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【案件化率と受注率を下げずに商談数を191%増加】hacomonoインサイドセールスの5つの課題に対する15の取り組み

この記事は【インサイドセールス Advent Calendar 2023】の4日目の投稿です。次回はスマートキャンプCOOの阿部さんの記事が公開予定です!

インサイドセールス Advent Calendar 2023

こんにちは!ウェルネス業界特化型SaaS hacomonoでインサイドセールスリーダーをしている樋口です。

インサイドセールスが好きで新卒からほとんどインサイドセールス1本でキャリアを歩んできました。

インサイドセールス Advent Calendar 2023の4人目として、hacomonoインサイドセールスチームの2023年1月から約1年間の取り組みについて投稿させていただきます。

貴重な機会を作っていただいた茂野さん、本当にありがとうございます!


今回の記事ではhacomono社がT2D3を目指す中、インサイドセールスチームとしても高い商談数目標に対峙する過程での試行錯誤を赤裸々に公開します。

様々な課題はありましたが(今も課題だらけ)、様々な取り組みを開始する前のFY10・2Q(2022年10~12月)と比較し、FY11・1Q(2023年7月~9月)は案件化率・受注率を落とすことなく商談数を190%強伸ばすことができました

各種数値の推移

※商談数・有効商談数・受注数は非公開
※受注率は商談作成後60日時点で換算しているため当記事で紹介する取り組み開始後の受注率のみを表記


当記事には私たちが日々行動する中で直面した問題や課題、その要因、それらに対する打ち手を赤裸々に記載しますので、ベンチャー・スタートアップ企業で答えが見えない中、力戦奮闘している方の参考になれば光栄です。

このように、私のnoteX(Twitter)ではインサイドセールスの現場で学んだ実践的で具体的なノウハウやナレッジを発信しています。

この記事が参考になったらいいね♡とフォローをしていただけると喜びます。

\好評いただいている私のnoteたち。併せてご覧ください!/

hacomonoについて

本題に入る前に齟齬がないよう、hacomono社と営業体制についてまとめます。

hacomono社について

hacomonoはフィットネスジムなどのリアル店舗における予約・決済や入会手続きがお客さま自身のPCやスマートフォンからオンラインで完結し、店舗での事務手続きや支払い手続きが大きく削減できるクラウドサービスで2023年12月4日時点で全国4900店舗に導入いただいています。

店舗運営に必要な業務をオールインワンで管理
大手・中小含め、2023年12月時点では4900店舗以上が導入


営業組織について

hacomonoの営業組織はSMBとENTの2つに分かれています(私はSMBにおけるインサイドセールス部に所属しています)。

そして、SMBにおいてはTHE MODELを採用し、MKT・IS・FS・CSが事業目標から逆算したKPIを目指しながら、前後(MKT↔︎IS・IS↔︎FSなど)で連携することで、バーティカルSaaSとしてT2D3を達成できるよう日々取り組んでいます。


インサイドセールスについて

その中でインサイドセールスには大きく下記の2つのミッションがあります。

①主戦場であるフィットネス業界へのシェア拡大を加速させる
②フィットネス業界に次ぐ新市場の開発

見込顧客に対して電話やメールを活用した非対面の営業活動のことをインサイドセールスといい、商談数や有効商談数、案件化率を成果指標に置かれることが多いと思います。

弊社のインサイドセールスでも商談数と案件化率(作成した商談がフェーズ2に推移した率)を成果指標として追っていますが、社内の誰よりも多くの顧客と対峙するインサイドセールスこそが事業推進のドライバーであると考えています。

ですので、日々の顧客との対話の中での情報をもとに各種デジタルマーケティング施策のバナーへのFBや定量・定性情報をもとにしたマーケティング予算のアロケーションの提案、新市場開発に向けた仮説検証やプロダクトFBなど、インサイドセールスという枠を超えて事業を推進しようと積極的に取り組んでいます(まだまだ未熟ですが、そこは伸び代ということで)。


事業開発としてのインサイドセールスについてはカミナシの富澤さんがnoteにまとめておりましたので、是非こちらもご覧ください(個人的にも大共感で何度も繰り返し読んでおります)


直面していた5つの課題

そんなhacomonoのインサイドセールスは2021年5月頃の立ち上げ以降、拡大と成長を繰り返してきました。

この取り組みを開始する前のFY10・2Qはかなりの不調で1Qよりも20%強も商談数が落ち込んでおり、かなり苦しい状況でした。

しかし、T2D3という事業目標を達成するために毎月高くなります。

商談数目標の達成と現状の間には常に課題があり、日々その課題に対し討議と実行を繰り返していました。

その中で目先の商談数増加と2023年7月から始まる11期に向けて、2023年1月頃に顕在化していた課題が大きく5つありました。

①SDRの商談数の向上
②ハウスリードアプローチのハック
③既存店舗攻略
④運動スクール市場の開発
⑤案件化率・受注率を下げない

1.SDRの商談数の向上

これまでも、今も、そして恐らくこれからも、弊社の商談生成の軸はSDRです。

Facebook広告やリスティング、オーガニックなどWeb経由で流入したリードからの商談作成→受注が弊社の事業成長の基盤になっていました。

しかし、リード数の増加に対して商談数が伸び悩み目標達成ができない(フィールドセールスの目標達成にも当然影響あり)という大問題が発生していました。

詳細については打ち手のところで解説しますが、インサイドセールスは商談に繋がるリードを獲得してほしかったが、実際はWPのDLリードが多く、その上でリード獲得に関する現状を改善するための会話がIS↔︎MKT間でなされていないという大問題が発生していました。

