツを配信する場合、その「触れる」行為が、投げ銭した当時者以外にとっては、「ノイズ」になることもあるんですね。
「もう!早くその続きを観たいのに!聴きたいのに!」って気持ちです。
引用していただいたnote。1年半前に書いたやつだけど、当時からの新たな気づきとしては、投げ銭は「ファン側」だけじゃなく、「発信者側」の承認欲求も満たすものだということ。そりゃいっぱい投げ銭されたら、本来自分が配信しようと思ってた内容から、脱線していくよなーと。https://t.co/UFj25grTJ7
— 藤本 けんたろう / チャットボット「BOTCHAN」 (@Kentaro_Fujimo) May 7, 2020
だったらもう、最初から「前払い」でチケット制みたいな感じにして、コンテンツに集中させてほしいっていう視聴者と配信者、両方いると思います。
配信者側にとっても、途中で(言い方はちょっと悪いですけど)自分の発信内容に介入されるくらいだったら、もう最初から「自分の作品」をトータルで観てくれるお客さんだけに向けて、チケット制でやりたいわって人、たぶん一定数以上はいるはずです。
だから、まとめると、配信者との「コミュニケーション」を目的とした配信(≒ゆるい雑談ベースで、投げ銭ありがとう!って言われる感じ)では、その都度都度の投げ銭制にして、「視聴」を目的として配信では(≒核となるコンテンツがある場合)、前払いがベターなのかなと思います。
あくまでも「視聴者側」の感想だけど、、
— 藤本 けんたろう / チャットボット「BOTCHAN」 (@Kentaro_Fujimo) May 8, 2020
配信中の投げ銭は、例えば対談配信やってるときに、ゲストが一生懸命話してても、そこで投げ銭をされたら主催者は反応せざるをえないから、どうしても一回リズムが壊れるんよね...
「コミュニケーション」ではなく「視聴」メインの配信は、前払いがベター感。 https://t.co/84PaL8hZVE
そうなると、ぼくが最初にあげた「スポーツ」にしても「演劇」にしても「音楽ライブ」にしても、全部「核となるコンテンツ」があるので、安易にリアルタイムでの「投げ銭」に走るのではなく、もう覚悟を決めて「チケット制」にしちゃった方が、発信者側にとっても、受け手側にとってもハッピーなんじゃないかなあと、「一人の視聴者」としては思います。
オンライン上では「リアルタイムでの投げ銭」が(機能的には)できるからって、目的に合致していないのであれば、無理にその機能を活用する必要はありません。
それで、核となるコンテンツには前払いで課金してもらって、例えばそのライブ終了後に、「終了後の楽屋トーク」みたいな感じで、ゆる目に舞台裏を見せるときに、チケット代プラスでさらに課金して応援したい人は、そこで課金して、そして配信者から感謝されて承認欲求も満たすっていう、みんながハッピーになる仕組みにしたら良いのではないでしょうか。
ということで、「投げ銭」って一言で言ってもその種類とかやり方とかは複数あるし、別にオンラインでそれができるからって無理に使わずに、自分たちがやりたい方法で、応援してもらいたい方法で、お金を払ってもらうのがいいのではないかなという話でした。
本当はもうちょっと広い話の「これからのエンタメ」みたいなものについても書きたいんですけど、それはまだちょっとまとまりきってないので、ひとまずは「マネタイズ」のところだけ切り出した話で勘弁!
最後まで読んでいただいて、ありがとうございます!!!すこしでも面白いなと思っていただければ「スキ」を押していただけると、よりうれしいです・・・!