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【ウェビナー商談化率40%の裏側】〜5つの失敗とその乗り越え方〜

皆さんこんにちは!
ウェルネス業界特化型SaaSの hacomonoでインサイドセールス企画をしている大友です。

新卒では飛び込み営業から始まり、FS・ISを経験した後にコンテンツマーケへとキャリアを歩んでいます。

本日、リリースがあったようにhacomonoはシリーズCで38.5億円の資金調達を実施いたしました。

昨年3月のシリーズBでの資金調達以降、1年間で導入店舗数は約3倍の3,000店舗を超えました。チャーンレートはほぼ"ゼロ"をキープし、hacomonoとして大きく成長できた1年間でした。

また、私がhacomonoに入社してからも約1年が経過しようとしています。

当初はISのコールメンバーとして入社しましたが、現在はウェビナーやメルマガなどコンテンツ企画全般を担当しています。

ウェビナーでは月8本の企画 / 運営 / 登壇までを実施し、約半年間で登壇数は40回を超えました。また、ウェビナーからの商談化率はMAX40%を超え、流入後3年間経過したリードの掘り起こしにも成功。ISチームとしては1年間で商談数170%増加・案件化率10%が改善されました。コンテンツにより少しは貢献できたのかなと思っています。

ただ、これらの成果の背景にはいくつもの失敗があり、今もまだ改善に向けて取り組んでいるものもあります。

本noteではそんなウェビナーの5つの失敗乗り越えた過程やポイントをお伝えすることでIS・マーケ・ウェビナー担当者の力になれればと思っています。

本題に入る前にちょっとだけ告知!!!
TwitterではISやウェビナーに関しても結構つぶやいています。この投稿がいいなと思ったらフォローしてください!(筋肉ネタだけではありませんw)

また、いくつかウェビナー関連で取材を受けたりしています!
興味がある方は見ていってください!


インサイドセールスがウェビナーを実施した背景

そもそも、「インサイドセールス所属なのに何でウェビナーをしているの?」と気になった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
まずはその背景から説明していきます。

当初、ISの課題としては「流入からの商談設定はできるが掘り起こしができていない」状態でした。

また、コンテンツとしても顕在層にはアプローチできるが、まだ課題を認識していない潜在層に対してはアプローチできる手段がありませんでした。

コンテンツのポジショニングマップ

そこで、ライトに開催して効果検証を実行しやすいウェビナーをISとして開催することにしました。「コンテンツがないなら自分たちで作っちゃえ!」という感じですね。

ISで掘り起こしをしても「〇〇を解決できる〇〇な情報をお届けします!」みたいなトークができないとナーチャリングなんてできません。そのネタになればという思いから実行に移した背景です。

5つの失敗とその乗り越え方

お待たせしました。では、失敗と乗り越え方を紹介していきます。

▼ちなみにhacomonoのセミナーページはこちら


【失敗その1】目的がバラバラで落とし所のない動線設計

どの施策にも言えることですが目的が明確に定まっていないとその後の実行や振り返りが曖昧になります。
実際にhacomonoでもセミナーに「申込があったから」という理由だけでコールをして、工数が無駄になってしまったことがあります。目的が明確でなければ視聴者への落とし所も曖昧になるので危険です。

▼解決に向けて取り組んだこと
少なくとも企画毎に「認知獲得」「育成・課題喚起」「クロージング」の3つに目的を分けて実施をするようにしました。

ウェビナーの階段設計の考え方
ウェビナー設計の考え方(hacomonoバージョン)

また、目標の設計やISの行動も目的別に実施するように改善しました。極端な話、認知獲得を目的としたウェビナーにはコールをしません。アンケートも目的別に分けることで取りたい情報や成果の振り返りがしやすくなります。