毎月多額の予算を投下していたことに加え、SDR経由のフィールドセールスの受注率は特に安定していたため、SDRの商談化率を改善し商談数を増やすことがMRRへのインパクトが大きいため、最重要課題でした。


2. ハウスリードアプローチのハック

弊社ではSDR中心の商談作成からさらに伸ばすべく、昨期からハウスリードへのアプローチを開始し、掘り起こしやナーチャリングを強化に取り組んできました。

インサイドセールス内でもチームをLQチーム(Lead Qualify:新規リード対応)とLGチーム(Lead Growth:掘り起こし・ナーチャリング対応)の2つに分け、専任担当を設けることで当然ながら商談数自体は増えました。


しかし、リード選定やアプローチ方法は属人的でハイパフォーマーによる職人芸的なアプローチになっていました。

上述通り、弊社では毎月多額の予算を投下し、何百件とリード獲得を行っているため、即商談には至らなかったハウスリードも何百件と増え続けます。

このハウスリードへのアプローチをハックし、再現性を持たせることが更なる成長に繋がり、商談生成の基盤になると考えました。


3. 既存店舗攻略

弊社のインサイドセールスやフィールドセールスが対峙するお客様は新規開業と既存店舗の2つに分類することができます。

新規開業
これから新しく店舗をOPENする企業のこと
既存店舗
既に店舗を運営中の企業のこと

これまでの弊社は新規開業のお客様が商談数の約xx%を占めており、既存店舗への新規導入やリプレイスはあまり多くなかったのです。

背景として、事業再構築補助金の登場もあり、異業種からのフィットネスジムやインドアゴルフの開業が増えた上に、コロナ禍での非接触での店舗運営がhacomonoとマッチしたこともあり、店舗OPENに向けて弊社に多くのご相談を頂いていました。

事業再構築補助金
新型コロナウイルス感染症の影響が長期化し、当面の需要や売り上げの回復が期待しづらい中、ポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応するために中小企業等の事業再構築を支援することで、日本経済の構造転換を促すことが重要です。そのため、新分野展開、事業転換、業種転換、業態転換、又は事業再編という思い切った事業再構築に意欲を有する中小企業等の挑戦を支援します。

事業再構築補助金とは?より引用


しかし、新規開業数にも上限がある上に、フィットネスジムとインドアゴルフの新規開業店舗の多くの店舗でhacomonoを導入いただいているデータもあり、伸び代はあまり大きくないのではないかと考えました。

しかし、既存店舗に関しては大きな開拓余地があった上に、導入に向けて影響できる範囲が多く(新規開業は物件や資金調達などインサイドセールスで影響できない部分も多い)、既存店舗に対するアプローチの強化が大きな伸び代だと考えました。


4. 運動スクール市場の開発

シリーズCの資金調達時のプレスリリースにも記載の通り、フィットネスからの市場拡大は重要な事業課題です。

株式会社hacomono、シリーズCで38.5億円の資金調達を実施。テクノロジーの力で、スマートウェルネスな社会を目指して」より引用

弊社がこれまで対峙してきたフィットネス市場の規模は1万店舗。

そのうち、2023年3月段階では3000店舗近くでhacomonoを導入頂いていました(フィットネス業界以外の店舗も含んでいます)。

導入店舗の中にはコナミスポーツクラブ様やRIZAP様などの大手企業での複数店舗導入もあるため、SMBにおいて開拓余地はまだありますが、今後の事業成長を見据えて新市場を開発しTAM・SAMを拡大することはバーティカルSaaSにおいて必須であり、弊社にとっても大きな課題でした。

その役割をインサイドセールスも担い、76,000店舗以上あるスクール市場の開発を行いました。


5. 案件化率・受注率を下げない

仮に商談数が増えたとしてもその後の案件化率や受注率が低下してしまうと、事業成長は大きく加速できません。

ましてや、特にリソースが不足しているスタートアップにおいて、受注に繋がりにくい商談を増やすことは生産性の低下の大きな要因です。

受注に繋がりにくい商談に多く対応することは、リソースを投下すべき受注に繋がる商談にフィールドセールスが集中できなくなってしまいます。

今期もフィールドセールスの採用計画はありましたが、昨期のような規模(年間10名近い採用)での採用予定はありませんでした。

上記から、フィールドセールスが受注に繋がる案件に集中できる環境を作るためにも、案件化率・受注率を変えずに商談数を増やす必要がありました。


課題解決のための15の取り組み

上述した5つの課題に対して、15の取り組みを実施しました。

1つずつ解説していきます。


1. アプローチ実績の洗い出し・分析

SDRの商談化率を改善するために最初に取り組んだことがこれまでのアプローチ実績の分析です。

データを元に日々の行動を改善していくことはインサイドセールスが成果を出し続けるための鉄則の1つです。

商談化率改善に向けた打ち手を発動するためにも仮説を持った上でこれまでのアプローチ実績を分析することで商談化率低下の要因を探りました。


今回のアプローチ実績の分析から分かったことは下記の2つです。

①SDRから生成された商談の約80%は主要3カテゴリのリードから生成されている
②一方で、アプローチの多くが主要3カテゴリ以外のリードに集中していた

どの会社・事業部においても、チャネルやCVP(問い合わせ・資料請求・WP・セミナー・展示会など)によって商談化率の高低はあると思いますが、弊社では商談化率の高い主要3カテゴリ(問い合わせ・資料請求・LP経由の資料請求)と商談化率の低いWP・事例資料DLに分けられます。

