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意味がない1on1の「原因」と「解消法」


「職場をもっと働きやすく」がテーマの研修会社のマーベリックです。

今回は、1on1についてのコラムです。

私は前職で上長と月イチで実施していましたが、成長に結びついた実感がなく、とても無為な時間でした…。その苦い経験から、1on1の正解を記したのが本記事となります。

1on1はなぜ行うかと言われれば、シンプルに部下がより早く、強く成長できるようにアドバイスするためです。

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1on1について以下のような悩みはありませんか?
・話すことがない
・1on1が有効に機能していない
・正解が分からない

私自身も経験がありますが、1on1で陥りがちなのが 「最近どう?」「将来どうなりたいの?」 という会話です。

結論から言うと、 この問いかけからは何も生み出すことができません。

部下からすると、
「最近どう?って言われても…」
「なりたい姿なんて特にないな…でも、答えられないと何も考えていないと思われる」
などの理由で本当は考えていないことを話してしまう、というのが実情なのです。
これでは1on1は苦痛になっていきますし、お互いが本音で話せないことは時間とキャリアパスのムダになります。

大前提として、本当に1on1を必要としている社員は、どちらかといえば現在業務に苦戦していて、不調な社員なのです。

苦戦している社員は、仕事の習熟度合いで言えば、➀パニックゾーン(混乱期)~➁ラーニングゾーン(学習期)にいる社員です。

1on1の内容は、社員のレベルごとに内容を変える

➀のパニックゾーンにいる社員の特徴は「自分が分かっていないことすら自覚できていない」状態であることです。業務の全体や細かなルールを把握できていないため、心身共に摩耗しています。

②のラーニングゾーンの社員の特徴は「分からないことが多い、調べるべきことが多い」状態であることです。➀との違いは、学習の端緒は掴めている、ということです。トライ&エラーを繰り返し、経験を積む時期です。

この1on1が本当に必要な社員に対しての有効な1on1の詳細ですが、
➀パニックゾーンにいる社員に対しては、業務の全体フローの説明と、とにかく足場を作ってあげることです。そうすれば、いま成すべき仕事が分かります。成すべき仕事が流れで理解出来たら、次は足場を作ってあげます。

足場とは「完璧にこなせる仕事」のことです。ここは、微に入り細にわたり、原理と原則から教えることが肝です。この最もケアが必要な、パニックゾーンにいる社員が欲しているものは、目の前の業務をミスなくこなせるようにする具体的な業務アドバイスです。足場を作れば、徐々にその足場を広げて、ラーニングゾーンに入ります。

➁ラーニングゾーンにいる社員に対しての1on1ですが、上司自身のキャリアから、
・部下が今担当している業務についての、具体的なヒアリングとアドバイスを行う、という1点のみです。普段の様子や会話のレベルから習熟度を把握し、その社員がいま最も伸びそうなアドバイスを1on1で行います。上司から
「今の業務は、こういう進め方だと聞いたけど、こういう方法もあるよ」
「自分の経験だと、次はこんな状態になるから、こうやって乗り越えることができる」
など、部下の目線の高さまで降りていき、寄り添った会話が必要なのです。

具体的なアドバイスの提示によって、良質な経験を積ませ、問題を克服していけば、自然と次のゾーンに達する=成長することができます。

伸び悩みのある社員は、いつも現状に漠然とした不安を抱えていて、自信を持つことが難しく、自力で現状を抜け出すことが難しい状況です。だからこそ、具体的な業務内容にコミットすること=答えを提示することが必要なのです。

※すでにコンフォートゾーンに達しているような「一人親方」や、ラーニングゾーン後期の社員には、
・現在地の確認と中長期的なキャリアパスの提示
・そのために今後身に付けていくべきスキル
を、上司の実体験に基づいてレクチャーしてあげれば大丈夫です。

どんなにデキる社員でも、自分の現在地の先にあるキャリアパスだけは「未体験のゾーン」であるため、リアルに想像することが出来ません。しかし、上司自身のキャリアパスから、具体的な成長に必要なスキルのアドバイスをしながら先のヴィジョンを提示すれば、目標に向かって成長し続けます。

・部下の伸び悩みに気が付くこと
・その伸び悩みの原因と解消法

上記は、 同じ道を辿った経験や、一段上のレイヤーにいる上司だからこそ、的確なアドバイスが可能なのです。

月に1回の1on1では、上司自身の経験をもとに、
・粒度の細かい業務内容のヒアリングと答えの提示
・どんなポイントで業務にあたるべきか?
を具体的に提示しましょう。

軌道に乗れば、
・新たに出てきた業務で困っていること
・その解決方法
・会社として、中長期的に目指してほしい ポジションとキャリアパスの提示と軌道修正
・そのために必要なスキルは何か?のすり合わせ  
など、建設的な内容で時間を有効に使うことができます。

悩める部下からしても、会社としてオフィシャルに、クローズドされた空間で言いにくい悩みを打ち明けることができ、とても貴重な時間になります。

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