特に共催ウェビナーでは目的が共催先の意向に寄ったりすることがありますが、自社独自の目的を必ず設定しています。

実際に商談目的のウェビナーの方が認知獲得のウェビナーと比較して2倍ほどの商談数を獲得できているので、成果の最大化と振り返りの質向上に繋がっています。


【失敗その2】ISのコール工数を考えた設計ができず商談数が低下

基本的にウェビナーを開催しただけでは商談を獲得することはできません。ISのコールを絡めた全体設計が大切です。

しかし、「コール工数が足りずに当たりきれなかった」「申込者全員にコールをするのは効率が悪い」とコールメンバーから疲弊の声が上がってきたことがあります。

商談を目的にしたウェビナーを企画するのであればISのコール工数から逆算した目標設計とISコールメンバーとの合意が必要不可欠だと気が付きました。

▼解決に向けて取り組んだこと
①コールto商談率の適正目標数値を把握する
②申込総数とアンケート回答数それぞれの対象リード割合を把握する
③目標商談数から割り戻して稼働コール数を計算
④稼働コール数と各フェーズの目標数の合意

目標商談数とコール総数の関係

ごちゃごちゃと書きましたが、一言で言うと「目標商談数から逆算してISの稼働工数とウェビナーの各フェーズの目標数値を決めましょう!」ということです。

※ここからは空想の数値を元に解説してます

①コール総数からの商談率は掘り起こしの精度を測るのに有効です。WPへのコールや過去の掘り起こし数値を元にコールからの商談率を把握していきましょう。1リードあたりに2.5コールすると推定してコールto商談率:10%を目標に設定すると仮定します。(掘り起こしであればどこの会社も5%〜10%に落ち着くのではと思っています)

②ウェビナーの申込者全員がコール対象になるのはほぼありえません。過去のウェビナー分析からアンケート回答から何%が対象になるのかを把握します。また、参加できなくても申込の時点で対象になっているリードもあるはずです。その数も仮説立てるとより精度が高くなります。
ここではアンケート回答からの対象リードは54%、参加できなかったが申込からのコール対象リードは5%と仮定します。(計算しやすいように空想の数値です)

③上記の仮定を元に目標商談数から割り戻して稼働コール数を計算していきます。

目標商談数:8件/コールto商談率:10%=80コール
→コールto商談率:10%で商談を獲得するためには80コール必要

④次に80コールをどこに配分するのかを計算していきます。

80コール/2.5コール=32件のコール対象数
・申込からのコール対象数=32✖️16%=5
・アンケート回答からのコール対象数=32✖️84%=27
※申込から16%、アンケート回答から84%の配分と仮定

・申込からのコール対象数5件/5%=100申込数
・アンケート回答からのコール対象数27件/54%=50アンケート数
→申込目標は100件、アンケート目標は50件が必要

以上のようにISのコールメンバーには「今回のウェビナーでは80コールを準備しておいてね。申込目標は100件、アンケート回答は50件を追いかけます。」と言う会話ができればベストかと思います。

この会話があるかないかだけで商談率は相当変わるのでやっていくのがオススメです。

【失敗その3】開催数に捉われて集客数が減少、企画者が疲弊してしまう

単純な話、開催数を増やせば増やすほど集客数は増えます。ただ、ウェビナーの申込はWACULさんの記事にも記載がありますがメルマガからの流入が8割を占めます。なので一定のダブりがありますし、開催数の増加だけに頼ると頭打ちになります。

実際に開催数を増やすと最初は良いのですが、集客メールが乱立して集客の威力が激減、企画している私も月に4〜5企画していたので工数過多になってしまいました。笑(自分で自分の首を絞める悪循環・・・)

▼解決に向けて取り組んだこと
・コンテンツロードマップを作成して刺さる企画を仮説立てる
・複数日程の提示をして1企画あたりの集客を取りこぼさない

大前提、刺さるウェビナーであれば集客が伸びますし商談率も高くなります。なので開催数に逃げるのではなく、企画の質を高くすることにフォーカスしました。
特に①の目的で言うと育成・課題喚起の部分に力を入れて企画をテコ入れしています。(現在進行形)
まずは方向性が定まらないと行き当たりばったりの企画になってしまうのでコンテンツロードマップを作成して土台となるカテゴリーを洗い出します。その後、そのカテゴリーを軸に顧客の課題解決になり得る情報は何か?を深堀していきます。