この各カテゴリへのアプローチ実績を分析した結果、SDRの商談の約80%が主要3カテゴリのリード経由であるのに対し、アプローチの多くを商談化率が低上に流入数の多いWP・事例資料DLに集中しており、商談化率の高い主3カテゴリへのアプローチを多くできていないことが分かりました。


これまでは新規流入のあったリードに対して、優先度はあまり付けず、どのリードに対してもほぼ等しく対応することで商談化数の増加を狙っていました。

さらに、商談数が落ち込めばリカバリーするためにアプローチ数を増やすという、思考停止的なアプローチしか取ることができておらず、さらに、その増加したアプローチは商談化率の低いCVPがWPのリードに対するアプローチだったというのが当時の状況でした。


2. 商談化率の低いリードへのアプローチを完全にストップ

上記の分析と下記の仮説を元に商談化率の高い主要3カテゴリ以外へのアプローチを完全にストップするという意思決定を取りました。

仮説①
商談化率の低いリードに対するアプローチが集中していることで、商談化率の高いリードに対するアプローチが疎かになっているのではないか?
仮説②
商談化率の高いリードに対するアプローチに集中することで商談化率に向上の余地があるのではないか?

その結果、商談化率は改善(他の取り組みの成果も含みます)。

弊社にとって商談生成の軸であるWeb経由の商談数を増加することができました。


何百万円と費用を投下して獲得したリードですから、すべてのリードに対して等しくアプローチを行いたいと考える気持ちはとても理解できますし、実際に弊社がそうでした。

しかし、書籍「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方」にも「資源は常に不足しているから戦略が必要である」という言葉があるように、インサイドセールスの資源も常に不足しています。

だからこそ、成果を出すためのアプローチに集中できる体制を戦略的に作ることは重要だということをこの取り組みから身をもって学びました。


3.インサイドセールスからマーケティング予算のアロケーションの提案

インサイドセールス(SDR)における達成・未達成の要因はリードの量と質に大きく起因します。

弊社も当初は今あるリードでなんとかしようと考えていましたが限界があります(アプローチ量を増やしたが商談数は伸びない、苦し紛れに商談化して案件化率も低下。メンバーの疲弊も…)。

インサイドセールスとして安定して成果を出し続けるには前工程であるリード獲得にいかに関与できるかが重要だと考え、インサイドセールスとして成果をコントロールすべく、マーケティング経験豊富なインサイドセールスMGRを中心にマーケティング予算のアロケーションの提案を毎週行いました。


Bizopsなど多くの方の協力の元、各チャネル・CVP・業種・セグメント毎の各種架電実績(コール数・コンタクト数・商談数・コールアポ率・コンタクト率・コンタクトアポ率)をデイリーで管理できるようになったため、定量的な分析がすぐにできるようになりました。

それだけでなく、インサイドセールスとして各CVP毎のコール録音を徹底的に聞いて、Aのバナーから流入したリードは〇〇という顕在ニーズがあることが多いが、Bのバナーからは小規模店舗の流入が多い上に資料を見てコストNGになっていることが多いなどの定性情報を収集します。


その定量的なデータと定性的な情報を元にマーケティングチームとのMTGでは下記のようなやりとりを行い、より生産的な予算の使い方について討議します。

「x月の〇〇業態は事業構想段階のリードが○%あり、CVRは伸びているものの商談獲得単価も上がっていると思うので、△△業態向けのバナーに差し替えてもらうことはできますか?」
「x月は商談化率の高いCVカテゴリである〇〇の流入数が下がっており、逆に商談化率の低いCVカテゴリの△△の流入数が上がっています。想定商談数を考えると全体の流入数が下がってもCVカテゴリ〇〇が増えるようにアロケーションしていただいた方がいいと思うのですがいかがでしょうか?」
詳細に関してはこちらのnoteをご覧ください。

もちろん、マーケティングチームでも常に定量的な分析から予算配分やバナーの変更を行なっていますが、そこにインサイドセールスの現場感を加えることで施策の当て感を高めていきます。

このように、インサイドセールスの達成/未達成の要因を「リードが不足した、リードの質が悪かった」にしないために、インサイドセールスからもマーケティング施策に対する提案を実施しました。

詳細はこちら↓↓のnoteをご覧ください。


4. トータルコミュニケーションの策定

上記の取り組みを行うことで商談数はしっかり伸びました。

しかし、簡単にはいきません。伸び悩みます。


その要因はいくつかありますが、その1つとしてマーケティングがクリエイティブで打ち出しているメッセージとインサイドセールスが架電時に訴求しているメッセージがズレており、顧客に一貫した価値訴求ができていないからではないかと考えました。

