欧州旅行記2024 バルセロナ編1 癒やしのサグラダ・ファミリア
欧州旅行記8話目。パリ3日目の朝からスタートです。
ひとつ前の話はこちらから。
パリ脱出
3月6日、旅程10日目。
この日はパリを出て、飛行機でバルセロナに向かう予定。
前日スリ未遂に遭ったこともあり、なんだかパリの街が怖くなってしまった。その場で助けてくれた人もいるし、あちこちで接する人たちが基本的にはいい人だと頭では分かってはいるものの、わずかな隙も狙われると思うと、身体から緊張が抜けない。
パリはロンドンとは違い、自分の中であまり馴染めないまま過ぎてしまった。もう他所者のままでいいから、平穏にうちにこの国から脱出したい、そんな心境。
朝食を終えてチェックアウトの準備をしていたら、突然の停電。
2,3分で復旧したが、ホテルからのアナウンスは特にない。初日に駅のエスカレーターが動いていなかった件といい、フランスの生活インフラは他の先進国と比べてやや脆弱なのかもしれない。
朝9時にチェックアウトして、前夜フロントにお願いしておいたタクシーに乗り込む。もはやフランスという国そのものに対して疑心暗鬼になってしまい、タクシーがちゃんと空港に向かっているのかすら心配。
Google Mapをスマホで注視しながら、正しく空港に向かっていることを確認する。市内が渋滞しており想定より時間がかかったものの、結果的には大勢に影響なくシャルル・ド・ゴール空港に到着。
バルセロナまではエールフランス(Air France)航空を利用。
こちらもエミレーツ航空同様、アプリで事前のオンラインチェックインが可能。スタッフも丁寧でスムーズ。特段の不満なし。
春のスペインに降り立つ
スペインの陸地が見えてきて、ほっとした気持ちになる。
バルセロナ=エル・プラット国際空港に到着すると、今回の旅行で見たことないようなカラっと晴れた空が見える。空港に降り立った瞬間、春のスペインの陽気を感じて不安感が消え、一気に気分が明るくなった。
ロンドンは最高気温8℃程度、パリは10~12℃程度で明らかに冬だったが、バルセロナは15℃~17℃。冬のコートでは暑すぎるほどの気候だ。
まずは空港のカフェで腹ごしらえ。イベリコ豚のバゲットを注文。
コーヒーを付けて14.5€(2,380円)は、ロンドンやパリと比べて若干安いかな?という程度で、カフェの価格は大差ない印象。
バルセロナはどこにいってもイベリコ豚のメニューがあり、どこで食べてもうまかった。
バルセロナの交通手段について
バルセロナ空港から市内まではAerobus(アエロバス)と呼ばれる直通バスが出ている。カタルーニャ広場まで約40分。ホテルまではそこから徒歩5分。
今回、バルセロナ市内の移動には、公共交通機関(地下鉄&バス)の48時間乗り放題と空港往復の直通バス料金が含まれているチケット「Hola Barcelona 48h + Aerobús」を利用。
初回、地下鉄の券売機で物理カードを発券する必要があるものの、毎回切符を買う必要がないので、この方法がバルセロナでは最適解と判断。
券売機には13桁の予約番号を入れる必要があるが、駅でトライしたらその画面に辿り着く方法が分からない。パリで失敗した教訓もあり、無理に自力で頑張ることなく、早々に駅のスタッフに問い合わせて発券まで手伝ってもらう。
「十分に気を付けて下さい」
無事に発券後、そのスタッフは両手の人差し指を左右の目に向け、注意を促すサインで送り出してくれた。気を付けます…!
エル・アベニーダ・パレス
バルセロナで2泊お世話になる宿、El Avenida Palace Hotel(エル・アベニーダ・パレス・ホテル)にチェックイン。ビートルズも泊ったことがある由緒あるホテル。
市の中心部にあって、観光施設へのアクセスも便利。
部屋の鍵がカードキーではなく物理キーで、外出する際に鍵をフロントに毎回返却するシステム。
スタッフは、たった一度会っただけで僕らの顔と部屋番号まで覚えてくれた。驚くべき記憶力。毎回そんな神業を披露しているのだろうか。
また、朝食の時間などの説明を一通り終えた後、「屋上テラスの景色がいいから行ってみて」と言ってくれた。
癒やしのサグラダ・ファミリア
16時にサグラダ・ファミリアを予約しているので、身支度を整えて出発。
地下鉄の最寄り駅まで徒歩3分、サグラダ・ファミリア駅まで乗車時間4分なので移動も楽でよい。
改札を出て地上への階段を抜けるとそこは…!
サグラダ・ファミリアがすぐそこにある。圧倒的な迫力。
外観もすごいが、大聖堂に足を踏み入れると、そこは見たことのない神秘的な光が満ちていた。高く太い柱は枝分かれする大きな樹木のようで、自分が深い森にいるような感覚に襲われる。
サグラダ・ファミリアは、人類による建造物として最大の偉業ではなかろうか。
夕方に訪れたので、西日の強く差し込む面はステンドグラスを通じて煌めく光であふれていた。この写真は誇張でもなんでもない。
一般的な教会のステンドグラスは暖色と寒色が入り混じっているが、サグラダ・ファミリアは光のグラデーションが美しく、魂が癒されるような空間。
聖堂内は観光客が多く、一定のざわめきがあるものの、中央には座席が多く設置されており、多くの人が時間をかけてくつろいだり祈りを捧げたりしていた。
東側は寒色系の光。夕方で太陽が当たる時間帯ではないが、それでも十分に美しい。
壮大さと自然の光が織りなす美しさ、そして神々しさは、言葉や写真をもってして表現することはかなわない。この光の中にずっと身を置いていたい。そう感じさせる神秘的な空間だった。
この10日間で様々な歴史的な名所を見て回り、それぞれに素晴らしさや偉大さを感じたり体験したりしてきたが、ここで得られた深く染み入るような感動を上回るものはない。
オプション料金を払うと、さらに塔の見学が可能。エレベーターは7人乗りで、観光地のものとは思えない狭さだなと思ってから気付いた。そうだ、ここは建築中の教会だった。
エレベーターを下りて階段を少し上るとちょっとした展望台があり、やや狭い隙間から街の景色が見えたり、隣の塔のオブジェであるブドウやイチゴがすぐ近くに見えたりする。ただ、視界があまり開けていないので、大聖堂だけで十分だったかも。
帰りは狭い階段を下るか、途中のエレベーターから下りてもよい。
僕らはその日の最終に近い時間帯だったせいか、階段を下りていたら途中でしばらく立ち止まっていても前後に全く人の気配がない。下層階はだんだん薄暗くなってきて、閉じ込められたりしないかとちょっとドキドキした。
本場スペインのパエリア
サグラダ・ファミリアを堪能した後は空腹。
海鮮を使った料理が食べたい。その近くを歩いて見付けたレストラン(La Bendita)に入り、豚とイカのパエリアなどを注文。
本場スペインのパエリア。イカもしっかり入っていて、申し分なくおいしい。スペインでは、一般的なディナータイムが夜9時以降らしく、僕らが入った時間帯はガラガラ。夜7時台では閉めている店も多いとのことなので、開いていてラッキー。(2人で7,800円)
ホテルに戻った後は、チェックインの際に教えてもらった屋上のテラスへ。
わーお!これは素晴らしい。
バルセロナの夜景と、遠くにライトアップされたサグラダファミリアが見える。夏はプールとバーも営業している様子。夏も来れたらいいだろうな。
幸せな気分で眠る。13,400歩。
おやすみなさい。
次回はカサ・ミラ、ボケリア市場に向かいます。
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