コンテンツロードマップの一例

ロードマップにより一本軸が通るので他メンバーとも共有しやすくなりますし企画の質が上がります。

また、SAIRUさんの記事にもあるように複数日程の提示は威力がある施策と見込んで実行に向けて動いています。
過去にアーカイブ配信を何度か試してますが刺さるウェビナーはアーカイブでも変わらず成果が出ています。

ビジブルさんの資料より抜粋

ウェビナー運用ツールを提供するビジブルさんの情報でも申込日数を複数日程で間口を広げると申込総数が1.5倍〜2倍増える試算があるようです。
(ビジブル堅田さんの情報は要チェックです)

なので全て新規でリアルに拘るのではなく、アーカイブ配信を上手く活用することがウェビナーの成果最大化への近道だと思います。
もちろん、リアル開催のメリットや威力はもの凄いのでこの辺り色々検証できたらまたnoteでまとめます。

【失敗その4】ネタ切れで同じ企画が乱立してしまう

毎月違う企画を考えるのは難しい・・・・
ウェビナーを始めたばかりの頃はそんな思いで頭を悩ませていました。
特に自社単独開催だと工数もかかってしんどいですよね。

▼解決に向けて取り組んだこと
①講演をしていただく共催ウェビナー
②導入企業様に登壇いただく事例ウェビナー
③質問多めのディスカッション形式ウェビナー

パターン別のウェビナー

自社ウェビナーだけでは企画が頭打ちになるので共催ウェビナーを取り入れました。ただ、バーティカルSaaSなので一般的な共催ウェビナーだと双方のターゲットがマッチせずお互いが不幸になってしまいます。

そんな中注意しているポイントとそれぞれの取り組みを紹介します。

①講演スタイルのウェビナー

①従来より開催してきたhacomonoで解決可能な無人/省人運営や他店舗運営に関するセミナーに加え、上記のようなhacomonoでは解決できない集客や税務面に関するセミナーも開催するようにしました。スタイルは名前の通り共催先の企業様に講演いただき、hacomono側で司会をする形式です。「集客に困っているタイミング」「事業計画を検討していたタイミング」などのタイミングキャッチを図ることができ、ISの有効な掘り起こし施策としても機能しています。もちろん、③にて先述しているロードマップに沿った企画です。

②スキマゴルフ様に登壇いただいた導入事例ウェビナー

②導入事例を自社単独で話している企業も多いですが、実際の導入企業の方にお話いただいた方が100倍威力あります。(すみません、盛りました。)
内容としては導入企業様が取り組む実践論(コンセプト設計や集客ノウハウ)をお話いただき、後半にhacomonoの活用事例や導入の背景、今後取り組みたいことを深堀する感じです。
また、活用事例だけを説明するのではなく、その店舗様が取り組まれている運営ノウハウまでお話いただくのがポイントです。営業感が出ず、単純に役立つウェビナーとして満足度は高いです。実際に成功している店舗の取り組みは喉から手が出るほど知りたいですからね。
先方とのディスカッションや事前資料の準備は大変ですが取り組む価値のある企画だと思っています。

③質問多めのディスカッション系ウェビナー

③講義スタイルのウェビナーは役に立つ場合もありますが、つまらなく飽きられる可能性があります。ウェビナーの1番のメリットは態度変容。つまり行動を促すことにあります。その利点を使わない手はありません。講演をしていただくだけでなく、視聴者からの質問を積極的に拾い上げたり、視聴者の声を代弁して講演者に質問する形式を実践しています。
実際に1つのウェビナーで30件以上のQ&Aをいただき、とても満足度と商談率の高いウェビナーを設計することができました。
双方向の会話、コミュニケーションを意識した企画設計もかなりオススメです。