そこで取り組んだのがトータルコミュニケーションの策定です。

様々な場所で表示される広告バナーからLPの内容、インサイドセールスの架電における訴求までのメッセージングのことを弊社ではトータルコミュニケーションと呼んでいます。


これまではターゲット業種に対して刺さりそうな機能を中心にクリエイティブを作成し広告を回していたところを、改めて「誰に・何を・どのように」届けていくかをインサイドセールスとマーケティングで一緒に策定しました。

そして、策定した内容を元にマーケティングはクリエイティブを、インサイドセールスはスクリプトを作成し、実際に流入したリードに対するアプローチを行い顧客との対話を通じて感じた点をFB&スクリプト改善を繰り返し行いました。

ターゲット毎の課題も再度言語化
セグメント毎にトークスクリプトを作成

上記の流れを何度も繰り返すことで徐々に商談化率の向上に繋がりました。

この取り組みは定期的に行うべきですね(自社への戒めを含め)。

トータルコミュニケーションの策定に関する詳細はこちらのnoteをご覧ください。


5. メンバー配置の変更

最速で成果を出すことができた取り組みがメンバー配置の変更です。

元々、リーダーやエースメンバーは商談化の難易度が高いリードに集中できるような布陣を敷いていましたが、多額の予算を投下している上に商談生成の半分以上を占めるSDRの商談化率が低下し、週次での目標達成ができない状況が続いていました。

そこで商談化すべきリードを確実に商談化するためにリーダーとエースメンバーに商談化率の高いSDRへのアプローチを任せるなど、現段階で引ける最強の布陣を敷き直しました(私の中で布陣を変えるという考えがなかったため驚いた施策でした)。

当然ながら商談化率は向上。

どのリードに対して、誰を配置するのか?布陣を引き直すことは費用も時間もかけずに短期的に商談化率を改善できる施策だと思います。


6. 徹底したロープレ

布陣を変更し、リーダーとエースメンバーに商談化率の高いリードへの対応を任せ、確実に商談化に繋げることで商談化率は向上し、商談単価の低下もできました。

しかし、これはあくまで短期的な施策であり、この布陣を敷いているうちはリーダー業務に集中できないためチームとしての持続的な成長はできないでしょう。

やはり、メンバーのレベルを引き合げることが必要でした(即戦力社員の採用も打ち手の1つですが、時間がかかる&確実でないため不適切と判断)。

そこで、インサイドセールスにとって基礎であるロープレを再度徹底。

策定したトータルコミュニケーションを元に行いました。


商談が作りにくくなったもう1つの要因としてキャズム超えによる顧客の変化が挙げられます。

2023年3月時点で導入店舗は3000を超え、キャズムを超える(超えている?)タイミングであり、明らかに半年〜1年前とは違う顧客層との対峙が増えていました。

これまでは流入段階でhacomonoの導入に前向きのリードが多かったのが、「hacomonoって最近よく聞くからとりあえず資料見てみたかった」のような情報収集段階のリードが増え、苦戦することが増えていました(これまでがボーナスタイムだったというのもあります)。

これがSDRを対応していたメンバーが苦戦していた要因ではないかと考え、そういったリードも商談化できるようなコンテンツの整備とロープレを何度も行いました。

ロープレはインサイドセールスの基本です。困ったらロープレに立ち返るべきと思っています。


7. ハウスリードアプローチの分析

これまで、新規流入への対応に関する取り組み紹介しました。

これからは2つ目の課題であるハウスリードアプローチのハックに関する取り組みを紹介します。


データを元に日々の行動を改善していくことはインサイドセールスが成果を出し続けるための鉄則の1つです。

しかし、上述した新規リード対応は元々ある程度データ化はされていましたが、恥ずかしながらハウスリードへのアプローチに関しては特にデータがなく、誰が・どんなリードに・どれくらいアプローチしているかを把握できない状況でした。

ですので、チャネル毎の商談化率などの分析のしようがなく、各担当の架電実績(数と各推移率)と生成された商談が何を起点としているのかの2つしか分かりませんでした(商談のフックも手動でカウントしないといけないと大問題)。


詳細のデータがないという状況は変えられないため過去を大反省し、現状あるデータを元に、目標を設定し、目標と現状のGAPを埋めるための打ち手を考えます。

↑↑の画像のように、「掘り起こしは気合いっす!数でカバーします!」とならず、生産的な取り組みができるようにLGチームのコールアポ率目標を5.0%に設定し、商談化率が高いであろうチャネルのリードに集中してアプローチを実施。

さらにに各チャネルへのアプローチ実績を正しく把握できる仕組みも構築できました。(Bizopsの皆様には感謝が止まりません!)


