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営業はどこまで首を突っ込むべきなのか。

埼玉県朝霞市の花火大会で、打ち上げる会社さん(業者という言い方が嫌いなので、こう表現します)が、花火を積んだトラックが間に合わないということで、大会が11月に順延されたそう。当日は有料の観覧席もあり、会場は大混乱に陥ったそうだ。

花火屋さんは「間に合わない」という連絡を、大会開始30分前に市の実行委員会に入れている。これは明らかにビジネスとしては最低のレヴェル。明らかに軌道修正のきかない時間帯、もっと早くに連絡を入れるべきだった。

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この記事を見て思ったのは、発注者である市(の担当者)は、進行管理にどこまでコミットしていたのだろうか、ということ。花火屋さんの所在地は同県秩父市で、会場となる朝霞市までは1時間40分ほどだ。


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ということは、設営の時間も含めると、13時や14時あたりに秩父を出発するのが妥当なタイムスケジュールだろう。そして「今から向かいます」や、「交通渋滞があり予定より30分ほど遅れそうです」など、搬送状況の進捗報告を受けるべきだったのでは。記事を見る限りそれがなされていたかどうかは不明ですが。

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誰かに何かを頼んだ時、納品されるまで「じゃあ、あとはよろしく」と言えればそれは最高の仕事だと思う。ただ、そういうことはまずない。少なくとも自分の社会人経験(24年くらい)ではなかったと思う。

相手に嫌がられようが、ことあるごとに進捗を尋ね、状況を確認する。それぞれの専門領域があり、相手が大丈夫と言っていればそれを信じるしかないのだが、傍目に見ても危険だなと思った時は、こちらの提案を申しいれ、時には強制力を発揮し、新たな業務を履行してもらう。

「あの人はいつも口出しをしてくる」と嫌がられているのを感じることがある。ただそれは、誠に申し訳のないことだけど、だったら不安を感じさせないように段取りを明らかにして欲しい。

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万が一のことは起こりうる。「起きちゃったことはしょうがないじゃん」というのは簡単だ。たとえば屋外の撮影案件で雨が降り撮影が実行できない時、空に向かって怒っても仕方ない。ただ、「雨が降った時にどうするのか」を考えて準備しているのと、していないのでは、全く結果が異なる。

心配したり、不安になるのは、それだけ責任を感じているからです。呑気に構えている人には、責任を感じません。

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リスクヘッジ(言葉の知名度とは裏腹に実行度が極めて低い皮肉なキーワードだと思っている)発想をしない人があまりにも多くて、辟易している今年の夏のお仕事です。


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読書好きが高じて書くことも好きになりました。Instagramのアカウントは、kentaro7826 です。引き続きよろしくお願い申し上げます。