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夜の自由帳

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夜に考える、ぐるぐるとした出口のないこととかの、集積所です。
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#言葉

藍のなかの黒の、夜空

藍のなかの黒の、夜空

夜空が暗いと安心する
特に札幌の冬の夜空は、キン、と凍りついたように冷たくて、暗くて鮮やかな藍のなかに、月明かりに照らされた雲が透けて見える

『青は藍より出でて藍より青し』という昔の言葉があるそうだけれど、わたしは藍色の方があおいと思う

暗い、凍ったあおい空から降る空気の中で、誰も私に触れられないような、誰にも触れられないような、人を孤独で覆うような夜の空に浸されていると、まるで自分が肯定され

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月の化石

月の化石

星の死骸が集まる

星と星の間の空白を埋めるようにわたしたちは廻っていて、互いに繋ぎそびれた手が、宇宙の塵の中で所在なく浮かんでいる

いつか、掴めたかもしれない手、の、空白を握ることはできなくて、わたしたちには穴が空いている

埋めるための空白、わたしたちにはそれしかない
穴を、開けたのは誰か、なんてことをわたしたちは考えない
離れた人たちにだって、いい感じでいてほしいよねと、友達と話す

わた

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1000のNOの中にある幻日と、その残骸と

1000のNOの中にある幻日と、その残骸と

好きだからでも傷ついてるからでさえなく、傷付いてると周りに思われたいいためのファッションは、はしたないとか品がないのを通り越して醜くさえあるな思うことがあって

自由だった筈のファッションの中にあるのは不自由さだけだった

それは、そこには悲しさも、自己憐憫すら無くて、「かわいそうに思われたい」自己陶酔に埋められているからんだろうなと思う

ある過去にはたしかに手の中に在ったはずの未来はやせ細って

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