その結果、ハウスリードの再CVのコールアポ率が最も高いことが判明(当然の結果ですが)。

さらに、再CV以外にもウェビナー・失注商談掘り起こし・ナーチャリング・リサイクルリードの掘り起こしなど各チャネル毎のコールアポ率も把握することができたため、どのリードに対し・どのくらいアプローチすれば目標達成をできるという計画が立てれるようになりました。

これはかなり大きな進歩でした。


8. コールアポ率の高いチャネルの増加

インサイドセールスとして闇雲に架電をするのではなく、コールアポ率の高いリードにアプローチができるように取り組むことも成果を出すための鉄則の1つです。

そして、コールアポ率の高いチャネルを増やすことも成果を拡大するために有効でしょう。


ハウスリードへのアプローチ実績を分析した結果、再CVリードへのコールアポ率が高いことが判明しました。

再CVに近い見込顧客の行動に対するアプローチもコールアポ率が高いのではないかという仮説の元、Webサイトへの来訪者(弊社ではセンサリングと呼んでいます)へのアプローチを料金ページ・機能ページ・よくある質問ページへの訪問者に限り開始しました(これまでは手付かずでした)。

その結果、センシングリードに対する初月のコールアポ率は8.3%、2ヶ月目は7.7%。

指標である5.0%よりもはるかに高い結果が出ました。


Webサイトに訪問があったからといって、見込顧客が必ずしも自社サービスの検討を進めているわけではありません。

実際に検討しているのはその中の一握りでしょう。

しかし、書籍・THE MODELにも「顧客の購買プロセスが変化し、顧客が問い合わせた段階で購買の意思決定にかかる6~7割は済ませている」と記載があるように、インサイドセールスとして見込顧客の状況を把握し、状況に合わせたアプローチを行うことは非常に意義のある活動だと思います。

インサイドセールスの感覚で定期的なアプローチを行うよりも、MAツールなどのテクノロジーを活用して顧客の状況を察知し、適切にアプローチすることで商談機会の創出を行うことができれば当然ながら受注のチャンスも増えます。

Webサイト訪問者の全員にアプローチをする必要はないと思いますが、自社のターゲットリードに対しては鋭い仮説を持ってアプローチを行うことで、コールドコールを行うよりも圧倒的に商談作成は容易です。


9. コールアポ率の高いチャネルに対するアプローチ数の増加

コールアポ率の高いチャネルを発見し、チャネルを増加させ、その次に取り組んだのが各チャネルへのアプローチ数の増加です。

再CVとセンシングというチャネルのコールアポ率が高いことが分かり、この2つのチャネルのターゲットリードを増加させ、アプローチ数を増加するこために、再CV増加に向けた新コンテンツの作成センシングの拡大の2つに取り組みました。


これまでのWeb上でのCVPは問い合わせと製品資料、開業ガイドブックなどWPの大きく3つがありました。

問い合わせと製品資料でのCVは商談化率が高いですが、開業ガイドブックに関してはこれからジムやインドアゴルフの開業を検討している人やなんとなくジムやインドアゴルフの経営に興味のある方が資料DLをすることが多いため即商談化には繋がりにくいコンテンツでした。

ここで製品資料と近いファネル向けのコンテンツ製品資料以下・開業ガイドブック以上のファネルにいる見込顧客向けのコンテンツの作成を進めました。

そこで新たに作成したのがPLAINERというサービスを活用したプロダクトツアー(デモを体験できる)と店舗管理システムの選び方というWPです。

これらのコンテンツへのCVに誘導することで再CVの増加を目指しました。


2つ目がセンシングリードへのアプローチの拡大です。

当初センシングリードへのアプローチは料金ページ・機能ページ・よくある質問ページに限り行なっていましたが、このアプローチから一定効果が出ることが分かったため全てのページの訪問者へ拡大しました。

この取り組みは容易に行うことができますが、重要なのが訪問者のうちどのリードに対してアプローチをするか(しないか)だと考えています。


Webサイトへの訪問者のうち、ターゲットリードに限ってアプローチを行う中で様々な傾向が見えてきました。

その1つとしてTOPページ訪問者の中でも検索キーワードによってリードの熱さが異なるということです。

「予約システム」「無人 システム」「ジム 予約」というキーワードで検索したリードは商談に繋がりやすいですが、広告経由でHPに訪問しただけのリードは商談に繋がりにくいという結果が出たため(考えれば当たり前のことです)、ページ訪問×検索キーワードでアプローチするかの判断を行うようにしました。


先述した通り、Webサイトに訪問したからといって自社製品の導入検討をしているかといえばそうではありません。

そうであるにも関わらず、Webサイト訪問者に片っ端からアプローチをしても成果は上がりにくいでしょう。

なぜなら、インサイドセールスにおいてリソースは常に不足するから。

だからこそ、チームとして戦略を持って1件のリードに対して集中したアプローチをする必要があると考えます。


10. セミナーリードへのアプローチの最適化

2022年の夏頃からハウスリードの掘り起こしやナーチャリング強化を目的にセミナー開催を積極的に行なってきました。

当初はハウスリードの中でも接触できていなかった顕在層からの商談化が比較的容易に行えていましたが、企画を変えて何度もセミナーを実施する中で徐々に商談に繋がりにくくなりました。

しかし、hacomonoにおけるセミナーはナーチャリングとしてkeep in touchのコンテンツというミッションだけでなく、フィットネス業界内で有益なコンテンツを提供してくれる役立つ存在というポジションを確立するというミッションがあるためセミナーをやめるわけにはいきません。

しかし、インサイドセールスとしても一定のリソースを投下しているために安定した商談生成チャネルとして確立させる必要がありました。


セミナーリードへのアプローチの優先度は様々あると思います。

弊社では①のセミナー参加・アンケート回答が熱いリードへのアプローチは行えていましたが、②以降のリードへのアプローチは人力でリード情報をチェックし、アプローチを行なっておりとても効率が良いと言える状況ではありませんでした。

