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栂海新道trail report

先日、塩の道トレイルについてのレポートを書いた。
今回はその続編にあたる内容だ。
ちなみにこの内容についてpodcast ep.45でも話しているのでぜひ聞いてほしい。


前回書いたように、蓮華温泉でアルバイトをしていたのだが、8/22に契約期間を終了し、帰りもトレイルを歩いて帰るつもりで準備をしていた。

もともと蓮華温泉から白馬岳を経由して立山方面へ歩いていくつもりにしていた。
しかし、蓮華温泉関係者が、栂海新道に強い関わりのある方達ばかり(草刈りや登山道整備)ということを知るうちに、せっかくここに働きにきたのなら歩くべきだよな、、と思うに至り、予定を変更して栂海新道を歩くことにした。

栂海新道ってそもそもなに?って方が多いと思う。
ここは、1971年に開通したトレイルで(実は今年2021年は50周年)、北アルプスの白馬岳と日本海をつなぐ、夢とロマンあふれるコース。


蓮華温泉で働いている最中に、この栂海新道に関する展示をフォッサマグナミュージアムに見に行った。
日本海と北アルプスをつないだら面白いんじゃないか!と思ったとしても、なかなか実行するのにはハードルがあると思うが、実現させた小野会長をはじめサワガニ山岳会のみなさんのエネルギーはマジですごいと思う。



コースは、蓮華温泉から鉱山道を経て、雪倉岳-朝日岳を経由し、栂海新道に入って、1日目は白鳥小屋まで。2日目に親不知に到着予定。
1日目は31km、2日目は9kmで、登り2632mでくだりが4000mというなかなかタフなコース。

実際のコースタイムも記載しておく。
day1
3:30 起床
4:30 出発
7:40 雪倉岳分岐
8:40 雪倉岳山頂
10:35 吹上のコル
14:08 犬ヶ岳山頂
16:15 白鳥小屋

day2 
3:30 起床
4:30 出発
7:30 親不知到着

さて、1日目。
鉱山道を歩きはじめることになる。
蓮華温泉のノブオさんとやすこさんが出発のときに声をかけてくれる。
こんな早朝なのにありがたい。

朝日岳方面に行くには鉱山道を通ると、遠回りになるのだが、朝日岳へは一度草刈りで歩いたことがあったので、違う道を今回はチョイスした。

その鉱山道だが、ここがとても歩きやすくてよかった。
道はなだらかなところが多いのと、サーフェイスが土で、足に対しての衝撃があまりない。白馬大池方面を歩いたときに、岩だらけのトレイルに嫌気がさしたので、鉱山道にしておいてほんまによかった。
雪が残っている時期は難易度が高いようなので、その点は注意が必要かもしれないが、個人的にはお勧めのコースである。


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ただ、今年は雨が多く、トレイルが今後ずーっとぬかるんでいて、常に足が濡れた不快な状態で歩いたことを報告しておく。
足がふやけまくってなかなか辛かった、、、


3時間ほどで、雪倉岳への分岐に着く。
このあたりは地質的に、もしくは標高的に、草があまり生えていなくて、ごろごろとした岩がある地形だった。
稜線は風がかなり強く吹きつけていて、酸素が薄いこともあってか、息がややしにくくてちょっと驚いた。
雲もどんどん吹き飛ばされていて、シャッターチャンスが待っていれば訪れることもあった。

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たしかここが雪倉岳手前、、
山頂に立ったタイミングはちょうどガスが切れていて、蓮華温泉が見えた。
思えば遠くに来たもんだ、、とちょっと感慨深い。
人間の足で歩くっていうとてもシンプルな行為だけど、積み重ねたら案外遠くまで来れてしまうことにちょっと感動した。
蓮華温泉からは雪倉岳を毎日見ていたこともあり、思い入れがあったことが影響したのかもしれない。

でもこんな感じで毎日遠くから見ていた(40日ぐらい)山に実際登ったのは、思えば初めての経験だったな。

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そこから結構歩いて、朝日岳方面へ。比較的アップダウンも少なく、快適な道だった。が、しかし、水平道分岐から朝日岳に登るところがめっちゃきつかった、、
かなり急なところを無理やり登る感じで大汗をかいて登る。


山頂はパスして(めっちゃガスってた)、吹上のコルを通って、いよいよ栂海新道核心部へ突入した。ここから親不知までは24kmの道のりだ。

吹上のコルの看板がかわいい。この後、栂海新道の看板は全てこれと同じフォントで、それがとても素敵でした。

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長栂山から黒岩山へ至る道は、景色が開けていて、花や池も多く、とっても良い景色の中を歩けて気持ちよかった。

