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「ポジティブシンキング」すぎるのも考えもの

「ピンチをチャンスに変える」のは大事なことだけど、逆にそのチャンスを生かしたことによって失ったものを把握しておくことも、同じくらい大事だなと思っていて。


たとえば、「ウェビナー」ってウェブ上でやるセミナーのことを指した言葉なんですけど、ウェビナーが増えたことよって、「一気に大量の人数を集客できる!」とか「地方の方も参加できるようになった!」とかって、ポジティブな声が上がっています。

もちろん、そういったポジティブさは大事であるという大前提のもとで、ただ、こういう話を見ていていつも思うのは「そんなん、前からわかってたことやん」ってことです。


1週間前くらいに書いた、

というnoteのなかで、「在宅勤務になって通勤時間がなくなったとか、web会議で効率的に会議ができるようになったとかって話があるけど、それだけでトータルの生産性がプラスになるなら、最初からオフィスなんていらなかったじゃん」という話を書きました。


それと同じような話で、ウェビナーで集客数が上がったとか、地方の方にも参加してもらえるようになったとかって良いことずくめなら、最初からウェビナーをやっておきなさいよって思ってしまいます。

ウェブ上でセミナーをやるのは、時間と場所の制約がないなんてこと、そのテクノロジーの特性上して、最初から分かっていたわけなので。

そんなメリットを抱えながら、それでもオフラインでセミナーを開催し続けていたのは、トータルで見たときにそっちのやり方の方が販促効果があるという判断のもとで行なわれていたのではないでしょうか。


例えば、ぼくは昨日とある企業さんのウェビナーに参加したんですけど、オンライン上での参加って、悪い意味で離脱するハードルがめちゃくちゃ低いなって思いました。

少しでも面白くないなと思ったら、すぐに画面を閉じることができます。

そして、すぐに元の業務を再開することができます。


これがオフラインでのセミナーであれば、まあ仮に面白くなければ、居眠りしちゃうか、もしくは手元のPCで別の仕事をしながら聞くってことはあり得ますが、「途中で帰る」ってことは、それほど多くないと思います。

でも、オンラインでは、「途中で帰る」って行為が、ボタン一つで可能です。

それに、物理的な制限がないゆえに、仮に100人のセミナー参加者を集めたとしても、「一人ひとりの参加者とコミュニケーションをとりながら双方向で」というのは、難しい。

その「ウェビナー」というメディアの特性上(≒離脱のハードルが低い)、常にセミナー参加者一人ひとりとコミュニケーションをとって、一定以上の注意を集め続けることが大事です。

そうなると、仮に100人集められるとしても、そこまでウェビナーにノウハウのない時期は、全員に対応できる量と余裕という観点で、最初は20~30人くらいの参加者のほうがいいかもしれません。


というわけで、いまの状況に対応するために、これまであんまり取り組んでなかった取り組みをして、その効率性に感嘆の声を漏らすのは大事なんですけど、その一方で、もちろんその新しい取り組みにも一長一短あるんだから、そこの冷静な客観的評価は大事にしていきたいなという話でした。

場面に応じた使い分けを、フラットな目線からしていけるようになることが次のステップ。


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