セミナーリードに対して優先度を付けて効率的なアプローチを行える状況を作るために取り組んだのがセミナー申し込みフォームの変更です。

SDRのリード対応実績を元に商談化率が高いであろうリードを把握できるようなフォームの設計を行い、リード毎の優先度を判別し、優先度の高いリードに対してアプローチを集中できる仕組みを構築しました。

セミナー全体の取り組みとアプローチ方法に関してはこちら↓↓のnoteをご覧ください。


11. 営業代行会社を活用した二次架電モデル

ここからは白地リスト(弊社との接点がないリスト)へのアプローチに関する取り組みです。

従来のSDR+ナーチャリング・掘り起こしモデルだけでは2023年7月から始まる11期の商談数を達成できないことが予想できたため、これまで注力してこなかった白地リストへのアウトバウンドのアプローチを3月から営業代行会社と一緒に開始しました。


二次架電モデルとはアウトバウンドのアプローチを行う担当者が商談設定を行うのではなく、5~10分の電話アポの設定を行い、専任の自社の担当がスクリーニングをした上で商談創出を行うモデルです。

二次架電モデルのフロー
エンジャパンさん主催セミナーに登壇した際の資料より

3月から営業代行会社とは取り組みを開始し、順調に商談創出を行なっていましたが、案件化率が基準以上に低いという問題が発生。

課題にも記載した通り、リソース的な観点からフィールドセールスの生産性を担保する必要があったためこれは大きな問題です。

案件化率低下を改善策として、ターゲットとするリストの定義・商談化基準の見直し・商談化定義を満たすためのトーク改善・業界/顧客理解の強化・機能理解の強化などが挙げられます。

しかし、稼働時間とコミュニケーション量の少ない営業代行会社とそれらを行うことは簡単ではないと判断し、商談創出ではなく電話アポの獲得(リード獲得)を行なってもらい、リードに対するアプローチは社内で行い商談の質を担保することを決めました。


その結果、商談数も順調に伸ばしながらBDRであるにも関わらず案件化率は75%強とSDR経由の商談と遜色ない質の商談を安定して作ることができました。

二次架電モデルの詳細はこちらのnoteをご覧ください。


12. 新領域開発〜プロダクトFBとメッセージングの磨き込み〜

次に運動スクール領域の開発についてです。

先述した通り、バーティカルSaaSである弊社が事業を成長させるためにはこれまで主戦場としてきたフィットネス業界以外の領域にGo To Marketを行う必要がありました。

そこで新領域である運動スクール(その中でもゴルフ練習場内のスクールとテニススクール)の開発をインサイドセールス主体で行いました。

このような事業開発をなぜインサイドセールスが行うの?と思う人もいるかもしれませんが、インサイドセールスはフィールドセールスよりも見込顧客との接点が多く、より多くの一次情報を所有しているため適任ではないかと考えました。


実際に取り組んだ内容が下記になります。

①TAM・SAMの把握
②業界・顧客理解
③仮説(メッセージング)立案
④アプローチを通じた仮説検証
⑤顧客からの声を元に仮説の修正
⑥検証→修正を繰り返す
⑦機能面のFIT&GAPを洗い出し開発への連携

リストを作ってアプローチし、商談対応して受注する。

そのような動きではなく、業界動向・顧客理解を深めた上でメッセージングを作り、アプローチを通じて何度も磨き込み、機能GAPをまとめて開発と連携する。

それらを通じてPMFを達成ことでインサイドセールス自らTAM・SAMを広げ、SDR・BDRモデルに落とし込み商談数・受注数を増やしていく。

これが弊社で考えたインサイドセールス主体の事業開発です。


このような取り組みを行った結果として、運動スクール領域からの商談数比率は19.3%(FY10・2Q)→29.9%(FY11・1Q)と10%以上向上、商談数としてもQで100件近く増加しました。

既存領域と新規領域の商談割合

私自身、事業開発のような動きをするのは初めてだったためPMFやプロダクト開発に関する書籍を参考にしながら取り組み、とても貴重な経験になりました。

今後も事業開発としての側面を持つインサイドセールスとして事業成長に向き合っていきたいと強く思っています。

↓↓繰り返し読み参考にした書籍

インサイドセールスとしての事業開発については別途noteを書きたいと思います。


13. 業界特有の協会への加入とキーマンとのリレーション構築

運動スクール領域の開発を行う際のアプローチで有効だったのが業界特有の協会加入と理事長などキーマンとのリレーション構築です。

インサイドセールスでは運動スクール領域の中でも先立ってゴルフ練習場とテニススクールという2つのカテゴリの開発を進めることを決めましたが(ゴルフ練習場は短期目線、テニススクールは中期目線)、どちらも業界特有の協会に加盟し、効率的に商談機会をいただくことができました。

