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フィルムカメラの魅力を語る②

さて、フィルムカメラの話の続きを。

前回フィルムに色々な種類があり、選ぶ楽しさがある、という話をしたのだが、これにはもう一つ変わった楽しみ方がある。

以下のサイトでは使用期限の切れたフィルムだけを販売している。

使用期限が切れたフィルムが使えるのか、という話なのだが、よっぽどでない限りは問題なく使える。しかも、経年変化により、元のフィルムにはなかった色味だったりノイズが載ることで、完全に唯一無二の個性が生まれる。

撮影する際には期限が切れてからどのくらい経ったかに応じてカメラ側の設定をいじる必要があるし、出どころ不明のフィルムだと現像機を壊してしまう可能性があるためショップで取り扱ってくれないなどの一手間&リスクはあるが、世界に一つしかない個性を持つフィルムで撮影するワクワク感はたまらない。

期限切れフィルムの手に入れ方として、先のようにオンラインで買う、という方法の他に、フリマで探すという手がある。

ヨーロッパではフリーマーケットの文化が根強い、というのは本当で、ロンドンならポートベロマーケット、ベルリンならマウアーパークマーケットなど毎週開催されるフリマが各都市にある。

ベルリン、マウアーパークのフリーマーケット

ロンドンに住んでいた頃、時間がある時や旅行した際にはよくフリマに出向き、期限切れのフィルムやレンズを探したものだ。


さてそのレンズ。

まず前提知識として押さえておかないといけないのが、どんなレンズでも使えるわけではない、ということだ。想像に難くないだろうが、各メーカーで取り付けの形状(マウントと呼ぶ)が異なっているため、違うメーカーのレンズだと取り付けられない、ということがある。

メーカーが違っていても規格が同じことや、アダプターを使うことでマウントできるようにする、といったことも可能ではあるが、レンズのマウントはまず最初に確認しないといけない。

僕が使っているCanon AE-1というモデルはCanonが開発したFDマウント、という規格を使用しており、このマウントのレンズでないと使えない。

レンズを選ぶ際にまず初めに気にするのは焦点距離だ。Canon AE-1の場合、標準で装備されているのは焦点距離50mmのレンズで、これはとても万能で使い勝手が良く、これで困るシーンはあまりないのだが、困ることがないこともない。

例えば被写体が大きい一方で被写体との距離を取ることができない場面、具体的にはストリートアートを狭い道で撮る、というシーンを想像してほしい。50mmのレンズだと被写体を画角に収めることができない、といったことがある。

こんな時に重宝するのが焦点距離が短い、いわゆる広角と呼ばれるレンズだ。超広角カメラを搭載しているiPhone11以降を使っている人はカメラを開き0.5倍を押すと広角で撮れることを思い出してほしい。僕は35mmのレンズを持っており、こんな時にこのレンズを取り出すと被写体をしっかり収めることができる。

また広角レンズは特有の歪みにより写真の外側が暗く映る、ビネット効果が出ることがあり、これもまたいい味を出す。

(中心に比べて外側が暗くなっている)

逆に遠くの被写体を撮りたい、というときに持ち出すのが焦点距離の大きいレンズ、望遠レンズだ。木に止まっている鳥や遠くのランドマークなどを撮りたい時に重宝する。

しかし実際に望遠レンズを使うシーンとして多いのはポートレートを撮りたい時。

ポートレートというのは被写体にクローズアップした写真のことで、この時見る人の注目を被写体に集めるために背景をボカした写真にしたい。

(被写体の後ろがボケている)

この背景のボケ、というのをどうやるかというと、被写界深度、という話を持ち出さないといけないのだが、この話の続きはまた次回にしようと思う。

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