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「やりがい」と「承認欲求」と「ビジネス」との関係について

仕事における『やりがい』についてのメモ。

先日、最所さんの有料マガジン内で、こんな質問を送りました。

組織における「やりがい」について、考えることがあります。
よく「その人にしかできない」という属人性の高さが、やりがいと紐付けられることが多いのですが、一般的に組織は「いかに仕組み化するか」を志向すると思うので、そこは相容れないものだと思います。
だからぼくは、やりがいは「その人の現時点での能力と、その仕事に求められている能力との差分」に生じるものだと考えてます。
組織における「やりがい」に影響を与える、最も大きな要因は何なのか(人それぞれと言ってしまえばそれまでなのですが...)、ぜひ最所さんの見解を伺いたいです...!


質問中にもある『やりがいとは、その人の現時点での能力と、その仕事に求められている能力との差分に生じる』という考え方は、まえに下のnoteで詳しく書いたんですが、


最所さんからの返答内容を読んで、『あっ、自分の仮説だとまだまだ抑えてる領域が一部だけだったな』と気づきました。


最所さんの結論を先に書いておくと、『個として感謝されること』が大事とのことでした。

その後の内容を読んだぼくなりの解釈をすると、『何をしたからありがとう』ではなくて、『誰がしたからありがとう』という形で感謝されることが大事なのかなと。


そして、ぼくの仮説に対しては『それは全員に成長へのモチベーションがあることが前提になっている』という旨の言葉が返って、ハッとなりました。


ぼくとしては、『やりがいって属人性の高さと結びつけられることが多いけど、仮に属人性の仕事をしている人でも、自分の考えた定義ならやりがいの発生に理屈をつけられる!』と思っていました。

『この仮説なら、より多くの人に仕事におけるやりがいをもたらすことができる!』と勝手に思っていたんですが、これでもまだまだ甘かったです。

ぼくの『やりがいとは、その人の現時点での能力と、その仕事に求められている能力との差分に生じる』という考え方は、『仕事に対して成長のモチベーションがある』ことが前提になっていました。


世の中には、すごい粗い言い方をすれば『仕事に対して成長のモチベーションを抱いていない』人もいます。


例えば、趣味に熱中していたり、仕事における目的は特になにかあるわけではないけれど、とにかく毎日を楽しく過ごしたいと思っていたりする人たちでしょうか。(これはそれぞれの価値観の問題なので、良い悪いという観点はありません)

ぼくはベンチャー業界にいることもあってか、たまたま『仕事が命だ!』とか『絶対に成功してるぞ!』とかみたいな友達が多かったので、その姿勢が当たり前だと思いこんでしまっていました。

でも、そうじゃないよなと、最所さんからの返答を読んで、そんなすごく当たり前の事実を思い出しました。


だから、『成長できてる!』というある種の内発的な動機ではなく、『自分自信の存在を肯定された!』という、外発的な動機が大事なのかなと。

最近よく聞く言葉で言えば、『承認欲求を満たす』ですね。


それでこの『やりがい問題』について、最所さんからの返答を読んで、最近読んだ1冊の本のことを思い出しました。

『居るのはつらいよ: ケアとセラピーについての覚書』という本なんですが、


読み終わって『ほへー』とは思いながらも、この感想をどうnoteに書いたらいいのか分からなくて、しばらく頭の中で本の内容を寝かせておりました。


それで、この本に出てくる大事な対比構造のひとつとして、『いる』と『する』が出てきます。

いるが『Be』で、するが『Do』という感じでしょうか。

本の舞台となったデイケアに著者が赴任してきたとき、とにかく何かを『しなければ』と仕事を探しまくっていました。

自分はここに仕事をするために来たのだから、仕事場に来て仕事をしようとするのは当然だと。

しかし、しばらくしてデイケアでは、ただ『いる』ことが許される空間なんだと気づきます。

というかむしろ、『いる』ことが推奨される空間なんだと。

それは、『いる』ことそれ自体が、デイケア空間においてはその人の存在を受け入れることになるからです。


逆に言えば、ぼく含めて多くの人たちが(この場合は成長意欲云々はあまり関係なく)仕事場でなにかを『しようと』しているのは、『する(=成果を出す)』ことでしか、その仕事場ではその人の存在が受け入れられない(とぼくたちが思っている)からです。

スキルを持っているから、成果を出しているから、自分はこの場所にいられる。


....うーん、この流れで『つまり、ビジネスにおける組織についても、"いる"ことによる存在価値を肯定するべきだ』という結論に持っていくこともできるんですけど、そこでいま立ち止まって考えてます。

実際、(たぶんですが)最所さんはこれに近いスタンスなのかなと、読んでいて思います。自分自身を肯定してもらうことで、その組織への帰属意識が高まり、結果的にモチベーションも上がる傾向がありそうだと書かれていました。


ただ、それってめちゃくちゃ性悪説的な考え方をすると、『ぬるま湯』にもなってしまう危険性があるんじゃないかというのが懸念点です。

株式会社でビジネスをやっている以上、会社になんらかの価値を提供しないと存続や発展はできないわけで..........


とりあえず『成長に対してのモチベーションがデフォルトである』というのは、全然一般的なことではなく、あくまでも一部分の人たちの現象であることを念頭に置いたうえで、

できるだけ多くの人が『やりがい』をもって仕事ができるような仕組みって、どうやったら作れるかなあ、『その人自身を肯定することとビジネスって、どうやったら両立できるかなあ』ということを考えてます。

まだ全然まとまってないので、引き続き考えます。


▼最所さんの返信全文はコチラ。有料マガジン面白いのでオススメです!


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