①業界特有の協会に賛助会員として加盟

②理事長などトップレイヤーの方に表敬訪問

③hacomonoのビジョンや各領域との今後の取り組みについて討議

④〇〇周年記念パーティーや納会に出席しリレーションのある方からご紹介をいただき商談機会の創出

⑤商談後もバイネームでご紹介依頼を行いリレーションのある方をご紹介いただく

⑥これを繰り返す

上記のような流れで各カテゴリに深く入り込むことで、電話やメールなどでは繋がることが難しい方ともコンタクトでき、1つのイベントから20件を超える商談機会をいただくこともできました。

hacomonoのような業界特化であるからこそできた施策かもしれませんが、セールスやバックオフィス領域においても交流会などオフラインの場の活用は大きなチャンスがあるのではないかと思います。


14. 商談化定義の定期的な見直し

インサイドセールスだけでなく、フィールドセールスのリソースも常に不足するため、商談数を増やすだけではなく、案件化率を担保した上で商談数を増やすことがインサイドセールスには求められていました。

弊社のフィールドセールスはとても強固であるため、しっかり勝負できる(案件化する)商談を作りさえすれば、受注にまで繋げてくれるからです。

実際に受注率も各メンバーの毎月のΔMRR実績はとても高い水準にあるのではないかと思います。


3Q・4Qは案件化率の70%を下回る形に(BDR案件要因の1つ)

インサイドセールスとして作成する商談数が増える中で一時的に案件化率が低下することはありましたが、案件化率に対して各メンバーが高い意識を持てていたことと、常に改善に向けた取り組みができていたため、1年間通して大きく苦戦したかというとそうではありまんでした。

その理由は「ただのアポ取りではなく、受注に繋がる商談創出を行うのがインサイドセールスである」と全員が考え、時には商談機会はいただけそうだが定義を満たしていないため商談化しないという意思決定を全員が取れる組織風土があるためではないかと思います。


その上で案件化率を維持するために取り組んでいるのが商談化基準の定期的な見直しです。

市場環境や顧客の変更、フィールドセールスのリソースなど、常に対峙する状況は変化するため、フィールドセールスとの週次MTGで商談化定義の見直し・変更を行ないます。


さらに案件化率・受注率を落とさないために下記のようなコミュニケーションを取ることによって、受注に向けた案件に対するベクトルがズレないようにしています。

・xxな企業は△△で失注することが多いから可能な限りケアした状態で商談化して欲しい
・xxな企業は受注率が高いから積極的に商談打診して欲しい
・xxな企業はプロダクト的にもGAPが大きいから、急ぎ案件でない限り⚪︎⚪︎日のまで(新機能リリース日から逆算した日程)商談化待って欲しい

これらの取り組みを繰り返し行うだけでなく、複雑な案件に対してはインサイドセールスのメンバーがアサインしたフィールドセールスの担当と商談前に短時間の目線合わせの情報共有を行ったりすることで、商談数を大きく伸ばしながら案件化率を維持することができました。


15. FSからの商談FBの実施

THE MODELのような分業制の場合、インサイドセールスは商談の解像度が低かったり、徐々に下がることはよくある問題の1つだと思います。

弊社ではそうならないように商談実施後にフィールドセールスからFBをテキストでもらうフローを設計しており、自分が作成した商談の事前情報と商談で把握した内容の差異について・改善点を把握できます。

・インサイドセールスはxxだと思っていたが実際は△△だった。
・インサイドセールスは厳し目の商談と思っていたが実際はxxにニーズがあり進行できた。
・インサイドセールスがヒアリングしていたxxというニーズの背景は△△だった

などの商談情報を随時キャッチアップすることで、次商談作る際はxxを気を付けようという意識の醸成に繋がっています。


1年間の取り組みから得た学び

以上、hacomonoインサイドセールスチームでの「案件化率と受注率を下げずに商談数を191%増加させたhacomonoインサイドセールスの5つの課題に対する15の取り組み」について紹介しました。

今回の記事に記載した1年弱での取り組みからの学びは下記の3つです。


1. 裏技なんてない、当たり前水準上げること

今回の記事を読んでいただいて感じている方もいるはずです。

「長文書いてるけど特別なことしてないのでは?」

仰る通りです。そのことは私たちも重々承知しています。

私たちは決して特別なことは行なっていません。

データ分析も、訴求方法を一貫することも、商談化率の高いチャネルへのアプローチを増やすことも、フィールドセールスと商談振り返りをすることも多くのインサイドセールスチームが取り組んでいることでしょう。

しかし、そのインサイドセールスとしてのセオリーを高いレベルで取り組んできたからこその結果ではないかと思っています。


苦しい状況が続くと「現状を打破するすごい裏技がどこかにあるのではないか?」と情報収集をしたことがあるんじゃないでしょうか?

