「人材紹介のエージェントは無力である」と考えることの効用
私は「スタートアップ×人材紹介」の仕事に従事しており、12年が経ちました。今も変わらずやり甲斐を感じており、一生この仕事を続けていきたいと考えています。
以前、「人材紹介における売上が先かモラルが先か」「上手くいかないことの方が多い、人材紹介の向き合い方」を書かせていただいたのですが、簡単に言うと
という話であり、「組織として」この事業づくりをどう考えていくべきかというところにフォーカスしていました。
今回はその前提で「個人が」持ち合わせていると有意義なスタンスが、タイトルにある「人材紹介のエージェントは無力である」という考え方です。
※当然、プロフェッショナルとしてのプライドは持ち合わせた上でのそのスタンスです。
無力だと認識することで、やるべきことの解像度を高め・継続することがより可能になる、そして良い効果がレバレッジとして効いてくる。というお話です。
改めて人材紹介事業は
この仕事は、企業が複数回の選考を経て内定を出し、候補者の方が内定承諾をするか否かで実績が決まります。その場面で自分たちが意思決定をすることは無く、主役は企業と候補者の方であり、強いて言うならば自分たちはあくまで「黒子」ということです。
黒子として最適な場づくりのためにやるべきことを徹底して行う、その積み重ねで成約が生まれ、その先の良好な関係性が入社後のフォローへ繋がっていきます。
つまりは、熟考された行動目標(やるべきこと)を追うことで結果目標(成約)に近づくという考え方が成立し、そこには再現性が付いてきます。行動目標クリア→結果目標へ です。
逆に結果目標に主眼が置かれがちな場合に起こること
人材紹介で言うシンプルな結果目標=成約かと思います。
そこを焦ってしまうと、我武者羅に結果を求めてしまい再現性の無い中での業務が続き、不安が継続してしまいますよね。
ここで結果目標だけを追ってみましょう。(だけを追うので、細かい話は抜きです。)エージェントとして行き詰まるとどうしても下記のような話に陥りがちです。
「とにかく行動をする、行動量で頑張る、ダメでももう一回頑張る。」
時間軸は置いておいてこれをやり続ければ、きっと成約は生まれます。しかし、何がどうなってそうなったのか?は何となくで、振り返りができません。
これをやり続けると再現性をつくることができないだけでなく、ただひたすらやらなくてはいけなくなるので、段々と疲れてきてしまいます。そして、自分でなくてもいいのではないかという感情も生まれ、楽しめなくなってきてしまうのです。
また、若手の方に多いと感じるのは成長感がなく「飽き」が早めに生まれてしまうことです。自身の行動への意味付けがクリアで無くなってしまうと、それは一気にただの作業となってしまいます。
地味だけど大事な行動目標
次に行動目標の話です。具体的に言うならば、以下の様に分類ができます。
行動目標は、ひとつひとつ細分化しているのでとても地味です。
ただし、このめちゃくちゃ地味なことを真剣に考えて、手を変え品を変えトライアンドエラーを繰り返すことでより良いアクションが生み出されていくと考えています。それが黒子としての最適な場づくりの一歩です。
これを自身の結果目標から逆引きして、できるだけ細分化して書き出してみると良いと思います。とにかく細かくしてみるのがポイントです。
そしてここに意味付けができるようになってくると、この仕事の成長曲線は一気に角度が付いてきます。
そしてここから、以下の話へ展開します。
何を楽しむのかで成果は大きく変わる
これまで話してきた、行動目標の達成(場づくりや良い体験づくり)に集中していくことが良い結果を生み出すという思考は、日々改善していく姿勢や新しいアイディアを出し続けるという行動に繋がっていきます。
そして転職マーケットは、日々候補者の方からのニーズや企業からの求める人材などのトレンドの変化がとても激しいです。更にスタートアップ領域になるとそのサイクルはとても早く、目まぐるしいです。
そのような環境を前にした際に、エージェントは常にアンテナを張り続け、情報のインプット量を増やし、多くの人と話すことでコミュニケーションをとり、過去の概念や当たり前を捨てるという行動をし続けなければ最新のリアルな情報を提供し続けられないですし、逆に今まで培ってきた経験が邪魔になってしまう事態が発生してしまいます。
結果だけではなく、プロセスを見てモチベーションを担保し、必要な情報を必要なタイミングで提供したり、最適な企業の求人・獲得しにいく力・最適な場づくりをするうえで、自分に何が足りないのかを常に考えて動いていくことが最適なサービスを提供することに繋がりますし、その過程を楽しめるようにもなれるかと思います。
無理にいきなり「この仕事を楽しめ!」と言われたり、「まずはとにかく企業を好きになれ!」などと色々と言われることはありますが、その前提を理解していないとちょっと無理があります。
やはりチームでやる素晴らしさ
私は人材紹介事業を「行動目標」を追求する楽しさが結果として好転するビジネスだと考えています。だからこそ、行動目標を追うことへの深みや無限性を感じています。
そしてそのマニアックさを共有し追求する仕組み作りや文化を組織として蓄えていくことは、資産となり成果の再現性に繋がります。学習能力が高い組織は、日々変わっていく環境にスピーディーにアジャストできます。情報や学習も大切なので、三人寄れば文殊の知恵ではないですが、チームや組織として戦っていくということは、エージェントとしても強いと感じます。
だからこそ、S hireを立ち上げ、チームで行動目標を追う文化は今後もしっかりと継続していきたいと思っていますし、前回の記事でもお伝えした行動指針はそこにしっかりとリンクしています。
また、ひとりひとり強みや弱みもあるので、個人の特性を活かしていくことも大切です。全ての人が同じように行動すればいいというわけでもなく、仮に行動指針が7つあったとして7分の5がその人の強みに活きるのであれば、そちらを優先して行動に落とし込むべきであるし、7つ全てを横並びに実行しようと思っても、時間がかかってしまいます。
そのため、個人の特性を活かし優劣をつけて行動に移していくということは重要であると思います。カバーできない部分はチームで補えばOKです。
仕事を長く続けるコツ「飽きを防ぐ」
これまで話してきたように、エージェントは無力だ(力を及ぼすことができない領域で結果が決まることも多い)と受け止めた前提で、場づくりを最適化していこうとを考えた時に、結果目標だけではなく行動目標をしっかりと細分化し磨き高めていくということが大切であると考えている理由に「仕事を楽しめるから!」というシンプルなものも個人的にはあります。
個人的には、仕事が上手くいくコツは「飽きないこと」だと考えており、継続は力なり、なので継続することが競争力を醸成すると確信しています。ただし飽きてしまうとそれはなかなかの苦行になってしまうため、飽きを防ぐことができれば競争力を得ることができるということですね。
そうなった際に、これまで記載してきた通り、短絡的に結果目標を追ってバーンアウトせず、行動目標の達成/改善を継続することにより自身の成長感を得ながら成果を大きくしていく喜びを見出すことができれば飽きることなく継続ができる。というロジックで仕事を楽しめるのではないでしょうか?これらのサイクルを身に付けることができれば、キャリアにおいても健やかなレバレッジを生み出せるはずです。
この話などは近しい部分があります。
最後に、S hireは人材紹介業を楽しんでいるメンバーで揃っている組織です!興味をお持ちいただければ是非是非お話をしましょう🙌🏻