後ろにそびえる山々を見て、これから自分が歩く距離を想像しかけたが、疲れるだけなのでやめておくことにした。

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黒岩山を超えて、歩き続けると、事前に蓮華温泉の方々から聞いた話を実感することになった。
”親不知まで下り基調だけど、アップダウンがあるから結構きついよ”

小野会長が稜線を通すことにこだわったらしく、ひと山登ったらまた下り、次の山に登っては下り、、をくりかえして縦走するコースなのだ。
なので、毎回毎回登って、下る。せっかく登ったのに、、という気持ちに何回も何回もなった。”あのじじい、、!”って6回は言った。

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コバくんの実家で作ったこしょうみそ入りおにぎりが沁みるうまさ。

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振り返ると、こんな景色だった。
うーむ、なかなか壮大な感じ。

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たまーに、こんな感じのブナの森があった。良いキノコが取れそうだけどここまで来るのが大変すぎるわ。

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稜線を通す道なので、なかにはこんな切り立った場所も。
ここではないが、1箇所完全に崩落している場所があり、そこは迂回ルートが作られていた。蓮華温泉関係者のひとも関わっていたので、その作業には頭がさがる思いだ。そこまでアプローチするのにもかなり歩かないといけないので、大変さがめっちゃわかった。

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さてここが白鳥小屋。
なんとか1630までには着きたい、、とおもっていたので無事着けてよかった。
山小屋でバイトしてたのもあって、あんまり遅く着くのはちょっとな、、と思っていたので一安心。まあ避難小屋やからそこまでやいやい言われないだろうけど、、

利用者は自分一人だったのでゆっくりさせてもらった。
だんだん外が暗くなると、街や漁船の明かりが見えた。
食事を終えて、だらだらして、1930ぐらいには寝た。

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しっかり寝れたが、体はまあまあ重い。
スリッピーな場所が多かったので、足首を若干ひねっているのが痛い。

犬ヶ岳あたりと白鳥小屋からの下りが特に急で辛かった、、、
あんまり急な場所が続くと嫌気がさしてくる。
ていうかここ登って来る人の気持ちになると文句も言えないんだけど。

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この辺りに来ると、完全に樹林帯で、だいぶ標高も低く、蒸し暑い。
まあここまで来たら、、って感じで淡々と進む。

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はい、ここが親不知の海岸。
感慨にふけろうとしていたが、ウルル(小さいアブ)がめっちゃたかってきたので即退散した。

まあ正直そこまで感慨もないというか、それこそ上高地から歩いて来る人もいるみたいで、そういうひとたちにとってはほんまに特別な気持ちがあるだろうけど、2日歩いて来ただけやとそこまで、、って感じだった。
程度は違うけど、山から海に降りられる場所は神戸にもあるしね!

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全体的な感想としては、ほんまになかなかタフなコースやなという印象。
景色はいいけど、アップダウンが多いし、距離もなかなか長い。
ある程度体力がないと厳しい。
道に関してはかなりわかりやすかったので、迷う心配はあまりなさそう。稜線を通している点も、道がわかりやすいことにかなり影響していると思う。
ただ、稜線が多い分、日焼け対策やサングラスは必要だと思う。
水場は比較的あるが、夏だとかれる場合があるのでその点注意が必要だ。
黄蓮の水場が、トレイルからほとんど離れずに水を汲むことができるようなので、そこが一番良いかもしれない。(実際ここでは必要がなかったので汲まなかった)

稜線を歩き、景色がいいトレイルがいきたいのであれば、個人的には八幡平を推します。温泉もあるし、避難小屋もたくさんある。ほんまにお勧め。

今回歩いてみて、自分がやりたいのはこういうことなのか??という疑問が常につきまとった。なんだか距離をこなすだけになっている時間が多かった気がして、自然の中を旅するという感覚があまりなかったように思う。

自分はトレイルランニングもやるので、ひたすら長い距離を走ったり、きついと言いながら走りきった時の達成感を感じることも好きだ。

だけど、宿泊を伴ってハイキングをするときには、もう少し立ち止まる時間が必要なのかもしれない。

スカイハイマウンテンワークスの北野さんがfastpackingとboulderingを組み合わせて、北海道に行っているのをインスタを見て知った。

それを見て、自分がしたいのはこういうことなのかもしれない、と気づいた。

八幡平にいったときは、温泉とハイキングを組み合わせたが、そんな感じでボルダリングや釣りなど、山でできる遊びを組み合わせると、山を旅している感じがより強まるような気がしている。

自分のいう”旅”とは何かという定義が曖昧だが、、、

でももっとシンプルに、ここでこれしよう!というワクワク感が今回トレイル上になかったからかもしれへんなぁ。
その思いついて、プランする感じも好きというか、、
自分らしい過ごし方ができた感があるといいのかも、、
ん?自分らしさって、、、?
ってどんどん話が散らかっているがまあとりあえずそのへんも今後旅を続けて見つけていくってことで⭐︎

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