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欧州旅行記2024 ロンドン編1 完全キャッシュレス&レミゼ観劇の巻

10泊13日のヨーロッパ旅行に行ってきました。
海外旅行は5年ぶりで、主な行先はロンドン&コッツウォルズに6泊、パリ2泊、バルセロナ2泊。過去の海外旅行は添乗員同行のパックツアーにしていましたが、今回はすべて自分で調べて予約する個人旅行。
各地の情報は検索すればいくらでも得ることができるものの、それぞれの土地の空気を感じたり体験したりすることは、直接現地に行かないと決してできません。
欧州の3つの国を自分の目で見て回り、様々な史跡、名所、観光地を訪れる機会を持つことができました。これらはどれも素晴らしく日本では得難い体験で、心底楽しめました。
他方で、物価高と円安による日本の相対的な国際的な地位の低下と貧しさを衝撃的なレベルで痛感する旅でもありました。道中の出来事や感じたことを記憶が薄れる前に記録しておきます。


現金はもういらない

少なくともロンドン、パリ、バルセロナにおいては、現金はいくら持って行けばよいか、考える必要はもうなくなったといってよい。今回の旅行で現金が必要になることは一度もなかった。
僕が利用した店舗で、VISAカードが使えないお店はゼロ。
チップは、カードでの支払い時にサービス料として既に上乗せされていることがほとんどで、渡す必要があるかどうかを自分で考える必要がない。
まれに、上乗せするサービス料の料率を自分で選択する場合があるが、それもカード支払いに含まれるので、現金の利用シーンはない。
公衆トイレには有料のところがあるものの、僕が利用したところではカード支払いができるようになっていたので小銭も不要。
成田空港で日本円からポンドとユーロにそれぞれ5,000円分だけ両替したので、使い切るためにカフェなど現金で支払ったことがある程度。

ドバイのカフェは1人4,000円

成田からロンドンまではドバイ経由のエミレーツ航空。トランジット2時間を含め22時間。ドバイまで12時間、その後8時間。ひたすら長く遠い。
機内で映画を4本観た。『Steve Jobs』『ダウントン・アビー/新たなる時代へ』はよかったな。

乗り継ぎで立ち寄ったドバイ国際空港は巨大。国際線ターミナルが3棟ある。エミレーツ航空の乗り継ぎは同じターミナル内だったが、専用の無料電車に乗って移動した。

ドバイ国際空港はあらゆるものが巨大

空港内のカフェでとった朝食が2人で199AED。初めて見た通貨でレートも分からずカードで支払ったが、後で調べたら通貨単位はUAEディルハムで1AEDあたり約40円、つまり約8,000円だった。食べたのはサンドイッチ&サラダのプレートとコーヒーだけだよ…。

このプレート1つで2,000円、コーヒーと水が各1,000円。

注文時に水が欲しいか聞かれたので頼んだらそれが1,000円。ああ、海外では水もお金がかかるのだった。この時点ではまだ日本の感覚が抜けてなかったな。カフェで海外の洗礼を受ける。

エミレーツ航空は今回初めての利用。
予約から搭乗に至るオンラインの手続きがスムーズ。アプリもあり、搭乗から48時間を切るとオンラインでチェックイン手続き可能。座席の指定もできる。空港のスタッフやキャビンアテンダントも丁寧で何の不満もなかった。安定と信頼の航空会社という印象。

ロンドンの公共交通機関の決済は世界最先端

地下鉄とバスはスマホのみで乗れる

ヒースロー空港に無事到着し、預けていた荷物を回収。
2022年に開通したエリザベスラインでホテル最寄りのFarringdon駅まで36分。ロンドンの交通機関の決済まわりは非常に優れていて、切符を買う必要がなくクレジットカードのコンタクトレス決済(日本でいうタッチ決済)で改札を通過できる。
僕は普段の買い物もスマホでGoogleウォレットにVisaカードを登録してタッチ決済を利用しているので、クレカを出す必要もなくスマホのみで完結できる。超便利。
しかも、1日あたりの上限金額が決まっており、それ以上は運賃がかからないので、細かい選択肢を考える必要もない。
ロンドンには、「オイスターカード」と呼ばれる日本のSuicaと同様の仕組みがあるので、旅行時はそれを買うことを勧めているロンドン情報サイトの紹介記事を見たが、物理カードは紛失や盗難の恐れがあり、チャージが必要であることも踏まえて考えると、2024年の現時点ではもはや不便で時代遅れだと思う。
紙の切符と比較したオイスターカードとクレジットカードの割引率も同等なので、わざわざオイスターカードを使う金銭的なメリットもない。

