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-Day 1- イスラエル3.5日間の滞在で1000人に夢を聴く(前編)

『1000人鬼畜かよ。いや、甘いのか。』 

いやいやいやいや、1000人って多っっっっっ。

そりゃ当たり前だ。と言われても仕方ないんだけれど。
1000人と話すために日本にいる間、折り鶴を用意していた。

夢を聞く代わりに折り鶴を渡そう。

そうすればきっと人は、声をかけなくても来てくれるであろう!

でも現実は.............

「甘かった!!!!!!!!!猛烈に甘かった!!!」

実は、「折り鶴を作ろう!」という発想も出発数日前。1000枚の折り紙を100均で購入し、ベングリオン空港(イスラエル)までの飛行機の中で、眠い目をこすりながら、ひたすら折り鶴を作っていました。

その時に1000という途方もない数字の大きさに初めて驚きましたね。結局折れた鶴は、合計約200羽くらい....

1日目に折り鶴の効果を試して、反応が良かったら、夜にまた作ろうなんてことを考えながら、ベングリオン空港(イスラエル)到着したのでした。

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ということで、朝から振り返ってみます


-波乱の幕開けと、一歩踏み出すまでの葛藤

7月28日(土) 8:30am (イスラエル時間)にベングリオン空港に到着し、ひとまず現地通貨のシェケルにATMで換金。

ベングリオン空港から、まずは今晩の宿泊先のある東のエルサレムまで行かなければならない。

ただ、土曜日は、安息日(シャバット)ということもあり、日没までユダヤ人は基本的に全員お休みとのこと。お店や公共交通機関すべて停止。

ある程度、話は聞いていたけれども、なんだかんだ観光地は機能しているであろう。と、まずは安息日でも動いている、エルサレム行きのシャトルバスへ乗車。10人乗りのシャトルバス。Airbnbの宿泊先を伝えるとそこまで乗せていってくれるとのこと。ありがたい。

10人乗車すると車は発車。

早速自分と友人以外の8人に聞けるチャンス到来。

早速準備をしながら、

「よし、聞こう」

でも、なかなか最初の一言が出せない。
あれ?自分こんなに人見知りだったかな、、、と思いつつ、何も書いていない紙に自分の名前と夢を書く。

「よし、ここに書いてもらうんだ。聞こう」

でも、なんだか聞けない。友人も今か今かと聞くのをカメラを持ちながら待っている様子だった。

聞こうとしているのに、なかなか聞けない。聞いたらどんな反応されるんだろう。拒絶されたらどうしよう。なんていう葛藤を抱えながらシャトルバスは、一人また一人とお客さんを下ろしていく。自分はただ紙きれを持ちながら、その様子を見ることしかできなかった。

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情けなさすぎる.....

そんな中、下りる番が来た。その時にはもう、僕たち以外、だれも乗っていなかった。

閑散とする車内で、聞こえるのは荒っぽい運転の音と、たまに聞こえる運転手の舌打ちくらいだった。

無事、下ろしてもらうと、失礼かもしれないが、日本人の感覚でいうと決して綺麗な場所ではなかった。Airbnbの住所もアバウトで果たして、これからどこへ行けばいいというのか。

運転手にこの住所なんだけど、どの建物?と聞くと、意外にも優しく、あの建物の4階だ。と教えてくれた。

途中間違った建物に入ろうとすると、クラクションを鳴らしながら、

違う!そっちじゃない!こっちだ!(指をさしながら)

とまで教えてくれ、無事建物を見つけた。

すでにお分かりだろうが、ここまでで、インタビューのイの字も出てきていない。

-エルサレムの宿で泊めてくれた64歳のおばあちゃん

建物を見つけたはいいが、入ると、そこはまさに廃墟。(失礼極まりない)

本当にこんな場所に部屋なんてあるんだろうか...と、半ば不安になりながら恐る恐る4階へ。行くと、そこには可愛らしい装飾が施されたドアがあり、ホストの名前が書いてあった。

ドアを開けると60代の優しそうな、おばあちゃんがいた。

フレンドリーな方で、よく来たねと言わんばかりに、親切にしてくれた。

まずはこのおばあちゃんに

「イスラエルに来た目的」を話し、「エルサレムで人が集まりそうな場所」を聞いた。

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おばあちゃんは、イスラエルに来た目的を話すと、興味深々に話を聞いてくれ、の過去の話や娘の話も聞かせてくれた。

その中であなたの夢は、何?と聞かれ、正直口ごもってしまった。

これだ!というものが決まってなかったからだ。

でも一つやってみたいこととして、自分のビジネスは持ってみたい。と、思っていることを話した。

おばあちゃんはそれに対して、

「お金が目的でやるビジネスは成功しないよ。あなたが本当に愛していることをすれば、勝手に人もお金もついてくるからね。」

と、諭すように言った。言葉面ではわかってはいたけれども、ここがイスラエルだからか、話しているおばあちゃんがユダヤ人だからか、変に重みのあるような言葉に聞こえた。

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そんな話の中でおばあちゃんが今夢として強く望んでいるのは、ユダヤ人とアラブ人の平和だった。本当は世界のいろいろなところを見たいけれど、もうこんな歳だから、難しい。ただ、ユダヤ人とアラブ人が手を取り、一緒に暮らせるところが実現してくれるといい。話をするおばあちゃんはどこが淋しげで、悲しそうな目をしていた。同時にイスラエルの歴史をしっかり学んでこなかった自分を恥じた瞬間でもあった。

