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誤った「働き方改革」のもたらす機会損失

いまの『働き方改革』は、あんまり良くない方向に流れていっちゃってるなぁと感じます。

今朝、こんな連続ツイートをしました。


ちなみに、『働き方改革の本質は選択肢を増やすこと』っていうのは今年の1月のnoteでも書いてて、(まあ別にみんなが言ってることだけど!)



そこからずーっといまの『働き方改革』という言葉に対する世の受け止め方には違和感を抱いてたんですが、最近社長と話したり採用に絡ませてもらったりするなかで、改めてその違和感が大きくなってきつつあります。

この話はいろんな立場からできて、ぼくが最初に引用してるツイートでは、それまでの文脈が『ハードワークできない若手かわいそう』みたいな感じなんですね。

だけど、別にそこはどうでも良くて、いまどき大半の仕事は特に場所を選ばずにできるんだから、やりたけりゃ家やカフェでやればいいだけの話です。

なので、今日は企業側、もっというと採用面での『働き方改革が曲がった受け止め方をされていることによる損失』について書きたいと思います。

結論から言うと、最初のツイートにも書きましたが『働きたい人』と『働ける環境(=企業)』のマッチングがしづらくなることです。

これだけ働き方改革が叫ばれてるなかでも、『とりあえず若い頃はバリバリやりたいんだ!』とか『何者かになるためにめっちゃ仕事したいんだ!』という人は、一定数います。

ぼく自身がベンチャー企業にいて、かつ友だちもベンチャーでインターンやってるような人が多いので、少なからずバリバリ系に会う頻度が多いバイアスはかかってますが。

それを差し引いても、とにかくワークライフバランスは多少崩れてもいいから、何かしらのスキルを身に着けたいんだ!という若い層は、絶対に一定数います。

そしてその一方で、ぼくがこれまで取材させてきてもらった経験上、大半のベンチャー企業に『定時』という概念はほぼ存在しません。

まれに、めちゃくちゃビジネスモデルが優れているとか、めちゃくちゃテクノロジーを活用しているとかで、時短や定時といった言葉が生き残っている企業もありますが、大半の企業の創業初期は労働集約型にならざるをえないので、ワークライフバランスとか言ってたら速攻で倒産します。

つまり、そういった企業などに行けば、若い頃にガンガン現場経験を積んでいきたい!みたいな人は、その希望をかなえるチャンスがあります。

まさにWin-Winな状況にあると思うのですが、昨今のねじ曲がった『働き方改革』の広まり方により、企業側が『ガンガン働ける環境だよ!』と公言しづらくなり、そのために労働市場全体でみたときに機会損失を起こしてるんじゃないか?というのが今日の話です。

これ、ぼくが所属するwevnal(ウェブナル)で1年前に書いた記事なんですが、(タイトルは『「うちは定時に帰れません!」って、採用説明会でぶっちゃけてみた』

これまでぼくがwevnalで執筆した記事のなかで(30記事くらい)、唯一社長にSNSでシェアされませんでした...!!!

記事の内容確認は違う社員さんにしてもらっていたので、社長は公開されるまで記事の中身を知らなかったんですが、公開したあと、社長に『藤本、あの記事はシェアできないよ笑』と笑いながら言われました。

wevnalのなかで一番Facebookでの影響力のある社長にシェアされなかったのもあって、公開当時のPVはとっても低かったんですが、1年経ったいま、なぜかwevnal史上2番目に読まれている記事になっています。。。

たぶん、wevnalの違う記事を読んだときに下に『他のおすすめ記事』みたいな感じで出てくるんでしょうね。

そして学生さんたちは、みんなこの記事をクリックしてくれたんでしょうね。

このエピソードでぼくが言いたいことは2つで、1つは社長自身も世の中の風潮に配慮して、上の記事をシェアできなかったこと(=wevnalの価値観を発信できなかったこと)。

(実際のところ、wevnalで定時で帰ってる人は少ないです。単純に仕事がたくさんあるのと、あと仕事が好きな人が多いからです←ここの能動的なスタンス大事!強制された残業は、ただのブラック企業だからね!)

(あと、このnoteは弊社の社長は読んでない前提で書いてますが、もし読んでくださってた場合も、別にシェアしなかったことを恨んでるとかでは全くございません!当時の風潮に合わせつつ、よりwevnalの社風を伝えられるやり方があったなと反省してます!)


そして2つ目は『学生側もそういった情報を求めているということ』。

記事を読んでくれた人のなかには、バリバリやりたい人だけじゃなくて、プライベートも大事にしたいなあとか、休みの時間も取りながらやりたいなあっていう人もいたと思いますが、いずれにしろ『どういった働き方をしているのかな?』と学生側も気になっているということです。

にも関わらず、『時短やワークライフバランスが最高!』みたいな一面的な価値観で世を埋めてしまうのは、全体的に見ると損失が大きいなと思います。

ただ、まあそんなことを嘆いても一朝一夕で世の中が変わるわけではないので、取り急ぎ採用において企業側ができることは『匂わせ』と『間口を広く』ですね。

『匂わせ』は、ストレートに『定時なんてありません!』というとインパクトが強すぎていらない反発を招く恐れがあるので、『能動的に仕事をしてる人が多いです』とか『成長意欲のある人がたくさん働いてます』とか、それとなく『たくさん働きたい人が働ける環境だよ』と伝えることです。

あと『間口を広く』は、いまの働き方改革の考え方を一部分的に取り入れて、『ワークライフバランスも充実させたい』といったことを少しは思ってるけど、すごい優秀でパフォーマンスが高い学生もたまにいるので、そういった学生さんとの縁をもつためにも、あんまり『バリバリ企業です!』感を匂わせすぎないことも、ときには大切です。


ああ、これ自明すぎてあんまり言いたくないんですが、今日の話はぼくの勝手な妄想で、別にwevnal全体の採用方針では全くもってありませんので....(ぼくはまだ正式に入社すらしてない)

ぼくがもし企業の経営者とか採用の責任者だったら、いまの風潮に対してはこういう作戦でアプローチしていくなあという、ただの机上の空論です!

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