Farringdon駅前

Google Mapは必須ツール

今回の旅ではGoogle Mapに本当にお世話になった。
現在地から行きたい場所をGoogle Mapで検索して、結果に表示された経路で地下鉄やバスに乗る。ロンドン、パリ、バルセロナはいずれも公共交通機関が発達しており、地下鉄やバスでの移動がしやすい。
ロンドンでバスを乗りこなせるのはGoogle Mapがあるおかげだ。何番のバスに乗ってどこで降りるかということは、初めて見る路線図ではとても理解しづらいだろう。
自分が今どこにいて、どの経路が一番早いか、どういう選択肢があるか、即座に示してくれるのはありがたい。

チューブについて

ロンドンの地下鉄は「チューブ」と呼ばれ、車両もアーチ形の円形だし、プラットフォームや乗り換えの通路も天井がアーチを描いている。統一感があって美しさを感じる。車内は昔の丸の内線のような狭さがあるものの、特に危険を感じるようなことはなかった。

エスカレーターの天井までアーチ型

駅構内の案内は明快で分かりやすい。出口のマークは「WAY OUT」が黄色で光っているので迷うことはない。
駅に設置されているエスカレーターは日本に比べてかなり高速で、初めて乗ると驚く。片側を開けるルールがあり、ここでは右側に立つ決まり。実際、右側に立つことを促すパネルが設置されている。
でも東京にいる時の癖で、気をつけていないと左側に立ってしまう。

大英博物館へ

宿泊先のHatton Garden HotelはFarringdonから徒歩4分。

Hatton Garden Hotel前

チェックイン時間の14時より少し前だったが部屋に入れてもらえる。都心のビジネスホテルという感じで、必要最低限のものが揃った清潔な部屋。スーツケースを2つ広げて置けるスペースもある。
食堂はないが、隣にCOSTAコーヒーがあるし、近隣にカフェも多いので、朝食に困ることはなさそう。

シンプルで清潔な部屋

荷物を置いて大英博物館へ。
ここで赤いロンドンバスに初乗車。コンタクトレス決済が使えるのは便利。

British Museum(大英博物館)

14時50分に予約していたが、入場時にチケットを求められることはなかった。大英博物館は無料(寄付は求められるが、しなくても入れる)なので、空いている時間帯は制限なく入場可能にしているのだろう。
荷物検査のみ通過して館内へ。

大英博物館ロビー

休憩らしい休憩なしでここまで一気に来たので、少し落ち着きたいということになり館内のカフェへ。Cream Teaというセットがありそれを注文。クリームティーとはAfternoon Teaの簡易版で、スコーンと紅茶のセットにクロテッドクリームとジャムが添えられているもの。24.2€(4,730円)。

クリームティー。食器がオシャレ。

イギリスらしさを味わいつつ16時過ぎまで休憩し、さあ行くぞとモアイ像やロゼッタストーンを見ていたら退場の案内が。なんと、大英博物館は17時までだった。なんとなく夜までやっているような気がしていた。

大英博物館前の道

ベーカー街&ナイトバスツアー

19時に予定していたNight Open Top Bus Tourの主催者からメールで連絡が来る。予期せぬ都合により19時開始が20時に変更になったとのことで、20時に参加するか別の日に変更するか、あるいはキャンセルするかを選んでする返信せよという。予期せぬ都合ってなんだ。運転手の体調不良とか?
ツアー当日に変更ってよくあることなのかな。取り急ぎ20時に参加する旨で返信。

少し時間が空いたのでベーカー街へ向かう。

シャーロック・ホームズ像

ホームズ像とベーカー街の雰囲気だけ感じたくて。
Baker Street駅は、シャーロックの影をモチーフとした絵が描かれている。

Baker Street駅

ナイトバスツアーの集合場所はWaterlooの駅近く。Fishcothequeで熱々のフィッシュアンドチップスをさっと食べて集合場所に向かう。
ロンドンの街を巡るバスツアー。

2階建てバスから見るロンドンの街並み

風を切って走る2階建てのオープントップバスは、ライトアップされた建物や街並みを見ることができて楽しかったが、吹きさらしの2階で2月のロンドン。コートの下にウルトラライトダウンを着込んでいたが、それでも凍える寒さ。

夜のビッグベン

前半は興奮して写真を撮りまくったものの、後半は早く終わってくれとひたすらそれだけを願っていた。

なんだか分からないがライトアップされている建物

90分の予定だったバスツアーは60分ほどで終了。バスがまるでアトラクションのように飛ばしていると思ったが、1時間遅れで始まったこともあり、主催者も早く終わらせたかったのかもしれない。
こうしてロンドン初日は無事終了。