【失敗その5】部門毎にウェビナーが企画されて顧客体験が落ちる

これはhacomonoが1年間で100人程増加して組織が急成長しているからこその特徴でもありますが・・・

ウェビナーはPDCAを回しやすく安価な費用で開始できるので、IS、マーケ、エンプラの3部門がウェビナーを企画するようになりました。
当初は目的別に認知獲得はマーケ、育成・課題喚起はIS、顧客のリレーション作りはエンプラのように役割分担をしていたのですが、段々と「テーマ感が被ってしまう」「セミナー全体の顧客体験を意識できない」「回数が多く集客数が減少してしまう」などの課題が生まれてしまいました。

▼解決に向けて取り組んだこと
・各部門のオーナーを中心に「hacomonoセミナーチーム」を発足

オペレーションの管理などは定例を設けて行なっていましたが、オペレーティブな部分の連携だけでは事業インパクト結びつかないと言う判断になりました。結論、セミナーは企画からひとつのチームとして動けるようにした方が良いです。下記画像のようにそれぞれの目的とKPI、課題と理想状態まで共有して深く議論した方が良いです。

各部門の目的とKPI整理

部門が異なると新規リード獲得、商談獲得、関係性構築などそれぞれ追うべきKPIが異なりますが、一つひとつの企画インパクトを最大化できれば各々の目的は果たせると思っています。

特に商談数を追うためには申込時の設問を工夫して、申込の段階で当たるべきリードをセグメントできる状態にすれば新規リードからも商談獲得が狙えます。

コンテンツの軸はチームで一本筋を通し、各部門の目的達成のためにプロモーションを工夫する方法が今のベスト案だと思い実行中です。

1つの企画に一喜一憂しないこと

以上、ウェビナーの5つの失敗とその乗り越え方をまとめました。

  1. 目的がバラバラで落とし所のない動線設計

  2. ISのコール工数を考えた設計ができず商談率が低下

  3. 開催数に捉われて集客数が減少、企画者が疲弊してしまう

  4. ネタ切れで同じ企画が乱立してしまう

  5. 部門毎にウェビナーが企画されて顧客体験が落ちる

これまで数々のトライ&エラーを繰り返してきましたが、これだけは確信をもって言えます。コンテンツ施策、特にウェビナーは連続性の賜物であり、中長期目線で考える必要があります。

そもそも、どれだけ広告予算を投資するか?どの内容のウェビナーが自社のターゲットに刺さるのか?どのキーワードが響くのか?など不確実要素が多いので、ぶっちゃけやってみないとわかりません。そしてたった数回の開催頻度では方向性が見えてきません。

まだやったことがない方、そしてこれから強化していこうとしている方はスモールスタートで始めて、ぜひ長期目線で戦略立てて実行して欲しいなと思います。

1つの企画に一喜一憂せず、その企画から学び、顧客への提供価値を最大化させる。そんなウェビナー運営ができると理想ですね。

このように、多くの学びがあった1年間でした。

そして、hacomonoが今後も大きく成長できるようにインサイドセールスチームも成長していきます。
インサイドセールスチーム全体の取り組みに関しては樋口の記事をご覧ください。


最後に・・・

hacomonoのインサイドセールスは今面白いフェーズに入っています。hacomonoに興味を持った方は私のTwitter採用サイトより気軽にご連絡ください!
特にコンテンツマーケとして一緒に施策を回してくれる人は泣いて喜びます!


また、ウェビナーやコンテンツ施策全般に関して「相談したい」「壁打ちをしたい」と思っている方も気軽にご連絡ください。

今までの経験から何かお役立ちできることをお伝えできればと思います!
後は単純にウェビナーに関わっている方と情報交換をできれば嬉しいです。

今後も皆さんが知りたい情報や私自身、悩んで解決したことを発信できればと思うので楽しみにしていてください!


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