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「エンタメ」×「投げ銭」の相性

1週間前くらいに、友達から「コロナ時代のエンタメについてnoteに書いてほしい」というリクエストをしてもらいました。

気軽に「いいよ!」と答えたはいいものの、あまりにも大それたテーマで、ずっととっかかりを探していたのですが、ちょうど数日前に、ぼくが以前書いた「エンタメ」に関するnoteを引用してもらったので、これに被せる形できょうは書いていこうと思います。


そして、引用してもらったnoteはこちら。


いま、リアルの空間で行われていた、いろんなものが「オンライン化」されています。

特にリアルビジネスでダメージを受けているのが、飲食、旅行、そしてエンタメですよね。

エンタメを広義的に捉えれば、飲食も旅行もまあエンタメっちゃエンタメですけど、きょうは一旦「スポーツ」とか「演劇」とか「音楽ライブ」とかを、念頭に置いて書きます。


ぼくが上のnoteで当時書いたのは、「投げ銭は、投げ銭する側の"承認欲求"と"純粋な応援"の、2種類によって大別される」ということでした。

前者の「承認欲求」は、アイドルへの投げ銭がイメージしやすいかもしれないです。

ライブ配信中に投げ銭されると、基本的にどの配信サービスでも、投げ銭したアカウントが、大きくなって、他の視聴者とか配信者とかから見えやすくなりますよね。

そして、金額が大きくなればなるほど、その名前も大きく映し出されます。

(ぼく最近はYouTube Liveしか観てないので、もし他のSHOWROOMとか17Liveとか、仕様がアップデートされて変わってたらゴメンなさい)


この「アカウントが大きくなる」仕様によって、他の視聴者に対して「自分はこれだけの金額を納めたんだ!」と誇示することができるし、何より、大きな金額であれば、配信者から「ありがとう!」って言われたり、名前を呼んでもらえたりします。

自分の好きな人だから投げ銭しているのであって、やっぱり好きな相手にそういう反応をしてもらえると、うれしいですよね。

そして、この状況は、有り体に言えば「承認欲求が満たされている」ということだと思います。


一方で、後者の「純粋な応援」というのは、「特に何らかの見返りを求めるわけではなく、単純にその人のことを応援するために投げ銭する」ということです。

当時のnoteではその例として、このnoteを挙げました。

noteって一番下に「投げ銭」ができる機能がついているんですけど、それをしたところで、別に大した「見返り」ってないんです。

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↑noteの記事の一番下にある「サポートをする」のボタン。


一応、相手からなんらかのコメントが返ってくる場合はありますが、それも相手側の任意ですし、この投げ銭したことが、その投げ銭した相手のフォロワーに通知されるみたいな機能もありません。

強いて1年半前からの違いを挙げると、noteでもいまは、投げ銭した人のみが、そのnoteを「オススメする」権利を得られます。

スクリーンショット 2020-05-10 23.08.56-min

↑「1人がオススメしています」って書いてあるところ。ちなみにこれは深津さんのnoteから借りました。


これがあえてひねくれた解釈をすれば「他の人への投げ銭の誇示」にあたるのかもしれないですけど、たぶんこの機能は、もっと純粋に「このnoteが素晴らしいから他の人も読んでください!」っていう、「純粋な応援」の強化版みたいな位置付けの方が、思想的には近いと思います。

というわけで、「noteの投げ銭のシステムは純粋な応援だ。どっちのタイプの投げ銭が良いとか悪いとかではなく、目的に応じて使い分けることが大事だよね」とう内容で、当時のnoteは締めました。


そして、それから1年半経って、いまみんなが一斉に「オンライン」でのマネタイズを模索するなかで得た、新たな気づきとしては「配信者側にも承認欲求があったんだな」ということ。

いま思えば、不特定多数の人に対して、自分の名前とか顔とかを出して何かしらの表現をするって、もうその行為そのものが「承認欲求の塊」なのですが、当時は見逃していました。

ぼくが最近になって、いくつかの投げ銭型のライブ配信に参加して気づいたのは、「配信中に投げ銭されると、それに配信者が触れるから、配信の流れが止まる or 変わる」んですね。

「触れる」っていうのは、「ありがとう!」って言ったり、名前を読んだり、そういう感じの行為を指します。


これって、もうそういう「触れる」ことが前提の、雑談みたいな感じのゆるーい配信だったらいいんですけど、ある程度ちゃんとしたコンテンツを配信する場合、その「触れる」行為が、投げ銭した当時者以外にとっては、「ノイズ」になることもあるんですね。

「もう!早くその続きを観たいのに!聴きたいのに!」って気持ちです。


だったらもう、最初から「前払い」でチケット制みたいな感じにして、コンテンツに集中させてほしいっていう視聴者と配信者、両方いると思います。

配信者側にとっても、途中で(言い方はちょっと悪いですけど)自分の発信内容に介入されるくらいだったら、もう最初から「自分の作品」をトータルで観てくれるお客さんだけに向けて、チケット制でやりたいわって人、たぶん一定数以上はいるはずです。

だから、まとめると、配信者との「コミュニケーション」を目的とした配信(≒ゆるい雑談ベースで、投げ銭ありがとう!って言われる感じ)では、その都度都度の投げ銭制にして、「視聴」を目的として配信では(≒核となるコンテンツがある場合)、前払いがベターなのかなと思います。


そうなると、ぼくが最初にあげた「スポーツ」にしても「演劇」にしても「音楽ライブ」にしても、全部「核となるコンテンツ」があるので、安易にリアルタイムでの「投げ銭」に走るのではなく、もう覚悟を決めて「チケット制」にしちゃった方が、発信者側にとっても、受け手側にとってもハッピーなんじゃないかなあと、「一人の視聴者」としては思います。

オンライン上では「リアルタイムでの投げ銭」が(機能的には)できるからって、目的に合致していないのであれば、無理にその機能を活用する必要はありません。

それで、核となるコンテンツには前払いで課金してもらって、例えばそのライブ終了後に、「終了後の楽屋トーク」みたいな感じで、ゆる目に舞台裏を見せるときに、チケット代プラスでさらに課金して応援したい人は、そこで課金して、そして配信者から感謝されて承認欲求も満たすっていう、みんながハッピーになる仕組みにしたら良いのではないでしょうか。


ということで、「投げ銭」って一言で言ってもその種類とかやり方とかは複数あるし、別にオンラインでそれができるからって無理に使わずに、自分たちがやりたい方法で、応援してもらいたい方法で、お金を払ってもらうのがいいのではないかなという話でした。

本当はもうちょっと広い話の「これからのエンタメ」みたいなものについても書きたいんですけど、それはまだちょっとまとまりきってないので、ひとまずは「マネタイズ」のところだけ切り出した話で勘弁!



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