バッキンガム宮殿へ

ロンドン2日目。
朝食はホテル近くのPrufrock Coffee

分厚いベーコンの乗ったエッグベネディクト。めちゃうまい。

エッグベネディクトもコーヒーもおいしく、スタッフもフレンドリーで素晴らしい。すぐ裏手にこんなにいい店があるとは。(とはいえ、2人で30£(5,800円)なので、後からまともに考えれば毎日気軽に使える店ではない。)

支払い時、スタッフに今日はどこに行くのと訊かれて、ケンジントン宮殿と答えたら、「いいね、楽しんで!」と言われたが、実際に行くのはバッキンガム宮殿だったと後で気付いた。
地下鉄でChancery Lane駅から乗り換えを挟んでGreen Park駅まで。
グリーンパークを抜けて10時半頃バッキンガム宮殿に到着すると、既にかなりの混雑。衛兵交代式は11時からなので、できれば10時前には到着しておくべきだったが、朝食のカフェで思いのほか時間をかけてしまった。
門の前のロータリーの右コーナーを確保したのでパレードは見られそうだと思ったが、ブラスバンドの行進ルートは左回りでよく見えず。騎馬隊は右回り。

騎馬隊の行進は目の前で見られた。

衛兵交代式は45分程度あり、後半は帰る人もいるので、後ろの方にいても根気よくいればじりじりと前方を狙うことは可能。

様式美

段取りやルートの細かいことは分からなくても、一糸乱れぬ様式美は魅力であり、一見の価値はある。日本人にもこういう美しさを感じる部分があると思う。

Fortnum & Mason ~ Worseley

フォートナム&メイソン外観

徒歩で移動し、百貨店のフォートナム&メイソンで知り合いに頼まれたジャムを購入。Strawberry Champagneのジャムは、オンラインでは買えないオリジナルだそうで。自宅用にもジャムと紅茶をいくつか見繕って購入。

店内の吹き抜け

14時半、ランチに予約していたWolseleyに到着。
ここはリッツホテルの隣に位置するドアマン付きの格式高いカフェ&レストラン。ドアを開けてくれたのは老紳士。築100年の歴史ある建物で、高いドーム型の天井を持つ。華やかな雰囲気ときびきびと動き回る洗練されたスタッフ。
カメラを持って行ったら、店内は写真を撮らないよう入り口で言われる。ただ、周りのお客さんの様子を見ると、スマホで自撮りするくらいなら大丈夫そう。

前菜、メイン、デザートから成るコース料理を注文。
イギリスの料理はイマイチと聞いていたが、前菜の「Leek and Potato Soup(ネギとじゃがいものスープ)」は、これまでの人生で一番といっていいほどうまいスープだったよ。

メインの白身魚のソテーは、焼き目も美しく味付けも完璧。

焼き目も美しく味付けも完璧

ただ、デザートの塩キャラメルエクレアは日本人には甘すぎるかも。
お会計は2人で73£(14,000円)。

Les Miserables観劇

夜は Sondheim Theatre(ソンドハイムシアター)へ。

Sondheim Theatre(ソンドハイムシアター)前

最前列の席を予約してLes Miserablesを観劇。
心底素晴らしかった…!これを観るためにロンドンまで来る価値がある。役者陣の圧倒的な歌声と表現力に加え、それほど広い舞台ではないにもかかわらず、演出や場面転換が見事で狭さを全く感じさせない。
英語なので細かい言い回しに理解できない部分はあるものの、流れは十分理解できて楽しめるし、群像劇に引き込まれた。

とにかく役者一人ひとりが本当に魅力的。ジャベール刑事の冷徹さと太い歌声、ジャン・バルジャンの人間臭さ、革命軍のリーダー役アンジョルラスの力強さ、ファンティーヌのやるせなさ、コゼットの純真さ、テナルディエ夫妻の強欲さ、エポニーヌの一途さと報われなさ…、とにかくすべての人物がそれぞれをひたすらに生きていた。感動で何度も鳥肌が立った。
役者陣は毎日この人生を繰り返しても自身の感情が擦り切れたりしないのだろうか。そんな心配をしたくなるほど圧巻の舞台。

ソンドハイムシアターは内装も素敵

帰りに通りがかったハリーポッターの劇場。

Harry Potter劇場

こうしてロンドン2日目も無事終了。21,000歩。よく歩いた。
続きはこちら。明日はコッツウォルズ地方に向かいます。


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