私たちも何か必殺技はないかと思い、社外からの情報収集も行いました。

しかし、裏技に出会うことはできませんでした。


そういったところから、裏技なんて存在しないから当たり前の水準を高め、高いレベルでの行動量を増やすことが成果に繋がることを学びました。

キングダムの壁軍のように基本に忠実にスピード感を持って実行できる組織が強いのではないでしょうか。


2.戦略の重要性

今回の記事で記載した取り組みを行う前は全リードに対して等しくアプローチを行ったり、どんなアプローチをするか?という戦術面の話しかなされていなかったりと、戦略が無い中で日々走っていたと感じました。

リソースは常に不足する。だから何に注力するか、リソースを集中させるか=戦略が重要である。戦略が間違っていなければ戦術ミスは修正できるなどの書籍に記載されている内容を身をもって感じました。

(最近、ほんの少しだけ戦略というものが分かってきたかもしれません)

これからも、成果を出すために何に注力し、何をやめるのか、戦略を明確にした上で、実行力の強いチームを作っていきたいです。

3. データは偉大

インサイドセールスとして商談化率の高いチャネルやCVPのリードにアプローチを集中させることは成果を出すための定石です。

しかし、データがなければ細かな分析をすることはできません。


データは偉大です。

データがなければ今の自分たちは存在していないのではないかと思います。

架電をしながら複数の項目を入力したり、指摘された入力漏れに対応したり、めんどくさいなと感じることは多々あるかと思います。

しかし、この1件の積み重ねが将来の自分たちを助けてくれます。

今、この一瞬だけめんどくさいなと感じ入力をサボることでの楽な状態と、正しいデータがあるから適切な意思決定を取ることができ成果に繋がっている状態のどちらがいいでしょうか?

言うまでもなく後者でしょう。


データは偉大です。細かいですが、コツコツ積み重ねましょう。

その積み重ねが資産となり自分たちを助けてくれるはずです。


これからのhacomonoのインサイドセールス

冒頭で述べたようにhacomonoのインサイドセールスは大きく2つのミッションがあります。

①主戦場であるフィットネス業界へのシェア拡大を加速させる
②フィットネス業界に次ぐ新市場の開発

2023年3月のシリーズBでの資金調達時のhacomonoの導入店舗数は3000店舗でしたが、12月4日時点での導入店舗数は4900店舗を超え、5000店舗が目の前のところまで来ています。

これまで主戦場としてきたフィットネス市場でのシェアもどんどん高まり、戦い方を変えていく必要性が出てきました。

これまでのデジタルマーケティングと電話やメール、オンライン商談などの空中戦に加え、パートナーセールスが行うアライアンスやリファラル促進の接近戦やオフライン施策を活用した地上戦などの重要度が高くなってきています(当然これまでの取り組みの磨き込みは超重要)。

パートナーセールスが開催するアライアンス企業とのイベント

これらに関しては今、まさに戦略を立案→実行し、新たなhacomonoとしての勝ちパターンの構築を行なっている最中です。


「既存施策の磨き込みと新たな勝ちパターンを構築し市場シェア50%に向けたスピードを上げる」

これがフィットネス領域でのインサイドセールスのミッションです。


そして新市場。

運動スクール業界での導入数は着実に伸びていますが、さらに大きく伸ばすために全社で仕込み中。

運動スクールといってもゴルフ・テニス・ダンス・サッカー・野球など各競技によって特有の運営方法などがあり、各競技毎にPMFに向けた取り組みを行う必要があります。

さらに運動スクールだけでなく、英会話スクールや学習塾などにも課題亜解決・価値提供の可能性を感じており、この領域にPMFができればTAM・SAMは大きく拡大します(運動スクール以上のインパクトも期待できる)。

このようにhacomonoはフィットネス業界に特化したバーティカルSaaSですが、次の成長に向けた仕込みを行なっています。

その仕込みを形にし、成長させていくための重要な役割を持っているがインサイドセールスです。

インサイドセールスが業界をセグメント分けし、仮説を持ってアプローチを行い検証、何度も何度もメッセージングを見直し、機能面のFIT&GAP、追加開発要望などを開発部署と連携します。

インサイドセールスという枠を超えて、事業と市場を作っていくのがhacomonoのインサイドセールスです。

市場拡大の可能性とチャンスは大いにあります


hacomonoは従業員が200名を超え、スタートアップの中でアーリーフェーズではないと思います。

実際に私がhacomonoに入社した2022年5月頃はインサイドセールス構築の最中でしたが、今回紹介した取り組みのようにある程度インサイドセールスとしての型はできてきました(今後の成長に向けた改善は日々試行錯誤中)。

これまで私たちはインサイドセールスという部署を構築するための取り組みを多くしてきましたが、今はただ有効商談を創出するだけでなく、これまで以上に市場を見て、事業を伸ばすための取り組みを行うマーケティング思考(戦略的に誰に・何を・どのように価値を届けるのか)の強い組織になってきました。

個人的にインサイドセールスとして最高に面白い経験をさせていただいていると感じており、難易度は高いですが最高に楽しいです。


インサイドセールスとして市場開拓を加速する仲間をhacomonoでは探しています。

この記事を読んで、hacomonoのインサイドセールスに興味を持ってくれた方は1度カジュアルにお話させてください!

YOUTRUSTX(Twitter)からご連絡いただけると幸いです。


最後に

これまでの取り組みを振り返りながらnoteを執筆していると1.8万字を超える大作になりました。

ご覧いただいた皆様、本当にありがとうございます。

今回の記事に記載した内容は当然ながら私ひとりで実行したものではなく、チーム全員で取り組んだものです(私が実行したのは一部です)。

そして、得られた結果はマネージャーと私以外の2名のリーダー、7人のメンバー、それにマーケティング・フィールドセールスの全員が必死に取り組んだ結果です。

いつも本当にありがとうございます。

とはいえまだまだ道半ば。もっともっと大きな山を目指して日々取り組んでいきましょう。


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