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その後、おばあちゃんはエルサレムの地図を渡してくれて、3つの人が集まる場所を教えてくれた。まず1つ目は、Point of View, 2つ目にThe First Station, 最後にOld City(旧市街地)だった。

Point of Viewではエルサレムの景色が一望できることから観光地として人気とのこと、The First Stationはとにかく人が集まってどんちゃん騒ぎしているところらしい、そして3つ目のOld Cityは完全なる観光名所とのこと。

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この3点を回れば安息日でも人は集めれるであろう。そう思ってまずは、スケッチブックに、What is your Dream?と、大きく書き、その上で、別ページにおばあちゃんにヘブライ語で書いてもらった。

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スケッチブックに書いてもらうよう促すと、おばあちゃんは白い紙を見て感動していた。エルサレムでは、スケッチブックのような白い紙は高価で見つけにくいとのことで、生まれて初めて、目の前で白い紙に感動する人を見て、何とも言えない不思議な気持ちになったことを今でも覚えている。

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-出発

そして、ついに出発。時刻は10時を過ぎていた。

出発数分後、友人が忘れ物をしたとのことで、一度家に戻ることに。
すると家には若い男女のカップルが立っていた。

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こんにちは。と爽やかな男性があいさつをしてくれた。別の部屋に泊まっていたカップルらしい。そろそろエルサレムを去るとのことだった。

そこでカップルたちが、もし公共交通機関を使うんだったら、これあげようか?と5シェケルで購入したというカードを差し出してきた。僕自身非常にうれしかったが、ちょうど100シェケルの札しかもってなかったことから、おばあちゃんが5シェケルたてかえてくれた。

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そこで早速、カップルに本日2人目と3人目となる夢を聞いた。
2人とも「多くは望まない。ただ、自分たちが思う楽しい生活ができればいいさ」とのこと。正直、なんだか腑に落ちない感じもしたが、まずは聞けて良かった。よし、どんどん行こうという思いにはなった。

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2人とおばあちゃんに別れを告げ、早速街に繰り出した。

といっても、おばあちゃんから地図はもらったものの、右に行けばいいのか左にいけばいいのかわからない。とりあえず人に聞こうと思い、様々な人に聞き、助けてもらいながら、そして夢を聞きながら、水を買いながら、やっとthe point of viewまで来た。

(夢を聴くついでに道を聞いているところ)

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ちなみに、エルサレムはカラッとした気候ではありながら、気温は常に30度超え。日焼け止めクリームを塗りたくりながら歩かなければ、日焼けに耐性のない色白の自分は、火傷してしまう。。。

-the Point of View

時間をかけて、やっとついたthe Point of Viewには、そんなに人がいない、、、、そして、今まで道を聞いたり、夢を聞いたりした人たちは、基本1対1で話すことが多く、さらにはおしゃべりな性格なのか、やたらと話してくれる。うれしいけれども、暑いのと、失礼ながら次の人に行きたい気持ちでいっぱいだった。

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the Point of Viewでは人は少ないもののグループ単位で来ている人も多く、よし、グループで一気に聞く作戦に変更だ。と早速突っ込んでいった。意外にも好意的に話を聞いてくれる人が多く嬉しかった。同時にちょっと怖そうな人には聞きにいかなかった。
※人は見た目ではないとはいいつつもここは中東。ある程度の注意は最低限払おうと思っていた。

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ある程度聞いたら、ここに居座ってもそんなに人がこないなということで、次の場所へ移動。

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-2つめの場所での葛藤

The First Train Stationへ。道中、次は、なるべくグループとグループの距離が近いところにいく作戦にしよう。そうすれば、隣でなんかやってんなあとわかり、一からの説明はなくなりそうだからだ。

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よし、と決め、歩くも、まあ、エルサレムは暑いし、坂も多い。あっという間に汗だくになる。それでもなんとか目的地にたどり着いた。そこには多くの人がいてにぎわっていた。よしっこれは聞ける!と様々な人に聞いていくも、「なんか、、、違うなぁ」という思いになった。

なんせ、家族連れが多い。家族がいるお父さんお母さんからは大体同じ答えしか返ってこない。子供が幸せに。健康に。楽しく。うーーーーん。これでたくさん聞いていっても仕方ないんじゃないかなあ。。。

たまに10代後半の人が映画監督になりたいんだ!と言ってくれる人や、ステージで歌っていたお兄さんが自分の歌を作ってアルバムを作りたい!や、10人の大きなバンドで演奏したいというおじいさん。そういう人の話は楽しく聞けた。でも、楽しく。健康に。は、素晴らしいことなんだけれども、正直しっくりこなかった。

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なぜなら「1000人聴く」を「1000人聴くことを"こなす"」にしたくなかったからだ。

そこで、再び葛藤。一旦お昼食べよう。と友人を誘い、車で出店しているお店へ、そこのカウンターでピザみたいなパンを食べながら、友人に、3つ目のOld Cityに行こうと切り出した。そして日没後、またここに戻ってこようと。友人は、おっけーというも、なんだか不服そうだった。


「いいよ。言いたいことあるなら言って。」
「うーん。なんでこんなに人がいるのに、別の場所に移動して、日没後ここに戻ってくるのかなって」


僕は友人に今思っていることを伝えた。家族連れが多いことや、20代があまりにもいなさすぎること。日没後なら安息日も終了して出てくるんじゃないかということ。


友人は、納得したようだった。


同時に、自分では話しながら、なんで人選んでるんだよ。選んでる余裕なんてないだろ。と自分に言ってくるもう一人の自分と葛藤していた。

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Day 1 (後編)へと続く


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